Hi-Fi CAMP、新曲「一握りの空の下」は「イントロだけちょっとワルい(笑)」

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揺るぎない本質と、たゆまぬ遊び心、そして新たな領域への挑戦がすべて内包されてこそ“Hi-Fi CAMPらしい”楽曲だ。8月18日にリリースされた「一握りの空の下」には、だから説明がいらない。ここには最もシンプルにして最高のHi-Fi CAMPと、せつなくもポジティヴな夏空が詰まっている。

◆「一握りの空の下」PV

──イントロのギター、すごいです。Hi-Fi CAMPなのにギター・ロック。

TOSHIRO :そうなんですよ、すごいギターなんですよ。でもなんと、Hi-Fi CAMPにはギターがいない!?

──それは大変(笑)。

AIBA:大変なんです(笑)。ていうかね、意外に「だから一歩前に踏み出して」もギターのボリュームは同じぐらいなんですよ。ただ、ミックスの加減で、今回はより前面にギターが出て来てるという感じなんです。ま、本編に入ると裏切るんですけどね。イントロだけちょっとワルい、っていう(笑)。

TOSHIRO:ワルいよね~、あそこね~(笑)。

KIM:けど、イントロのスクラッチ、いいでしょ? ギターとの絡みが効いてる。

──楽曲自体のテイストは、Hi-Fi CAMPのド真ん中に位置しますね。

SOYA:そうですね、爽快で突き抜け感があって。だからもう、歌詞もヒネらずにポジティヴな応援歌に仕上げたら一番しっくりくるんじゃないか、と。Hi-Fi CAMPの夏といったらコレでしょ!っていう。

──SOYA君っぽいですよね、タイトルにしろ歌詞にしろ、言葉のチョイスのすべてが。空 を形容するのに“一握り”という言葉は通常使わないもの。

KIM:うんうん、歌詞を追っていかないと本当のところが見えてこないっていう。そこがでも、SOYAにしか出せない空気感なんですよ。

SOYA :世界から見れば一握りなんだけど、この空はひとつだから、結局みんな繋がってるわけです。でも、それは見上げなきゃ気づかないことでもあるっていう提言でもあるってことかな。だから、一握りだからって甘く見るなよ、と。一握りの空でも世界と繋がってんだぞ、と。

──思えば、SOYA君はある時期から、はっきりと聴き手の存在を意識して歌詞を書くようになりましたよね?

SOYA:そうですね。そこはシフト・チェンジしたと思います。ベースには今までと同じように俺自身に向けて歌うっていう要素はあるんですけど、聴く人たちにもうちょっと深く踏み込みたいっていうか、もっと言ってあげてもいいんじゃない?って、そんな風に思い始めたんですよね。「一粒大の涙はきっと」あたりから、そんな感覚が強くなりました。

AIBA:そこらへんはもう“Hi-Fi CAMPらしい”ってところになったんじゃないですかね?

TOSHIRO :それにほら、タイトルだけでもう、世界観が見えるわけです。これはウチでいう“1”のジャンルだな、と。だからもう、僕がスクラッチを入れる上で考えてたのは、ただただ疾走感疾走感疾走感疾走感…(笑)。

──ああ、「一粒大の涙はきっと」「だから一歩前へ踏み出して」「一瞬の想いを」…確かにカテゴリー“1”ですね(笑)。

SOYA:実際、僕の中でシリーズ化されてるんですよ。Hi-Fi CAMPの方向性のひとつでもあると思う。爽快で、人の心を支えてあげられるような応援歌が“1”シリーズ。なんでイチかっていうと、ゼロからイチにするのが俺は一番大変だと思ってて。だからイチが偉いと思ってるんですよ。

──なお、今回はカップリング「灰色に咲く花」も非常に面白い曲です。聴き始めと、聴いた後の印象がまるで違うという。

KIM:そうそう、和食屋に行ったのに、気づいたらハンバーグ食べてた、みたいな(笑)。

AIBA:不思議な曲にしたかったんですよね。各セクションで違うことをやれてるし、僕の曲では珍しいんですけど、テンポも変化するんです。途中から生音が多くなるんで、途端にライヴっぽくなったりもして(笑)。

