――シングル3枚をリリース、そしてアルバムも完成と、順調な1年でしたね。

thyme：出来上がった後に、自分で何時間でも聴けるような曲が毎回作れていると思います。そういう意味で毎回手ごたえがありましたね。

清水：最初のシングルのときは、それまで3人だけでやっていたことを、スタッフを含めて大勢の人たちで作っていくという実感があった。2枚目のシングルはちょっと違う方向の曲調に振ってみたんですけど、それはこの1年、サポートメンバーを入れてバンドでライヴをやることが多かったので、そこからのフィードバックが大きかった。3枚目や今回のアルバムは、懐かしさみたいな雰囲気というか匂いというか、そんなテーマに向けて作ってみようと。それぞれについて、一つ一つ段階をふんでやってこれたなと思ってます。

――シングル3枚の中では、2ndシングルは確かに少し曲調が違ってましたね。

清水：あれはライヴで盛り上がる曲、少し元気のいい曲が欲しいということで作った曲なんで。それまでの自分たちの音を考えるとちょっと挑戦という感じなんだけど。

thyme：1枚目から時間も空いていたので、その間に色々考えることもできたし。

清水：今から思えば、かなり違う方向に振ったなと思うけど、その当時は違和感なく普通にやってましたね。ライヴを多くやっていたからかな。

――今回アルバムを作るにあたって意識したことは？

thyme：どういうアルバムにしようかという具体的なテーマみたいなものは作らなかったんです。とにかく今自分たちがやりたい曲、アルバムに入れたい曲を入れられるだけ入れようと。それができたので、ホントに今の“旬”な私たちを詰め込むことができたなと思ってます。

――『first 9uality』という少しひねったタイトルだけど、これにはどんな意味を込めた？

thyme：“first quality”は“最高級の品質”ですね。最高級の品質を追及して3人で作ったアルバムという意味を込めたんです。ただ、“最高級の品質だから聴いてね”ってストレートに伝わっちゃうとイヤだったので、ちょっとひねって“Q”を数字の9に変えた。

――では最高の自信作が出来上がったというわけですね？

清水：そうですね、まあ現状での精一杯というか。でもやっぱり作り終えてからだとアラも見えてくるし、こうすればよかったなと思うところもある。ただシングルについては、以前そう思っていたところを今回直すことができたのがよかったです。今回はシングルの曲も単純に再収録ではなくて、今僕たちがベストだと思えるものに直してあるんです。

――3枚のシングルも今回のアルバムの収録曲も曲調は多彩だけど、これをアルバムにまとめるにあたってどんなことを意識した？

星野：とくになかったですね、1曲1曲をちゃんとシングルにするつもりで最初から作ってたということくらい。

thyme：それはシングルのときから3人で話してたことなんです。シングルのカップリング曲でもタイトル曲のつもりで書く、とか。アルバムもそういう感覚でしたね。

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