アカツキ.、レコ発ライヴレポ

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いろいろなアーティストのライヴを観ていると、ときどき“眩しい”と感じることがある。それは別に照明のことではなくて、ステージ上のアーティストが発するエネルギーが目に見えたような、そんな瞬間に感じるキラメキみたいなものだ。8月4日、原宿アストロホールで行なわれたアカツキ.のレコ発イベント<アルティメット・コレクション>での彼らは、猛烈なパワーをほとばしらせ、オーディエンスをのみ込むくらいの勢いを湛えながら、痛快なまでのキラメキを放っていた。

1曲目の「フルアヘッド」からフルスロットルで発進し、タクシ(Vo)がダイヴをキメたかと思ったら、下手側ではつかさ(B)が床に膝をついてプレイしている。ストラップが外れたのか、何かトラブルがあったようだ。それでも演奏は止まることなく、「リアル」「完璧な世界」とインディーズ時代からのお馴染みの楽曲でオーディエンスを煽りまくる。メジャー・リリース曲を続けざまに3曲披露した「ギャラクシードライブ」からの流れでは、加速度的に前進している彼らのポテンシャルの高さをうかがわせた。ともすれば古臭く聞こえるかもしれないような<大切なもの守って死にてぇ 本気でそう思ったんだ>(ギャラクシードライブ)なんていう高純度の男気&若気をさらけ出した詞は、むしろ新鮮だし、現在のアカツキ.のオリジナリティの中核になっているのではないかと思わせる。そして、痛烈なメッセージを綴った三連のスロウ・ナンバー「赤い雨」での鬼気迫る演奏を聴いたとき、彼らの音楽に対するありったけの情熱が昇華した姿を観た気がした。

「オトナたちが作ったイベントとは違うだろ? 楽しいぜ!」
エンドウ.(G)が満面の笑顔で言ったこの言葉は、三十路を越えた私にとっては少しばかりこっ恥ずかしいセリフではあるけれども、その半面、思わずニヤリとせずにはいられなかった。<アルティメット・コレクション>と題されたこの日のイベントは、アカツキ.のレコ発イベントであると同時に、この日出演したバンド、ピンクリボン軍、HIGHWAY 61、藍坊主、そしてアカツキ.、それぞれのバンドのベーシストで結成した“ベース会”の面々が中心となり企画されたもので、小難しいことや面倒くさいことも出演者たちが率先してクリアしていったという、メジャー・シーンではなかなかありそうで無いイベントだったという。そんな経緯もあり、「何か楽しいコトをやろうぜ」というそもそもの動機がブレることなく結実したイベントを、バンドはもちろん、オーディエンスも最高に熱く楽しんだのだろう。

大トリをつとめたアカツキ.はアンコールで、このイベントの首謀者の一人でもあるつかさがヴォーカルをとる「空色」を急遽演奏し、満員のオーディエンスとともに汗だくになりながら大団円を迎えた。この日、10月13日に3rdシングルのリリースが決定したことも発表し、ファンにまた一つ楽しみを与えてくれた。

文●望木綾子

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