──しかも、聴き手をキュンキュンさせちゃうメロディ・ラインなのに、トラックはめちゃめちゃ大人っぽいっていう。

AIBA:そういう意味では、持ってる要素を全部ぶち込んだ贅沢な曲です(笑)。

──歌詞は、じっくり向き合うと実はちょっと重いですね。

SOYA:そうですね。これは俺にとってもちょっと新しい試みで。未来の子供たちに向けて俺らが何をすべきかを考えなきゃいかんと思って。これを書いてた頃ちょうど、東北の上空をミサイルが通り過ぎたんですよ。そんなことあっちゃいかんじゃないですか。なんか、そういうことも素直に書いてもいいのかなって。

──実は、歌詞の世界観から察するに、てっきりKIM君の歌詞だと思ってたんですよ。

KIM:ああ、言われてみれば、俺もそういうテイストの歌詞多いかも。

SOYA:ほんと、言われてみれば、だね(笑)。意識してるわけでは全然ないんですけどね。

──きっとここへきて、Hi-Fi CAMPらしさというものが、4人の中に共通認識として確立 されてきたからなんでしょう。

AIBA:それはあると思います。例えば、僕が気分転換に鍵盤叩いてたりすると、まったく違うテイストの曲ができたりしますからね。Hi-Fi CAMPの曲を作るってなると、自然にスイッチが切り替わってるのかもしれない。あと、曲をほんとたくさん作ったんで、本質が見えやすくなったというのもあるかも。

──あ、アルバムに向けてずっとスタジオ・ワークをしていたんですよね。

KIM:そうなんです。それがけっこう長い期間で。いっぱい曲を作ったんですけど、そのためにはそれなりに試行錯誤もあって、それぞれに悩んでた時期もあったんですよね。ただ、僕らの場合、煮詰まっても休まないから、普通に20曲とかできるんだけど(笑)。

TOSHIRO:煮詰まったら、自分の好きなことしようって思うじゃないですか、気分転換に。そうするとリミックスができるんで、結果として仕事したことになるっていう(笑)。

──そっか、自由にやるからカッコいいんですね、今作の3曲目に入ってるリミックスも。

KIM:ね、素敵でしょー(笑)。俺らもTOSHIROのリミックス好きですからね。

──9月には早くも次のシングル「夢の向こうへ」のリリースが決定していますが、『1st BEST』に次ぐ2ndアルバムももうすぐ聴けたりします?

KIM:もう、全部今すぐ聴かせたいぐらいですけど(笑)。「夢の向こうへ」も自信作だし、アルバムも面白い作品になると思うんで、楽しみにしてて下さい。ただほんと、このタイミングだから言うわけじゃないですけど、レコーディングで煮詰まってたときに、SOYAが原点回帰の意味合いを持って書いたのが「一握りの空の下」で、これが僕らの凝り固まった思考をパーンとハジけさせてくれたのは事実なんですよ。フレッシュな気分にさせてくれるというかね。だから、アルバムに向けての道筋を、この曲から始められるのが、僕らとしてもなんだか嬉しいんですよね。

「一握りの空の下」
2010年8月18日発売
FLCF-4337 ¥1050(税込)

<海仙山仙 ~第一幕~>
出演/Hi-Fi CAMP/Rake/7!!(オープニングアクト)… and more!!
11月15日(月) 名古屋ダイアモンドホール
11月17日(水) 福岡DRUM LOGOS
11月18日(木) 広島CLUB QUATTRO
11月20日(土) なんばHatch
11月23日(火・祝) SHIBUYA-AX
11月28日(日) 沖縄・桜坂セントラル
12月4日(土) Zepp Sendai
チケット一般発売日:10/2(土)
料金:オールスタンディング4500円(ドリンク代別途必要)【当日】500円UP
※大阪、東京公演、仙台公演に関しては2F指定席
※6歳以上チケット必要・3歳未満入場不可
◆チケット詳細&購入ページ

◆Hi-Fi CAMP オフィシャル・サイト
◆レーベル・サイト
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