Dirty Old Men、未来へとつながるものを求め辿り着いた入魂の最新作『doors』大特集

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Dirty Old Men

Dirty Old Men、未来へとつながるものを求め辿り着いた入魂の最新作『doors』大特集

LIVE REPORT

<Dirty Old Men>
2012.4.14@渋谷WWW

3月末をもってドラムの野瀧真一とベースの山田真光が脱退し、バンドとしてのその動向が心配されていたDirty Old Men。5月2日にはニューアルバム『doors』を発表する彼らだが、その発売に先駆け、新メンバーお披露目のライヴが4月14日に渋谷にあるライヴハウスwwwで行われた。

新生Dirty Old Menの最初のステージということで、ライヴのタイトルは「再生」を意味する<re-birth>。ライヴ前に流れたオープニング映像にも気合が感じられる。あとのMCでヴォーカルの高津戸信幸が話していたが、この映像は「間に合うわけもない日程でスタッフが間に合わせてくれた」という、Dirty Old Menとスタッフのチームワークの賜物だ。

少し緊張した面持ちで定位置につくメンバーをオーディエンスが温かい拍手で迎え入れる。一曲目はニューアルバムの中から「doors」。今のDirty Old Menの気持ちを込めた曲であるこの曲に、旧知のギター山下拓実と、新メンバーであるドラムの岡田翔太郎が新しいコーラスハーモニーを乗せる。新ベーシストは渡辺雄司。「メリーゴーランド」「蛍火」等、ライヴでお馴染みの楽曲は、リズム隊が変わったことで、バンドのグルーヴは新たなものに生まれ変わっているが、短時間にも関わらず、共に逆境を乗り越えて得た4人の結束力の堅さが音にも反映されている。

再びニューアルバム収録の「変えるのうた」のイントロに乗せ、高津戸が「楽しんでるかみんな!最高だな!」と叫ぶ。そして、「不安でしょうがなかったけど、みんなの顔を見たとたん、救われましたありがとう! みんな、変わること怖がらないで、前に進んでいこう!」と、今の心境をそのまま言葉にした。「elif」の前にはメンバー紹介も行われ、新メンバーの名前を叫ぶ高津戸がイキイキとした表情を見せる。この曲では場内からの大合唱もおこり、オーディエンスが今日のこの日をどれだけ待ち焦がれていたのか、彼らとファンとの絆が伝わってきた。

客席からの熱い声援に応えるような「約束の唄」。「moon wet with honey」ではさらに熱を帯びた唄と演奏を聴かせる4人。バンドでライヴができる喜びを音楽だけでなく、言葉で伝えようと、何度も何度も「めっちゃ嬉しい!」を連発する高津戸。

「仲間と一緒に音楽が出来るのって当たり前じゃないんですよ。本当に幸せです。新メンバーと出会って、変わることって悪いだけじゃないって思いました。正直、迷って、続けるか続けないか、何度もあきらめかけて、でもやっぱり続けたくて、なんとかせねばとメンバーを探していました。悔しくて、あきらめられねぇぞと、拓実と二人で“俺らはまだイケるよ”って、だいたい拓実が俺を励ましてくれてさ。正直、変わらないものをずっと探してた。でも、変わらず応援してくれる人がいて、俺が変わり続けて面白いものを見せていかねばあかんと。音楽好きっていうことは変わらなかった。これを信じて思いっきりやろう。この4人だったらカッコいいことを見せられる。今音楽がめっちゃ楽しいです!」

最後のMCでは「あと10分はしゃべりたい!」と、伝えきれない思いが爆発した。「もうみんなを悲しませないよ!」と、新曲「スターチス」。そしてライヴでは同じみのパーティーソング「MY HERO」で本編は幕を閉じた。

「1曲だけやろうと思います。Dirty Old Menらしく笑って終わろうぜ」と披露されたアンコールでは「chocworld」。退場するときに「音楽最高!バンド面白いよ!」と、テンションマックスで叫ぶ高津戸。一時間ほどの短いライヴだったが、彼らのモチベーションの高さとファンへの感謝が存分に伝わった。そして、何よりも新生Dirty Old Menに期待が高まるライヴだった。

取材・文●大橋美貴子

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