【インタビュー】FAKE?は3公演とも違う顔ぶれでステージに立つよ

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2013年11月、<ROYAL INFECTIOUS TOUR>と銘打ちながら、Muddy Apesとの共闘による三大都市ツアーを実施したFAKE?。両バンドのパワフルかつピースフルなぶつかりあいを堪能したファンの多くは、あの瞬間から“次”の機会到来を熱望してきたことだろう。そしてこの3月末から4月にかけ、早くも<ROYAL INFECTIOUS TOUR>の第二弾が実現する運びとなった。今回、FAKE?とステージをともにすることになるのはFUZZY CONTROL。このツアー開幕に向けての現在の気持ちと、FAKE?の現状について、首謀者であるKEN LLOYDに話を聞いた。

◆FAKE?画像

――<ROYAL INFECTIOUS TOUR>は一回きりの特別なものなんだろうと思い込んでいたんですよ。正直、こうして早くも第二回が実現すると聞いたときは驚きました。

KEN:実は初めからシリーズ的なライブとして考えていて、その第一弾としてはMuddy Apesが最適かな、と。まずこういったツアーをやりたいって考えたとき、一緒にやってみたいバンドを片っ端からリストアップしてみたんだけど、当然みんなスケジュールの都合もあるから、うまくタイミングが合った人たちからどんどん一緒にやっていきたいなと思って。今回一緒にやることになったFUZZY CONTROLについては、正直に言うと、最初から候補に挙がってたわけではなかった。だけど、気になるバンドに出会うたびに、どんどんこのリストは更新されていくことになるからね。

――前々から付き合いがあったとか、そういう関係ではないはずですよね?

KEN:うん。バンドの名前は知ってたけど、人まではよく知らなかった。ただ、すごく評判がいいのは知っていて。しかも俺のまわりのミュージシャンとか関係者たちの間でね。偶然なことに共通の知り合いも多かったし、誰に聞いても「一緒にやったら面白いんじゃない?」という答えが返ってきて。自分が信頼してる人たちからの評判がいいバンドって、やっぱり信じられるじゃない? 俺の知り合いには辛口な人たちが多いんだけど(笑)、みんな口を揃えて褒めてたりするし。で、たまたま紹介してもらう機会があって、一緒に呑みに行ったりして、実際に仲良くなって…。なんかすごく純粋で、音楽が大好きなのが伝わってくる人たちだなと思った。そういう人たちこそミュージシャンであるべきだよね。

――そうじゃない人がこの世界には多過ぎる、と?

KEN:そんな、イギリス人みたいな毒のあることは言わないよ、俺は(笑)。でもね、話していてもホントに音楽が大好きなんだなと思えたし、そういう人たちにいて欲しいなって思う。この業界、口ばっかりの人たちも多いけど、彼らはホントのことしか言ってないように思えたしね。まあ、そういう意味では俺も同じだし、俺もすごくピュアだけど(笑)。

――まだ付き合い自体は浅いけども、一緒にやる相手として不足はないという感じですね。

KEN:うん。俺は未知のものも好きなのね。いろいろと知ったうえで、絶対面白いことになるって確信できたうえで一緒にやるのもアリなんだけど、結果がどうなるかがわからない面白さっていうのも好き。まだよく知らないぶん、それこそツアーの初日まで、こっちもどう出るべきかがわからないじゃない? そういう意味で言えば、俺、Muddy Apesのライブも一緒にやるまで観たことなかったもん。だけど面白くないはずがないと思ってたし、実際やってみたらすごくいい結果に繋がったし。あのツアーの初日、Muddy Apesが先に演奏してくれたんだけど、彼らのステージを観て「おおっ。こりゃちょっとヤバいかな!」って思ったぐらいだった。その場で気合が入ったというか、火をつけられたというか。そういう感覚が好きなんだよね。俺、事前にあれこれ考えてステージに立ったりしないから。動きとかも常に、そのときの気分次第。振り付けとかが決まってるわけじゃないから(笑)。

――それも観てみたい気がしますけど(笑)。冗談はともかく、要するにその場の気分を楽しみたいってことですよね?

KEN:うん。それに俺自身、滅多に他のバンドのライブを観に行かないのね。だから、観たいバンドは一緒にライブをやればいいっていう感覚でもある。一石二鳥だよね、まさに。ていうか、この四文字熟語の使い方、合ってる?(笑)もちろんあらかじめ仲のいいバンドと一緒にやるのも楽しいけど、多分、そこで得られるものが違うんだと思う。ライブに向かう気持ちも違うだろうしね。

――ええ。で、その両方を楽しみたいってことですね? ちなみに今現在、FAKE?自体はどういった状況にあるんですか?

KEN:実はしばらくイギリスに戻ってたんだけど、その理由のひとつが歌詞を書くことで。次のアルバムのための歌詞をね。アルバムの内容がそれを求めていたので。まだ具体的なことは言わないでおくけど、デモの制作までさかのぼると、もう3年ぐらいかけながらアルバム作りを進めていて。途中で会場限定CDとかも発表してたから、そんなに長いことリリースしてないとは思われてないかもしれないけど。実際には3年前から次のアルバムのコンセプトというのを決めていて…詳しくはまたの機会に話したいと思うけど、ちょっとこれは俺のライフワークになりそうなテーマなんだよね。当初の計画からはちょっと遅れてるけど、今年中には何らかの形で聴いてもらえると思う。

――歌詞を書くには、コンセプト的な都合でイギリスのほうが都合良かったんですか?

KEN:ちょっと緑の多い、自然が豊かな環境で書きたかった。歌詞の内容的にね。

――自然の多い環境…。日本の温泉とかじゃ駄目だったんでしょうか?

KEN:悪くないけど、猿とかが出てくるから(笑)。まあ単純に、他にもイギリスに帰らなきゃいけない理由があったし、せっかくだから歌詞はイギリスで全部書いてみようかなと思ったわけ。曲は全部、日本で作ってあったしね。

――しかしなんかカッコいいですよ。「歌詞を書くためにイギリスに行ってた」なんて。

KEN:カッコいいでしょ? たまにはカッコつけようかなと思って(笑)。でも実際、着々とアルバム制作は進めてきたんだよ。俺があんまりソーシャル・メディアをうまく使ってなくて、ツイッターでもどうでもいいことばっかり言ってるから、ろくに制作とかしてないように思われてたかもしれないけど(笑)。実際、今回のツアーでも新曲を聴いてもらえるかもしれない。しかも全3回、FAKE?については、まったく同じ顔ぶれで演奏する日はないから。

――それは面白いことになりそうですね。メンバーが固定的じゃない成り立ちだからこその自由さが、ここでいっそう発揮されることになる。

KEN:うん。だから今回のツアーはいろんな意味で楽しめるんじゃないかな。たとえば3本とも観に来てくれる人たちは、毎回違ったFAKE?の顔を観られることになるし、次のFAKE?が感じられる曲を聴ける可能性も大きいし…。自分でもすごく面白いバンドだなって、改めて思う。しかもFUZZY CONTROLのライブを一緒に楽しめるわけだからね。これは間違いなく、面白いことになると思う。こういったツアーをやりたいなって最初に思ったときの動機そのままのライブができるはずだよ。

文・撮影:増田勇一

FAKE?×FUZZY CONTROL<ROYAL INFECTIOUS TOUR>
3月30日(日)名古屋・RAD HALL
4月5日(土)大阪・ESAKA MUSE
4月6日(日)東京・新宿BLAZE

◆FAKE?オフィシャルサイト
◆FUZZY CONTROLオフィシャルサイト
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