蘭、独自の声と人生観、ルックスでJ-POP界に躍り出たデビュー・ミニアルバム『光と影』リリース大特集
独自の声と人生観、そしてルックスで
J-POP界に躍り出た異色の歌姫
インパクトある迫力のヴォーカル歌に秘められた切なる願いJ-POPの粋を集めた楽曲群煌びやかに堂々のデビュー
「ガツン!」と鼓膜にインパクトを残すヴォーカルと、さまざまな音楽性が混在したロック・サウンドを武器に颯爽と登場したのがこの蘭である。元美容師という肩書きも興味深いが、かつての活発なバンド活動などを通じて培ってきたタフな歌声と、自身の人生が如実に反映されたメッセージ性にこそ、彼女の真の魅力がありそうだ。今回は、そんな彼女のパーソナリティーから、音楽性や精神性のルーツに迫るインタビューとなった。
蘭:そうですね。はじめはバンドというスタイルにすごく興味があったので、軽い気持ちで結成して、当時はいろいろなバンドと対バンしました。バンド・メンバーの個性を考えたり、セッションしたり、対バンしたり、そういう経験も後の自分にとって絶対に良いことだと思っていたんですよ。あとは、とにかくいろいろな歌手のモノマネをたくさんして、歌い方の研究をしながら、自分のオリジナリティーを模索していました。
蘭:そうですね。ここに辿り着くまでにいろいろな紆余曲折がありましたけど、自分の個性を見つめて、それが最大限に生きる音楽性を考えたら、こういったロック・アルバムになっていましたね。
蘭:今回は1stアルバムということで、敢えてコンセプトやテーマを固めずに、自分の歌そのものを追及しようと思ったんです。過去にやっていたバンド活動って、ライヴに出ても身内だけで盛り上がるだけだったり、自己満足の域をまだ出てなかったと思うんです。つまり、お客さんを度外視しちゃっているところがあって、歌で感動させることができていなかったと思っていて。その経験を踏まえて、自分が今まで歩んできた複雑な人生を、もっと歌に込めたいと思ったんです。だから一時期はバンド活動も止めて、いろいろな人生経験を積んでみたこともありました。そうして生まれた歌でなければ、人を感動させることはできないと思ったんですよ。自分自身を歌に乗せて、自分の中から湧き出るものや、魂で歌を届けたいと思ったんです。その思いを作曲担当の龍に伝えて、そこから曲を作ってもらいました。
龍:彼女とは友人の紹介で知り合ったのですが、はじめて一緒にカラオケに行ったときに彼女が歌った、椎名林檎さんの「罪と罰」が本当に強烈なインパクトだったんですよ。その勢いを活かしたいと思ったのでロックを軸に据えたのですが、彼女の思いや意見を反映させていくうちに、いろいろな音楽性が肉付けされていって、気が付いたらまるで“ちゃんこ鍋”のような作品に仕上がっていて(笑)。自分でも驚くくらい、さまざまな音楽性が詰まった作品だと思いますね。
蘭:彼が作ってくれた曲は、本当にすんなり自分の中に入ってくるんですよ。それだけ私の思いを汲んでくれているからだと思うのですが、どんな楽曲を持ってこられても「これこれ! まさにこういう感じ!」みたいに思うことがたくさんありました。
蘭:まずは第一弾なのであまり過激な方向性には走らず、できるだけ多くの人に届けられるように、わかりやすさや聴きやすさも考慮したアレンジになっていると思います。なので余計に歌詞や歌に込めた思いや気持ちが伝わりやすいんじゃないかって、今は思っていますね。
蘭:この『光と影』は、タイトルのとおり、人間の光と影が描かれた作品になりました。みなさんの気分に合わせて、楽しんでいただける作品だと思っています。あと、自分でデザインした衣装でステージにも立っているので、ライヴにもぜひ遊びに来てくださいね。
取材・文●冨田明宏