光を放つようなギター音と疾走感、新たな幕開けを感じさせる注目3ピースバンドに直撃!

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喜怒哀楽の間にある感情を掘り下げて表現したい


メレンゲ
'03年の夏の終わりに届けられた『少女プラシーボ』の収録曲「輝く蛍の輪」を聴いてこのバンドに出会った。
心地よい疾走感に気持ちよくなるまでの轟音なサウンドがずしりと響き、
淡くて切ない…そんな思いと共にいつまでも音が耳に残る、そんな曲だった。

そのメレンゲが、新・旧の曲を5曲詰め込んだ『サーチライト』で5/12にメジャーデビュー。
新曲「夕凪」では、光を放つようなギター音と、疾走感で、また新たな幕開けを確実に感じさせてくれる。
バンド名からしてふんわりとしたイメージに包まれているが、
そのサウンドと歌からは確たる意志が感じられるもの。
まだ、知らないあなたにオススメする、要注目バンド、メレンゲとは?

今までやってきた僕らの誇りと、次に向かうもの

■収録曲「夕凪」Play中!!!


※試聴音源提供ワーナーミュージック・ジャパン

ミニ・アルバム

『サーチライト』

WARNER MUSIC JAPAN
発売中
PCL-10091 ¥1,575(tax in)

1 夕凪
2 グレゴリー
3 春雨の午後
4 輝く蛍の輪
5 初恋のオマケ



★オフィシャル・サイト:
http://wmg.jp/merengue/
※全ての画像と文章の無断転用を禁止します。
――最初メレンゲは、クボさんだけでスタートしたんですよね?

クボケンジ(Vo&G): もともとヤマちゃん(Dr)とは一緒にやってて、2人で適当に宅録で曲を作って。でもその時は、バンドにしたいとかもなくて、かっこいいデモ・テープを作りたいっていう感じだったよね。

ヤマザキタケシ(Dr): 人に聴かせるための音楽というより、自己満的な感じ。もっと音楽性もごった煮な感じだったし、この曲のこの部分だけかっこいいみたいなことばっかやってた印象があるな(笑)。

クボ: ライヴすることとかもなんも考えないで。で、その時点で「CDを出さないか」っていう話がきて、すごいスピーディに話が決まって、とりあえず、ソロ名義で名前はメレンゲっていう名で『ギンガmfj-1016』をリリースしたんです。その頃くらいに「ライヴしつつ、メンバーも見つかればその時点でバンドにしたいよね~」って言ってたんですけど、それがうまいことその通りになって。1st出して、何ヶ月かでツヨシ(B)に出会って。

タケシタ(B&Cho):  僕はその時、友達のバンドを手伝ったり、観に行ったりしてたんですけど、その打ち上げで話してメレンゲのCD買ったらめちゃめちゃよくて、ずっと聴いてました。

――その後、ベースのタケシタさんが入ってから、今のようなバンド・サウンドになったのですか?

クボ: ツヨシが入って、3人で音を鳴らすことが多くなって、そこで作られていくものってすごい生々しかったりして、だから一旦、その生々しい音を追及していこうかっていうモードに入ったんです。その時点でいわゆるギター/ ロック的なものになったのかな~と思ってます。

――そしてできたのが、「カッシーニ」

クボ: すごい健康的に作れたかな~。3人になって、とにかく初めてのことばっかだったから、新鮮だったっていうのが、一番だよね。

タケシタ: 名曲ですね。バンドの勢いでみたいな、初期衝動的なものが詰まったんじゃないかと思いますね。

――“メレンゲ”という名前はふわふわしたイメージですごく気になったのですが、その由来は?

