ヤマハ、ハンドメイドフルートを20年ぶりフルモデルチェンジ、Ideal=理想と名付けられた 「YFL-8×7/8x7D/9×7」

▲14金製モデル。左からYFL-997A(2,646,000円)、YFL-997BH(H足部管仕様、3,339,000円)、YFL-997B(3,118,500円)、YFL-997C(5,281,500円)、YFL-917B(3,045,000円)
ヤマハは、ハンドメイドフルートの新ラインナップとしてIdeal YFL-8×7/8x7D/9×7を9月1日より発売する。
ヤマハのハンドメイドフルートが20年ぶりのフルモデルチェンジを果たすこととなった。現行モデルのYFL-8×1/8x1D/8×4/7×1/9×1/9×4を置き換えるもので、新シリーズは「Ideal(理想)」という愛称がつけられている(Bijou、Merveilleに変更はない)。アドバイザーに元バイエルン放送響主席フルート奏者で、ミュンヘン国立音楽大学教授でもあるアンドラーシュ・アドリアン氏を迎えて開発された。

▲銀製モデル。左からYFL-817(819,000円)、YFL-897(892,500円)、YFL-897H(H足部管仕様、976,500円)
ラインナップはおおまかに銀製のYFL-8×7とYFL-8x7D、14金製のYFL-9×7に分けられる。銀製モデルはオープンな響きを得るためメッキを施さない仕様を採用、14金製モデルは特別配合の14金を採用し暖かみのある音を実現している。銀製の型番末尾のDは音孔引き上げタイプを表し、Dのつかないモデルはハンダ付けタイプとなっている。YFL-9×7は音孔ロー付けだ。型番の「x」の部分はキイシステムによって異なり、それぞれ1/7/8/9のモデルが用意される。また、それぞれC足部管モデル、H足部管が用意される。
Idealのコンセプトとしては、「艶と深みをあわせ持った音色とダイナミックレンジの広さ、深さの追求」が挙げられており、奏者の作りたい音楽に対して、思い通りに反応し、表現の器の大きい魅力的なフルートとなっている。それを実現したのは、楽器の懐の深さ、ロスがなくよく振動する、安全な発音性、高音域のコントロール性という4つのポイント。

▲銀製モデルの音孔引上げタイプ。左からYFL-817D(630,000円)、YFL-897D(703,500円)、YFL-897D(H足部管仕様、766,500円)
頭部管には新開発の「TypeA」を採用。息を効率よく音にできるリッププレートの形状と適度な抵抗を持つテーパーの組み合わせにより、幅広いダイナミックレンジと奏者の個性に応じた音色が得られ、ピアニッシモにおいても抜群の発音性を実現し、より高い音楽表現に応える。14金製モデルは頭部管の肉厚を増すことでフォルテッシモにおいても密度の高い響きが得られ、音楽表現の幅が広がるとしている。
このほか、ウデ形状を太く堅牢にし、キイカップを削出製作としたことで豊かな音質が得られる新設計のキイ、音響焼鈍の採用、高級感のある「Ideal」の手彫り彫刻、米国ストロビンガーフルート社製のタンポの採用(ハンダ付け/ロー付けモデルのみ)、左手ピンレスシステム(YFL897(D)/997)といった特徴を備える。
発売は2011年9月1日。発売に先立って第15回フルートコンヴェンション(8月19日~21日)で展示されるほか、全国各地でのフルートフェスティバル(9月~)、楽器フェア(11月3日~6日)にも登場予定となっている。

▲ヤマハ開発者とともに開発秘話などを語ったアドバイザーのアンドラーシュ・アドリアン氏。Idealによる演奏も披露
7月28日に行われた発表会には、ヤマハの開発者らとともに、アドバイザーのアンドラーシュ・アドリアン氏も登壇し、開発秘話などを明かした。ストロビンガーフルート社製のタンポ採用の理由については「安定性、ダイレクト、立ち上がりのよさ、気候・湿度の変化に対する安定性の高さから」とコメント。仕上がったフルートについては、「多くの人が満足してくれるようなものに仕上がっている」とし、それを裏付けるようなすばらしい演奏も聞かせてくれた。
◆YFL-8x7D
価格:630,000円~
◆YFL-8×7
価格:819,000円~
◆YFL-9×7
価格:2,572,500円~
発売日:2011年9月1日







