映画『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』にみる、笑いと感動の物語
遡ること25年、1984年8月に行なわれた伝説のメタルフェス<スーパーロック84>。今ではとても考えられない凄いメンツが集まって全国をツアーした、画期的なイベントがあった。
出演は5バンド。ANVIL、BON JOVI、SCORPIONS、MSG、WHITESNAKEだ。トリは重鎮スコーピオンズ、他はまだ駆け出し~中堅どころだったが、その後の彼らの活躍はご存知の通り。みんなビッグになった。そう、唯一アンヴィルだけを除いて…。
しかし、アンヴィルはあきらめなかった。というか、今もあきらめていない。愚直なまでに自らのスタイルを貫き、未だ家族からの応援を受けながら、バンド活動に精を出している。解散などしやしない。今もなお現役、あれからも途切れることなくアンヴィルは続行中なのである。相変わらず大人のおもちゃでギターソロを引き続けるリップス…バイヴを使ったマティアス“IA”エクルンドもびっくりの、オリジネーターなのだ。
2008年、そんなアンヴィルに突然転機が訪れた。なんと、彼らの現状と生活をそのまま描いた映画が誕生したのだ。しかも、あろうことに、その映画の出来がすこぶる素晴らしい。キアヌ・リーブスが世界応援団長を買って出るという事実、マイケル・ムーアが「ここ数年のドキュメンタリーで最高傑作!」と絶賛し、ダスティン・ホフマンにいたってはLAのプレミア上映後楽屋を訪れ「この映画を見る迄ヘヴィメタは大嫌いだった。しかし、今まで見た映画の中で最も心に刺激を受け感動的で美しい映画だ!」と興奮気味に語ったという、とんでもないことになっているのである。
その映画は、『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』。
◆映画『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』にみる、笑いと感動の物語 ~写真編~
これは、30年間夢を諦めなかった男たちの夢と友情を描いた笑って泣けるウソのような本当のお話だ。サンダンス映画祭でプレミア上映されるやいなや多くの観客の心をつかみ、全米公開のプレミア上映後には、先のキアヌ・リーブス、ダスティン・ホフマンを始め、オジー、メタリカ、ガンズなどがこの映画の応援を買って出た。監督は、スティーヴン・スピルバーグの『ターミナル』の脚本を手がけたサーシャ・ガバシだ。
アンヴィルは、カナダのトロントで結成され、1982年にアルバム『メタル・オン・メタル』をリリース。後にビッグになる数多くのメタルバンドに影響を与えたというが、彼らはスターダムにのし上がることなく、現在も地元でしがない仕事をしながらバンドを続けている。映画はそんな彼らの夢と現実をきっちりととらえているのだ。
実は、サーシャ・ガバシ監督とアンヴィルには縁があった。ガバシ監督が高校生の時、夏休みにアンヴィルに誘われローディーとしてツアーに同行した経験があるのだ。それから数十年。ガバシ監督は、アンヴィルが昔と変わらずロックスターになることを夢見て活動を続けている事実を知り、驚愕すると共に胸を打たれ、彼らのドキュメンタリーを制作することを決意したのだという。
トロントで地道な仕事をしながらのバンド活動や、笑わずにはいられない悲惨なヨーロッパ・ツアーの様子など、2年に渡って撮影を敢行し、アンヴィルの本当の姿をとらえ続けた。監督は、どんな苦境に立たされても、不器用なまでに自分の信じることに夢を持ち続け、友情を一番に考え苦境を乗り越えようとチャレンジするバンドの姿を、余さずカメラに収めることに成功した。
フィクションではなく、本当の彼らをとらえ続けた2年間、映画の中のストーリーはそのまま現実の世界につながっている。13枚目のアルバムを作ろうとする彼ら、いきなりフェスの出演依頼を受ける彼ら…それらは全て現実のアンヴィルの活動とシンクロしているところもこの映画の面白さだ。
『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』が生んだムーヴメントは2009年夏にさらに拡大。映画上映を行なった後、アンヴィル本人が現れパフォーマンスを披露するイベント<The Anvil Experience>は映画の人気に火をつけた。その渦は2009年10月、いよいよ日本に上陸する。映画公開に合わせて<日本版アンヴィル・エクスペリエンス>も都内で予定されているのだ。
夢を諦めきれないすべての人に捧げる、笑いと感動に満ちた本作は、観るものをきっと虜にするだろう。そして、これを機にアンヴィルのCDが売れてくれたりするならば、本当の奇跡となるのだが…。
BARKSでは、予告編を入手次第紹介、引き続きこの作品を通しアンヴィルの今をお届けするつもりだ。お楽しみに。
『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』
10月24日(土)より、TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて公開
