【インタビュー】KEN LLOYD、初のソロ公演直前に明かす“前代未聞の夜”のヒント「同じライヴは二度とない」
KEN LLOYDにとってキャリア初となるソロ・ライヴが迫ってきた。<Prelude To Twilight>と銘打たれたこの公演は、5月14日(土)に川崎・CLUB CITTA’にて開催されるもの。
◆KEN LLOYD 動画 / 画像
去る1月にリリースされた個人名義での第1弾楽曲にあたる「Sweetness」のミュージック・ビデオには、彼とFAKE?で活動を共にしていた過去のあるPABLO(G:Pay money To my Pain、RED ORCA等)をはじめ、ZEPELI(B:NYF)、SEIJI(Dr:LAID BACK OCEAN、drug store cowboy)といった顔ぶれが登場していた。そして今回のライヴには、MVにも出演したZEPELIの他、ギターにはNYFでの彼の同胞であり、かつてOBLIVION DUSTのツアーに参加歴のあるRYO、ドラムにはPay money To my Pain 、The BONEZのZAXが起用されている。KEN自身、このソロ・プロジェクトにおいては音源制作、ライヴ活動、MV等への参加ミュージシャンについてその都度ベストマッチな選択をしたいとの意向であるようだ。4月下旬のある日、彼はこの公演に向けて抱負を語るなかで次のように発言している。
「すごく簡単に言うと、ソロでは何にも縛られてない。レコーディングでもライヴでも映像でも、常に同じ顔ぶれでやろうとするとそこに縛られてしまうことになるし、かといって毎回変えればいいというものでもないと思う。ホントにその時々、その場、その曲によって違いがあっていいと考えていて。今回のライヴでは、こうしてすごく強力なミュージシャンたちが力を貸してくれることになりましたけど、あくまで僕自身のペースで進めていくことだから、次回ライヴをやることになった時に同じ顔ぶれが集められるかどうかもわからない。みんな優秀で引っ張りだこな人たちだからね。でも、まずは自分でもこの顔ぶれでのライヴがどうなるかが楽しみだし、最初にコアなファンの人たちに“KEN LLOYDのソロはこういう感じだよ”というのを報告する機会にできたらいいなと思ってます」
ソロ名義での既発表曲が前述の「Sweetness」のみであるだけに、今回のライヴがどのような内容や雰囲気のものになるのかについては具体的に想定できにくいところがある。それについてのヒントを求めると、彼の口からは以下のような答えが返ってきた。
「もちろん「Sweetness」はやるし、この曲をやることだけはすでにみんな想像がついてるはずだけど、それ以外はみんなにとって謎だろうと思う。ただ、ずっと制作を続けてきたから、明日にでもリリースできる状態にあるような新曲もいくつかあるし、まだ完成状態にはないものの今回のライヴで試運転してみたい曲もある。だから、まだ誰も聴いたことのない新曲を9曲披露することを考えてます。それによって、これから僕がやろうとしてることのヒントをたくさん見せられることになると思う。どの曲も自信作だし、出し惜しみなく聴いてもらうつもりでいますよ」
とはいえ、KENは新曲発表会のようなライヴを行なおうとしているわけではない。そこで提示されるのは未来に向けてのヒントばかりではなく、現在形にアップデートされた過去も披露されることになるのだ。
「今回のソロ活動は自分にとって集大成的なものでもあるので、OBLIVION DUST、FAKE?、そしてATOM ON SPHEREという僕自身のなかで大きな部分を占めている3組のレパートリーから、セルフ・カヴァーを披露します。それとは別に、完全なカヴァー曲も1曲やる予定もあるんだけど……その曲の正体は楽しみにしておいて欲しいから事前には明かさずにおきますね。ライヴ自体は、あらかじめ言っておくとアンコールはありません(笑)。僕のライヴに慣れてる人たちはわかってくれてると思うけど、本編ですべて出し切るのでそのつもりでいてください。あと、もうひとつ言っておきたいのは“同じライヴは二度とない”ということ。なかには、このライヴがどんなものになるか想像できないことで、次の機会まで待ってみようと思っている人もいるかもしれないけど、正直、まだ次のライヴは決まってないし、その時のライヴはまた今回とは違っているかもしれないからね。それに僕自身、ずっとこれを続けていくという約束はできないし」
深読みをしたくなるような発言ではあるが、すべては彼自身が何事も永遠ではないのを踏まえながら“今”という機会を大切にしたいからこその判断と見るべきだろう。このソロ活動を戦略的なものではなく「自分にとってのライフワーク」であり、「それを自分の歩調で続けていく」ことを重んじたいと語っている。だから、いわゆる期限付きのソロ活動とは違うのだ。そして、このソロ公演に掲げられている<Prelude To Twilight>、直訳すれば“黄昏の前触れ”という意味合いの言葉にも彼の時間に対する価値観が表れている。
「自分のキャリアのトワイライトに向かっていく。このタイトルはそういう意味です。今は、そこに向けて飛び立つのを前にシートベルトを締めたところかな」
発言のひとつひとつが実に意味深長だが、確かなのはこのライヴを見逃すわけにはいかないということだろう。彼の目的地がどこなのか、そこに向かうルートがどんな地点を経由していくものであるのかは現時点ではまったく明かされていない。しかし、これまでに味わったことのないKEN LLOYDのライヴ・パフォーマンスを体験できることは間違いないはずだ。5月14日、どのようなステージが繰り広げられることになるのかに注目したいところである。
取材・文◎増田勇一
■<KEN LLOYD “Prelude To Twilight” Live>
open17:15 / start18:00
▼チケット
全席指定 ¥7,800(税込/ドリンク代別途)
https://www.ken-lloyd.com/live/jp
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