スティング「『X Factor』はカラオケ番組」

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スティングが、UKで人気のオーディション番組『X Factor』を“カラオケ”“メロドラマ”と批判した。2009年で6シリーズ目(1年に1度放送)を迎える『X Factor』は、平均110万人、最高166万人もの人々が視聴、視聴率40~50%を誇るお化け番組だ。

しかしいくら一般からの人気が高くとも、ミュージシャンの間では大不評。“UKのミュージック・シーンをつまらなくした”ともいわれる元凶に、大御所スティングが物申した。

彼は2つの理由からこの番組を嘆かわしく思っているそうだ。1つは出演者が公けの場で拒絶されるさま。彼は『Evening Standard』でこう話した。「悪いけど、あの若者たちはどこへも行けないよ。可哀そうなことにね。落とされて、恥ずかしい思いをする。若い子があんな拒絶感を味あわなきゃいけないなんて、ぞっとする。音楽とはまったく関係ないメロドラマだ」

そしてもう1つ。テレビから本当の才能は育たないと考えている。「偏見をもたないようにしたよ。でも、同じようなタイプばかり出てるカラオケ番組だった。マライヤ・キャリーかホイットニー・ヒューストン、ボーイゾーンばかりで、ほんとにユニークなものを作るよう激励されてない。そういうのはテレビから生まれないんだよ。『X Factor』はばかばかしいショウで、自己宣伝するしか芸のない審査員がいるだけだ。ひどいもんだよ」

「音楽の才能が作られるのはパブやクラブだ。それが本来の姿なんだ。でも、そういったところは日々、閉鎖されている。パブにバンドを出すのは不可能だ。行き過ぎた規制により金がかかり過ぎる。何百万ポンドももたらす音楽業界は英国にとってものすごく重要だ。『X Factor』にそれができると思っている奴がいるとしたら、それは間違いだ」

『X Factor』はこれまで、スティーヴ・ブルックスタイン(2004年)、シェイン・ワード(2005年)、レオナ・ルイス(2006年)、レオン・ジャクソン(2007年)、アレクサンドラ・バーク(2008年)が優勝。2005年以来、UKのクリスマス・チャートは『X Factor』優勝者のデビュー・シングルが1位を獲得している。

Ako Suzuki, London
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