【インタビュー】新山詩織、4thシングルリリース「何よりも大きかった学校からついに抜けるんだと思うとすごく複雑な気持ちだったり」

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新山詩織が2014年第一弾シングル「今 ここにいる」を2月12日にリリースする。同曲は、ソチオリンピック日本代表の高梨沙羅選手出演による株式会社クラレの企業CMに起用されたメッセージソングだ。未来への希望と、そこに横たわる不安。しかし自分を信じて進んでいくという強い決意を歌った作品は、高梨選手の心情を描いたものであり、3月に高校を卒業する自身の環境とリンクして等身大を映し出した。また、これまでカップリングには、THE GROOVERSやTheatre Brookのメンバー本人とのセッションほか、奥田民生の「イージュー☆ライダー」などカバーソングが収録されてきたが、今回は新山自身のフェイバリットアーティスト、チバユウスケがボーカルを務めるThe Birthdayの「ピアノ」がセレクトされた。尽きることのない可能性と無限の広がりが込められた4thシングルについて、新山詩織が語る。

◆「今 ここにいる」ミュージックビデオ

■私自身、最初の頃は泣きっぱなしだったけど
■泣きながらでも、次に進んで行こうという想いを詰め込みたかった

──2月12日にリリースされる4thシングル「今 ここにいる」は、スキージャンプ選手の高梨沙羅さんが出演しているクラレ企業CMソングにもなっているけど、制作段階から、その絵をイメージして書かれた歌詞だったの?

新山:はい。今回は、高梨沙羅さんの気持ちになって書いてみた歌詞でもありました。スキージャンプというのは、テレビで見るだけで、あまり詳しく知らなかったんですが、今回のお話をいただいたときに、家に帰ってすぐにスキージャンプと高梨沙羅さんのことを調べて、いろんな映像を見てみたんです。そしたら、私と同じ歳の普通の女の子で、最初に見た映像が、ちょうど飛ぶ瞬間の映像だったんです。その映像で、「これからも、もっと高く飛びたい!」って言っていて、本当に強い意思を持って前に進んでいる人なんだなって思ったんです。でも、その気持ちの奥には、きっと辛いことも、立ち止まる瞬間もあったんだろうなと思い、私から高梨沙羅さんに贈る言葉としてでなく、高梨沙羅さんの気持ちになって歌詞を書こうと思ったんです。

──それは、贈る言葉としての歌詞よりも、よりそっちの方が伝わると思ったから?

新山:そうですね。自分から歌詞を贈るとしたら、やっぱり、“頑張れ”とか“君なら出来るよ!”っていう応援ソングになってしまうと思ったんです。でも、そういうことじゃないと感じたんです。もちろん、本人じゃないから、高梨さんが、どんな練習をして、どんな苦しい想いをして、今ここに立っているのか、すべては解らないけど、私なりの解釈で歌詞を書けたと思っています。でも、私はあんなふうには飛べないなぁって。本当にすごいなって思ったんです。いくつか映像を見たんですけど、その中のひとつで、高梨さんのお父さんが、「娘は何の躊躇もなく飛んでいった」って言ってたのを聞いて、そこには何か彼女を惹き付ける強い想いがあったんだろうなって思ったんです。そんなこともいろいろと考えながら書いたんです。

──なるほど。これまでの新山さんの歌詞を見ていると、自分のことや自分の気持ちを歌詞に置き換えてきたことが多かったと思うんだけど、今回のように別の視点から書いた歌詞って、いままでにあったりしたの?

新山:まだ発表されていない曲の中にはあるんですけど、こうやってハッキリと書けたのは初めてかなと思います。

──高梨さんと同じ歳ということもあってか、今、高校の卒業を前にして、1つの帰路に立たされ、新たな世界に飛び立とうとしている自分の想いも、この歌詞には重なる部分もあるのでは?

新山:そうですね、自分自身の気持ちにも重なっている部分はあると思います。高梨さんはもちろん、私と同じ歳で受験を目の前に頑張っている人や、サラリーマンの方やOLの方たちが、いろんな節目に立ったときに、この歌詞が支えになってくれたらいいなと思って書きました。

──少し印象が変化するDメロの部分では、少し不安を抱えている感じを掻き立てるような印象を持ったんだけど、そこに込めた想いは?

新山:私自身、最初の頃は泣きっぱなしで、泣いてばっかりだったけど、自分もそういうことがあったからこそ、ここにこういう言葉が書けたんだろうと思いますね。高梨さんも、きっと出来なくて、頑張っても出来なくて、泣いて頑張った時があったと思うんです。けど、泣きながらでも、次に進んで行こうと頑張ってきたと思うし。そんな想いを詰め込みたかったんです。実際、Dメロのレコーディングのときは、自然と力が入った気がします。

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