LOVE LOVE LOVE、骨太いロックサウンドで人の深い思いを狂おしく描き切るデビュー・ミニアルバム『ソライロノオト』リリース大特集

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LOVE LOVE LOVE デビュー・ミニアルバム『ソライロノオト』リリース大特集
空の色はどこまでも青く
青春はどこまでも青くさく
生きることはブルー(憂鬱)
そんな色彩を感じさせる
アルバム「ソライロノオト」
澤本康平(Dr)、寺井孝太(Vo/B)、浦山恭介(G)

INTERVIEW-1-

――LOVE LOVE LOVEというバンド名から想像するのと全然違って、サウンドは骨太な感じのロック。このギャップにはちょっとびっくりしました。

浦山恭介(以下浦山):よく言われます。

寺井孝太(以下寺井):女の子のバンドだと思われることも多いです(笑)。

――このバンド名はなにか強い想いがあって付けたもの?

寺井:いや、そうでもないんです。僕らはもともと滋賀県立大学の音楽サークルで、ホーンセクションの入っているバンドのコピーをするサークルにいたんです。その休憩時間とかに3人で音を出したり曲を作ったりしてたのが始まりなんですけど、当時“LOVE LOVE LOVE”ってずっと言い続けてる曲があった。ライヴが決まってバンド名を付けなきゃいけないって時に、じゃあそれでいいかってことで。最初は間に合わせ程度に付けた名前だったんです。

浦山:周りからも“LOVE LOVE LOVEって歌ってるヤツら”って言われてたくらいなんで、まあそれでいいかって。最初は名前がこれでいいのかと葛藤もあったんですけど、逆に一度聞いたら忘れないし。

澤本康平(以下澤本):今は抵抗ないですけど、最初は友達にも言えなかった(笑)。

――今までのミニアルバムが『HIGH COLOR BLUE』、『ターコイズ』と来て、今回デビューアルバムが『ソライロノオト』。青という色にはこだわりがあるの?

寺井:青は大好きです。ベースも常に青いのを使ってるし。それは空が好きだからなんです。疲れたときや悩んだときは空を見るんです。圧倒的な大きさに安心感を感じるし、なんでもできそうな気がしてくる。だから、今回も青とか空に関係するタイトルにしたかったんです。前のミニアルバム『ターコイズ』のときに上京して、ここからどうしようか、しばらく悩んでいたんですが、そのときにこのメンバーの大切さ、3人でやってることの大切さを痛感して。空のイメージから、バンド名を適当に付けてしまった当時の勢いとか、活気ある雰囲気を取り戻せそうな気がした。そういうものを詰め込んだ、僕らにとって大切な一枚にしたかったからこういうタイトルにしたんです。

――ということは、今回のアルバムはバンドの原点に帰るような意識で作ったの?

寺井:そうですね。忘れてた3人の関係や家族のような気持ちなんかを取り戻せたような気がします。

――今回はデビューアルバムということで、特別な意識を持って臨んだのかな?

寺井:これまでの僕らの良いところをすべて入れたかった。『ターコイズ』なんかは短期間で作ったんですけど、あれは東京への期待とか、逆に不安とか、そういうものが強く出ちゃってるんですね。今回はそうじゃなくて、自然に出来上がってくる曲を大事にしました。選曲も、色々なバリエーションがあるように意識して。

浦山:全体のイメージとして、今までよりふくよかになるように、と思ってました。コーラスも僕らのひとつの大きな武器だと思うんで、効果的に入れられるようにけっこう考えましたね。

澤本:今回は「夕焼けルーシー」という曲がキーになってると思うんです。なにかを取り戻そうという、この曲のイメージが、このアルバムのコアになったので。この曲を大切にしたかったし、最初がコーラスから入るのも僕ららしいと思うので、1曲目にしたんです。

――完成したアルバムを一言で言うと、どんなアルバム?

寺井:“カラフル&キャラフル”っていう感じ。色々なキャラが出ていて、色とりどりな感じ、それが今まで以上に出てるアルバムになったと思います。

浦山:空の色って夕焼けとか曇り空とか色々ある。だからタイトルの“空色”も歌詞の中の感情とマッチしてると思います。単に青いだけじゃなくていろいろな空の色、っていう意味で、うまく表わせたかなと思います。

澤本:歌詞にも空が出てくることが多いんですけど、それがうまくそれぞれの心情を表わせていると思うので、まさに“カラフル&キャラフル”ですね。

――ロックっぽいへヴィな雰囲気もあるけど、それでいて肩の力が抜けた自然な感じのサウンドになっているところもすごくいい。

浦山:もともと見た感じも僕ら骨太な感じじゃないし。まぁ若干太いのもいますけど(笑)。

澤本:それは体格の話でしょ(笑)。

寺井:無意識にそうなるんだと思いますけど、そうなりたいと思ってるところもありますね。あんまりカリカリするのもイヤやし、どんな時代でもフワフワしていたい。音楽ってそもそもそういうことだと思ってるんです。もちろん違う意見もあるはずだけど、僕は楽しいから音を出そうということが最初にあると思うんで、それを大事にしたいです。

――基本的にはシンプルなロックだけど、アレンジの凝った曲もある。途中でテンポも雰囲気もガラッと変わる曲も多いけど、かなり考えて練り込んで作っているの?

寺井:いや、基本的にはスタジオで全員で一斉に音を出して、ジャムセッションで作ってるんで。ジャムをしながら、アーとかウーとか適当に言葉を言って、録ったものを持ち帰って整理するという。普通はアレンジもそんなに考えてないですね。ただ、少し平坦やと思ったらいじってみたり、何か付け足してみたりということはありますね。基本的にはポップでシンプルなことをしたいんですが、複雑なことにもチャレンジして取り入れていきたい。マニアックなことをサラっとやって、それでいて歌がシンプルで言葉が届く、それが理想的な形だと思ってます。

――そういう変化のある曲の中でも、とくに印象的だったのが「夜の果て」。サウンドや歌い方の重い雰囲気と、歌詞の内容のもどかしい感じがすごくマッチしているね。

寺井:歌詞は想像で書いたりせず、自分でそのとき思ったことを素直に書いちゃうんです。この曲に関しては、ディープインパクトなことが僕の中にあったんでそれを書いた。その中身についてはちょっと言えないんですけど。曲については、僕がもともと持ってるものに近いかもしれないですね。僕はUKロックが好きなんですけど、それがすごく出てると思います。ちょっと暗い、憂鬱な感じとか。これはあまり考えないで自然にできた曲ですね。

「“はっぴいえんど熱”も今はそれほどでもないんで(笑)。」

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