【インタビュー】VALSHE、9thシングルは「自分自身についた嘘です」
■ライブに来てくださる皆さんの前ではもはや取り繕う必要もない
■きっと受け入れてもらえると信頼しているから歌えたんです
──実は今回のタイトルにちなんで、“VALSHEさんの人生最大の嘘は?”と尋ねようと思っていましたが、もしかしてこの楽曲に歌われている嘘がそうなんでしょうか?
VALSHE:そうかもしれませんね。自分につく嘘って、最初から嘘だとばれてしまうものですから。でも、自分が嘘をつくことに対して、周りも懸命に頑張ってくれたことも知っていました。そしてその結果、だんだんと嘘だったはずのことが、現実に変わろうとしていると感じますね。
──なるほど。もしいつかその嘘が100%本当になったら、どんな嘘だったか教えてくれますか。
VALSHE:はい。約束します。
──これまでの話を聞く限り、今回は歌詞を書くのが大変だったのではないですか?
VALSHE:それがそうではなかったんです。いつもは音が出来上がって、歌詞の世界観を想像して、それを家に持ち帰ってデモから聴いたときの印象や感じた色などを踏まえ、熟考しながら書いていきます。ただ今回は自分が今置かれている状況をデモ音源のメロディに乗せて行くだけでした。だから1時間ほどで書き上げてしまったんです。いつものような、いかに抽象的に書いて、どう解釈してもらうように書こうかという行程がなかった分、早く書けたんだと思います。
──それは意外です。“いまから嘘をつくよ”というフレーズなんて秀逸ですから。
VALSHE:悩んでいないわけではないんですが(笑)、この5年間のなかで一番速く書き上げた歌詞かもしれませんね。今回は家に持ち帰らずデモを聴いたのと同じ場所で書いて、書き終わったらすぐに白皙に渡してイラストを描いてもらいました。曲や歌詞など全てが出そろった後でそこで感じたものを絵に描いてもらうという流れはこれまでにやったことがなかったので、そういった意味でも新しい取り組みでしたね。
──様々なクリエイションが同時進行していったような感じでしょうか?
▲<LIVE THE TRIP 2014 ~Lost my IDENTITY~>11月8日(土)@舞浜アンフィシアター |
──それほどまでに特別な思いが詰まった楽曲なんですね。
VALSHE:はい。後からお手紙などで、“ライブの姿を見てしまったから「君への嘘」を聴くのが恐い”という人もいて、心配をかけて申し訳ないことをしてしまったなと。ですが、5年続けてきて、ライブに来てくださる皆さんの前ではもはや取り繕う必要もないし、飾らない姿を見てもきっと受け入れてもらえると信頼しているから歌えたんです。こうやって話せる機会に少しずつでも分かってもらえたらいいなと思っています。
──カップリング曲「microSOLDIER」はどのような思いから生まれた楽曲ですか?
VALSHE:「君への嘘」が切ない楽曲なので、それとは対極的にハードで攻撃的なナンバーにしたいねと話していたんです。VALSHE楽曲のなかで、最速くらいにスピード感のある楽曲になりました。リード曲とほぼ同時進行で制作されていたこともあり、ライブを意識した楽曲にもなっていて、コール&レスポンスできるところもあります。それと、ラップのパートも盛り込んだんですが、これは1stシングル以来で、すごく久しぶりでした。
──アップチューンを何曲も歌ってきているとは言え、かなりのスピードですから歌うのは大変だったのでは?
VALSHE:細かく速いテンポで刻んでいくメロディラインは、VALSHEの特徴でもあるし、それって裏を返せば得意分野でもあるんですよ。だからチームでカラオケに行ったりすると、自分は気分良く歌うんですが、minatoが歌うと「こんな速くて息継ぎもできない曲、いったい誰が作ったんだ!」って怒りだします。そこまでがひとネタで(笑)。
──チームの仲が良いのが伝わりますね。
VALSHE:ええ(笑)、カラオケでの1つのお決まりになってますね。この曲と通常盤に収録されるカバー曲「TRUTH ~A Great Detective of Love」は同じ日にレコーディングしたんですが、どちらも自分が好きなタイプの楽曲なので終始楽しく歌えました。
──「microSOLDIER」はタイトルをはじめ、“開戦”や“官軍”といった歌詞から“闘い”を連想しますが?
VALSHE:“闘い”そのものというよりは、闘う人たちについて書きました。歌詞を書いたのが「君への嘘」と近かったので、そこでは書かなかった別の思い、別の視点を書きました。だからある意味で、対照的だけど双子のような楽曲です。ほとんどは漢字の発音そのままですが、“戦場”は“ステージ”と読みます。それは自分にとって、ステージの上が本当に闘いの場であると思うから。そしてそこに集まってくれる人たちは戦友であり、1人も欠けてはならない存在です。1人ひとりは小さな存在かもしれないけど、集まることですごく大きなパワーになっています。それを感じながら歌詞を書くことで、「君への嘘」で吐露した自分の気持ちが救われるような感覚もありましたね。
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