ケツメイシ、最新アルバム『ケツノポリス6』大特集内INTERVIEW

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――その組み合わせによって、できるものが変わってくる、と。

DJ KOHNO: 組み合わせがグルグルまわるんですよ。今回初めてやってみたんですけど、 『5』の合宿 に入る前に、“やりたいことを全部出そう”みたいな話をしたんです。そうするには、いきなり全員でアイデアを出してもまとまらないので、それぞれの最小人数で作ってきたものをみんなで聴いて、そこでジャッジしようってことになったんです。

RYOJI:制作途中で横ヤリが入ると進まなくなっちゃうからね。だから最小人数でまずは作ってみようってことで。そのチームも3日くらいで変わっていくんですよ。

DJ KOHNO:そう。だから結果的に全員と組む、みたいな感じなんです。

RYOJI:3日やって、一日オフ日みたいなのが挟まってって感じで、 いつも新鮮な感じ でしたよ。そんな感じで2周くらいまわったのかな。

――そのやり方で2枚分できちゃったわけですね。実際にはどのくらい曲があったんですか?

DJ KOHNO: 60曲 くらいありましたね。その中でみんなのジャッジで、これはケツメイシとして形にしたいってものが30曲くらいあったんで、2枚に分けたんです。

RYOJI:まぁ、絶対に聴かせられないような曲 も含めて60曲くらいですけどね(笑)。

DJ KOHNO:これ、通す気ないよね?みたいなのがあったよね(笑)。

RYOJI:それを真顔で唄ってるっていうね。聴いたら笑っちゃって笑っちゃって(笑)。

――そんなものもあったのに、 『ケツノポリス6』 はいたってマジメな作品だと思います。中には遊び心のある曲もありますが、基本的には人類愛や生きることがテーマになっているとうい印象を受けました。

RYOJI:結果こうなったんだと思いますが。

DJ KOHNO:みんな 根は真面目 なんですね。

RYOJI:今、不真面目だって、言われてないじゃん(笑)。

――いやいや。でもケツメイシの曲は、ラブソングなんかだとすごく真面目さを感じますよね。「オレの道オマエの道」とか、すごく好きですね。最初の語りの部分とか共感します。

DJ KOHNO:語ってますねー。あそこはボロいマイクで録ったまんまなんですよ。その時にRYOさんが思っていることをそのまんま乗っけたほうがいいと思って。ここをカットする案もあったんですけど、“これは入れないとダメです”と言って。

RYOJI:この曲は、僕らくらいの年になると、同級生みんなが働き盛りじゃないですか。 いろんな仕事について愚痴も言い合ったりする中で、そういう友達の愚痴って、たまにならいいけど、しょっちゅうは聞きたくない。そういう人間に向けても“お前が選んだ道なんだから!”って突き放すことも愛情だなって、思い浮かべながら書いてみたんです。

――やはり、この曲も“愛”がテーマなんですね。愛といえば「子供たちの未来へ」は素晴らしい愛が描かれてます。

RYOJI:「子供たちの未来へ」 もKOHNOと組んでやったんだけど、最近は細かいテーマを打ち合わせなくても、メンバー同士で察知がつくんですね。それぞれのメンバ-に子供ができて、広い視野でものを考えるようになったり。自分が生きているうちは守れるけど、死んだ先の世界が平和じゃないと、子供が生きづらいってことも考える。壮大ではあるけど、意外と身近なテーマなんですよね。 親が考える普通のことなんですよね。自然とそういう風になったんですよ。まぁ、いまだに 「カーニバル」 みたいな感じでいたいですけどね。

DJ KOHNO:常にそういう風に子供のことを考えているわけでもないじゃないですか。自分が楽しいことも必要だし。その中でちょっとでも、1日5分思うか思わないかで優しくなれると思うし、そういう風にすることで、争いごととかがなくなったらいいなぁって思いますよね。だから、どの曲も押し付けるわけではなく、ホント、僕らの身近なことを唄ってる。そういう風に唄えるのがケツメイシのいいところだと思うんで。子供が生まれたことで視野が広くなった、今の等身大が出てる作品 になって良かったと思いますね。

取材・文●大橋美貴子

 
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