◆『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』オフィシャルサイト※9月11日オープン予定
(C)Ross Halfin /ANVIL! THE STORY OF ANVIL
しかし、アンヴィルはあきらめなかった。というか、今もあきらめていない。愚直なまでに自らのスタイルを貫き、未だ家族からの応援を受けながら、バンド活動に精を出している。解散などしやしない。今もなお現役、あれからも途切れることなくアンヴィルは続行中なのである。相変わらず大人のおもちゃでギターソロを引き続けるリップス…バイヴを使ったマティアス“IA”エクルンドもびっくりの、オリジネーターなのだ。
2008年、そんなアンヴィルに突然転機が訪れた。なんと、彼らの現状と生活をそのまま描いた映画が誕生したのだ。しかも、あろうことに、その映画の出来がすこぶる素晴らしい。キアヌ・リーブスが世界応援団長を買って出るという事実、マイケル・ムーアが「ここ数年のドキュメンタリーで最高傑作!」と絶賛し、ダスティン・ホフマンにいたってはLAのプレミア上映後楽屋を訪れ「この映画を見る迄ヘヴィメタは大嫌いだった。しかし、今まで見た映画の中で最も心に刺激を受け感動的で美しい映画だ!」と興奮気味に語ったという、とんでもないことになっているのである。
その映画は、『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』。
◆映画『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』にみる、笑いと感動の物語 ~写真編~
これは、30年間夢を諦めなかった男たちの夢と友情を描いた笑って泣けるウソのような本当のお話だ。サンダンス映画祭でプレミア上映されるやいなや多くの観客の心をつかみ、全米公開のプレミア上映後には、先のキアヌ・リーブス、ダスティン・ホフマンを始め、オジー、メタリカ、ガンズなどがこの映画の応援を買って出た。監督は、スティーヴン・スピルバーグの『ターミナル』の脚本を手がけたサーシャ・ガバシだ。
アンヴィルは、カナダのトロントで結成され、1982年にアルバム『メタル・オン・メタル』をリリース。後にビッグになる数多くのメタルバンドに影響を与えたというが、彼らはスターダムにのし上がることなく、現在も地元でしがない仕事をしながらバンドを続けている。映画はそんな彼らの夢と現実をきっちりととらえているのだ。
実は、サーシャ・ガバシ監督とアンヴィルには縁があった。ガバシ監督が高校生の時、夏休みにアンヴィルに誘われローディーとしてツアーに同行した経験があるのだ。それから数十年。ガバシ監督は、アンヴィルが昔と変わらずロックスターになることを夢見て活動を続けている事実を知り、驚愕すると共に胸を打たれ、彼らのドキュメンタリーを制作することを決意したのだという。
トロントで地道な仕事をしながらのバンド活動や、笑わずにはいられない悲惨なヨーロッパ・ツアーの様子など、2年に渡って撮影を敢行し、アンヴィルの本当の姿をとらえ続けた。監督は、どんな苦境に立たされても、不器用なまでに自分の信じることに夢を持ち続け、友情を一番に考え苦境を乗り越えようとチャレンジするバンドの姿を、余さずカメラに収めることに成功した。
フィクションではなく、本当の彼らをとらえ続けた2年間、映画の中のストーリーはそのまま現実の世界につながっている。13枚目のアルバムを作ろうとする彼ら、いきなりフェスの出演依頼を受ける彼ら…それらは全て現実のアンヴィルの活動とシンクロしているところもこの映画の面白さだ。
『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』が生んだムーヴメントは2009年夏にさらに拡大。映画上映を行なった後、アンヴィル本人が現れパフォーマンスを披露するイベント<The Anvil Experience>は映画の人気に火をつけた。その渦は2009年10月、いよいよ日本に上陸する。映画公開に合わせて<日本版アンヴィル・エクスペリエンス>も都内で予定されているのだ。
夢を諦めきれないすべての人に捧げる、笑いと感動に満ちた本作は、観るものをきっと虜にするだろう。そして、これを機にアンヴィルのCDが売れてくれたりするならば、本当の奇跡となるのだが…。
BARKSでは、予告編を入手次第紹介、引き続きこの作品を通しアンヴィルの今をお届けするつもりだ。お楽しみに。
『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』
10月24日(土)より、TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて公開
◆『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』オフィシャルサイト※9月11日オープン予定
(C)Ross Halfin /ANVIL! THE STORY OF ANVIL
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