増田勇一のライヴ日記『LOUD PARK 09編』(4)
▲完成したばかりの新作の試聴盤を手にする丹下眞也(OUTRAGE)。ちなみにこの日はBLACKFOOTのTシャツを着用。シブい! |
◆増田勇一のライヴ日記『LOUD PARK 09編』(4) ~写真編~
その直後、ちょっとした移動時間を挟んで、今度はANVILのインタビューへ。前日のライヴやサイン会に全力で挑んできたうえに取材攻勢にも応えている彼らは、時差ボケの影響などもあって、かなり疲れ気味(特にリップス。良くも悪くも手加減というものを知らない人なのだ!)だったが、取材にはとても協力的だったし、僕が1984年の<SUPER ROCK 84>のみならず、その前年に行なわれていた単独公演も観ていることを告げると、目を丸くして身を乗り出してきた。
▲映画のポスターを背にするANVILのお2人。モノクロで撮ると、なんだか映画のスチール写真みたいね。 |
▲今日も来ましたSTUDIO COAST。2009年に入ってから何回くらい来てるんだろう?年末にでも、改めて数えてみようかな。 |
そんなことはともかく、この夜もSLAYERは素晴らしかった。バンドがとてつもなく充実した状態にあることを痛感させられた。日本に来る前に立ち寄ったオーストラリアで喉の故障に見舞われていたトム・アラヤ(b,vo)も、まったくそうした不安要素を感じさせなかったし、とにかくこのバンドの機能性の高さというか、「物凄いバンドが、余計なことをしないこと」の美学とでもいうべきものに圧倒された。看板曲の数々のみならず、最新作『血塗ラレタ世界』からの楽曲も熱狂を巻き起こしていたことを付け加えておきたい。
不思議なことに、僕は彼らの轟音のなかにいると、暴れたい衝動に駆られる以前に、うっとりと酔ってしまう。もちろん知らず知らずのうちに足はビートを刻み、頭は小刻みに振られ、終演後には喉を含む全身のあちこちが痛かったりもするのだが、<LOUD PARK 09>での2日間で充分すぎるほど疲労が蓄積されていたのが逆に幸いしたようで、この夜あたりには身体がそれに慣れつつあったという感じ。
とはいえ、終演後に帰宅してからは、ひたすら眠り続けることになった。翌朝目覚めたときには、もちろん二日酔い状態ではなかったが、なんとなく耳の奥に残響を感じた。こうして僕の、<LOUD PARK 09>に伴う日々は終わった。ちなみに2日間トータルでの動員は、のべ約3万人に至ったとのこと。さて2010年は、どんなバンドがやって来るのだろう? そしてこの週末、10月24日と25日にはまたもや幕張に向かい、今度は<V-ROCK FESTIVAL 09>を観る予定だ。では皆さん、ふたたび幕張でお会いしましょう。
増田勇一