ヤマザキ: バンド名に意味を持たすと音楽性とかが限定されてしまうから、それは避けたかったんです。そこでメレンゲっていう言葉が出てきて。やわらかい響きの名前なんだけど、あえてそこでえぐいことをしたい、毒のあることをしたいっていうのがスタートでメレンゲにしたんです。

クボ:  でも音楽的にもこの名前が僕らを追い越してたよね(笑)。俺らは名前に導かれた!? そんで、やっぱりなんか意味もついてきちゃった気がしましたね。

――なるほど。そして今回メジャー第一弾でリリースされる『サーチライト』も2曲が新曲、3曲がインディーズからの曲ですね。

タケシタ: メジャーいったからって一気に音楽性を変えるとかはしたくなかったし、今までやってきた僕らの誇りと、次に向かう何かっていうのをこのタイミングで出したかったが正直なところですね。前作よりも僕らひとりひとりがもっと出てきたとも思うし、前作からライヴを何本もやってきてできたミニ・アルバムだな~って思いますね。

――歌詞全体は、覚えづらいけど、なんかすごく部分的に言葉が残って自分にフラッシュバックするようなところがあるなって思いました。

クボ: 覚えにくいだろうなっていうのはまさにありますし、リフレインする言葉はあまりないし、でもその分、内容はシーンが切り替わるようにはしてるんですよね。

――確かに歌詞にストーリー性がありますよね。

クボ: なんか“オレの叫び”みたいな感じでの表現はしたくないっていうのがあったのと、メレンゲはそういうバンドじゃないなって。どっちかっていうと、ストーリーを提示するようなバンドでありたいんですよ。そこで作った話であってもウソはつかないですけど。聴き手に僕の顔が浮かばなくてもいいし。でも自分の言葉で恥ずかしくて言えないような言葉も物語にしたほうが、余計言えちゃうところもあるし。ちょっと距離を置くことによって、自分の本心が入れやすいから不思議だなって思って。

ヤマザキ: 喜怒哀楽の間にある感情って人間に必ず存在するじゃないですか。“悲しいのに、なんか嬉しい”とかそういう部分を掘り下げて、それをピン・ポイントでパステルカラーのように滲まないような感じで表現することが僕らは一番難しいと思うんですよ。誰しもそういう感情ってもってると思うし、だからこそメレンゲはそれをやっていきたいとは思いますね。なんか分かりづらいけど、なんか残るっていうのはそういうことじゃないかと思うんですよね。

――その歌詞のストーリー性を色づけするような、期待をいい意味で裏切るようなサウンド展開もメレンゲの魅力ですよね。

タケシタ: クボくんが、歌詞と曲を一緒にできたものをもってくるので、その世界をどうやって表わすかっていうことをアレンジでまず考えるんです。そういうことでより情景を見せたいな~っていうのをやっていくうちにこういう形になったんですよね。

クボ: 感情が“ガーッ”てなるところは、滝のような感じでとか…、もうギターとか"ジャ~っ"て感じですよ(笑)。

――その静と動のサウンド展開は聴いててすごく心が揺さぶられるし、ライヴではそこがすごい出てましたね。

ヤマザキ: メレンゲはストーリー性を意識してるんで、他のバンドみたく、自分達が“イェーィ”みたいなのってやっぱし、ライヴに関しての僕らではないような気がするんですよ。いかに全員が楽曲のストーリー・テラーになれるかっていうのを意識して、すごい考えながら演りますね。

クボ: ライヴは、今、やってることの延長に何かあるんじゃないかっていうのが、ようやく見え出したって感じですね。だからまだまだこれからです。

――メレンゲは、まだまだいろんな音楽性の展開をしていきそうですね。

ヤマザキ: 僕ら音楽的なタブーを作りたくないんです。ギターロックって呼ばれるジャンルにいるかもしれないけど、僕ら自身がギターロックって思ってないところもあるし。タブーを作っちゃうと、音楽的可能性を狭めちゃうと思うんですよ。かっこいいと思うものはガンガンやっていきたいっていうのはあって。その中でえぐいこともやることになるだろうな~って思うし。だから、いい意味でお客さんを裏切っていきたいって思いますね。

取材・文●イトウトモコ

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