【インタビュー】高橋洋子「まだ見ていないのに歌詞で言い当てちゃったんですよ」
■私たち人間は新しい星を生み出すために生きている
■大事なものは、どこか遠くではなく身近にある
――笹路正徳さんがアレンジされたカップリング「新しい星」も壮大なメッセージ性のある楽曲ですね。メッセージにも共通しているところがあります。
高橋:こちらの歌詞もアンジュに向けて書いた母親目線の曲なんです。アニメのエンディングは私ではないですが、エンディングのようなイメージで聴いてもらえたらいいなと。アンジュのお母さんは亡くなって、この世にはいないんですが、もし伝えたいことがあるとしたら……って考えたら、私たち人間は、新しい星を生み出すために生きているんじゃないかと思ったんです。新しい星というと、宇宙にある星を思うかもしれないけど、一人一人に与えられた命が星なんだっていうことを伝えたいというか。あなたが持っている命は、人と比べるものではなく、一人一人の輝きがある素晴らしい星なんだって感じることは、すごく大事なことだと思うんですね。大事なものは、どこか遠くではなく、身近にあるものなんだっていうことを思い出して育んでほしい。そういうメッセージをあえてカップリングに入れさせてもらいました。「新しい星を目指していく」というのは、私だけではなく社会的にも、これからの時代のスローガンなんじゃないかと思うんです。メッセージを発信する側には、そういう風に大切なことを伝えていく責任もあると思うんですね。
――アニメ主題歌は幅広い層の方が聴いていますから、影響力大ですよね。
高橋:はい。特に音楽って、例えばお店に入ったら、有線放送で勝手に耳に入ってくるじゃないですか。その人がその曲を聴きたいと言っていないのに。だからこそ、影響力があるなぁと思うので、作り手にとっての責任は大きいと思うんです。曲を作って出すのって、子供を里子に出すようなものなんですよ。里子に出た先の人の扱いで、その曲は変わる。愛されるかもしれないし、嫌われるかもしれない。その曲の運命は私にはわからないんですけど、産むからにはっていう責任を持って作ることを心がけています。
――里子に出した先の運命はわからないということで言えば、高橋さんの代表曲「残酷な天使のテーゼ」ほどのヒット曲を持ってしまうと、それにがんじがらめにされて、抜け出せないということもあったりしたんじゃないかと思いますけど、どうでしたか?
高橋:プレッシャーはありましたよ。「エヴァの曲を唄っているから、この主題歌は頼めない」と言われたことも何度もありますしね。「エヴァンゲリオン」に関しては、大森俊之さんからの紹介だったんですけど、その時には、まさかここまで長い間、唄い続けることになるなんて思ってませんでした。「エヴァンゲリオン」というタイトルがものすごく大きいから、「エヴァンゲリオン=高橋洋子」みたいな。でも、実際は、「エヴァンゲリオン」の曲って、私以外の人も唄っているんですよね。でも、最初に唄わせていただいたイメージが強かったんでしょうね。でも、もう20年近くも経って、いまだにたくさんの人がカラオケで唄ってくれているという事実を考えると、すごくいい作品と私は出会えてありがたいなということに尽きます。この作品から広がった出会いも多いんですよ。
――最後に、2015年はどんな年になりそうですか?
高橋:ゆるやかに攻める年になりそうです(笑)。きっと、皆さんに私の歌を聴いていただける機会が増えると思います。「こう来たか!」っていう、嬉しい裏切りがあるようなものを作っていきたいですね。
取材・文●大橋美貴子
(C)SUNRISE/PROJECT ANGE
「真実の黙示録」
KICM-1565/価格:定価¥1,200+税
1.真実の黙示録
(作詞:高橋洋子/作曲・編曲:大森俊之)
2.新しい星(仮)
(作詞・作曲:高橋洋子/編曲:笹路正徳)
3.真実の黙示録(Off Vocal Version)
4.新しい星(仮)(Off Vocal Version)
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