「M-SPOT」Vol.011「プロフィールを知ると、アーティストの魅力はさらに輝いていく」

2025.04.01 20:00

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その音楽に触れて「いいな」と思えば、どんなミュージシャンなのかな?他にはどんな曲があるのかな…と、もう少しそのアーティストに近づいてみたくなる。さらなる情報を得たりアーティストの発言に触れることで、その意外性に驚きさらに魅力が増してきたり、イメージ通りのアーティスト像に好印象が加速したり…と、リスナーとアーティストとの距離感がぐっと加速するのも日常のことだ。

今回は、第一印象で好印象だった楽曲から、そのアーティストの周辺を深堀りするようなフリートークとなった。登場するキュレーターは、いつもの堀巧馬(TuneCore Japan)、野邊拓実(TuneCore Japan)、DJ DRAGON(BARKS)、そして進行役の烏丸哲也(BARKS)である。

   ◆   ◆   ◆

堀巧馬(TuneCore Japan):今回は、Destiny Hope Tiaraというアーティストを紹介したいです。名前からして凄いぞ、という(笑)。

野邊拓実(TuneCore Japan):その名前、思い切りましたね。

DJ DRAGON(BARKS):いいね、やばいね。

堀巧馬(TuneCore Japan):この「INVADER」という曲が、エレクトロニックの要素とケイティー・ペリーっぽい感じもあって、どういうふうに捉えればいいのか。曲はすげえ良いんですよ。

DJ DRAGON(BARKS):カッコいい。確かにケイティー・ペリーっぽい感じの王道のアメリカンポップ。でもレベル高いっすね。結構やるなって感じ。最初「これAIかな」って一瞬疑ったんですけど、違いましたね。

野邊拓実(TuneCore Japan):逆にAIが参照元にする対象なのかもしれないですね。こういうメインボーカルはストレートな処理なんだけどバックコーラスにオートチューンがかかっているのって僕は結構好きで、2019年~2020年くらいに海外で流行っていた気がします。サビでボーカルから声ネタに切り替わるポストEDMみたいなものから、さらに亜種として進んだ最近のアレンジ感じがちゃんと再現されていていいですね。楽器演奏者として活動して、そこからエレクトロなトラックに落ち着いて落とし込まれているという感じがします。

堀巧馬(TuneCore Japan):日本人がやっていることで新鮮に聴こえますね。

DJ DRAGON(BARKS):インスタを見るとちゃんとライブもやっているみたい。


Destiny Hope Tiara

野邊拓実(TuneCore Japan):このあたりの音楽って、海外に比べて日本ではほとんど流行らなかったですよね。ライブハウスでバンドをやっているようなインディーシーンでもあんまり拾われなかった文化だなって思うんですよね。かくいう僕もバンドマンだったけど、やらなかったし。

DJ DRAGON(BARKS):王道ポップだからじゃないですか? 日本での前例がなくて、成功してるこの手の日本人アーティストがいないっていうのも大きいかもしれない。もしかしたら安室奈美恵が近い存在だったかもしれないけどね。

堀巧馬(TuneCore Japan):なるほど確かに。

DJ DRAGON(BARKS):その時代に安室奈美恵がいたらひとつの雛形になったような気はするけど、今、そういうタイプのアーティストって日本にいなくないですか?

野邊拓実(TuneCore Japan):確かにいないですね。ちょっとアメリカを感じさせる女性のポップシンガーアイコンみたいな人。最近出てきていないってことは、需要のないシーンなのかもしれない。作曲家をバックに抱えて、アイコンとして演者がいて…みたいなスタイルって、K-POP系以外には最近見当たらない。Perfume以降あんまり見てない気がします。

DJ DRAGON(BARKS):アイコンがいないんですよね。時代が変わって、女の人も割とヒップホップの方に行っちゃったので、AwichとかLANAとかそっちじゃないですか。あるいはK-POP的なカッコよさ。グループ単位だったらあるのかもしれないけどね。K-POPスタイルのようなものに融合するとあり得るのかな。

──時代の移り変わりを感じますね。

DJ DRAGON(BARKS):テレビが衰退したからかな。

野邊拓実(TuneCore Japan):それあるかもしれない。リスナー側の趣味もどんどん多様化されていて、ファンが広く分散されていると感じます。結局TikTokバズで人が集まることは変わらずあるので、完全な分散が起こるわけではないですけど。

DJ DRAGON(BARKS):そうですね。日本においてはなかなか広がりにくいサウンドなのかもしれないですね。そこに乗っているものがそれなりのパワーを持っていないと成立しないのかもしんない。確かに、<LuckyFes>のブッキングをする立場で考えると「どこのステージにハマるんだ?」みたいに考えちゃうかも。

野邊拓実(TuneCore Japan):でも逆にハマればめっちゃハマりやすいですよね。わかりやすいから。

DJ DRAGON(BARKS):やり方によってはバズるのかもなって、ちょっと思った。でもDestiny Hope Tiaraはちょっと気になるアーティストだなあ。ギターも弾き語りするしピアノも弾くんだよね。ベースもやるというマルチなんだね。

野邊拓実(TuneCore Japan):プロフィールを見ると、最初からめちゃくちゃ情報開示してるんですよね。靴のサイズまで書いてある(笑)。でも僕はこれがいいなと思うんです。夢として「日本からデビューしたアーティストとして世界基準でヒットし、アジア人として音楽業界に歴史を残すこと」と書かれているんですが、ぼくはアーティストにはちゃんと夢を語ってほしいって思うんですよね。秘めないで表に出してほしい。こういうことを考えて、こういう世界を実現したいみたいなことをちゃんと開示してくれると、応援しやすいというか、頑張れ頑張れ、僕にできることがあったらやるよみたいな気持ちにもなる(笑)。

──アーティストは、リスナーが憧れるアイコンだもんね。

野邊拓実(TuneCore Japan):そうなんです。このDestiny Hope Tiaraはすごくわかりやすくて、リテラシーが高くなくても理解できる音楽だと思うんですけども、逆にアングラでニッチな難しい音楽であればこそ、自分たちのことをちゃんと開示していかないと、まず聴いてもらう土上にすら上がれないとも感じるので、ニッチな音楽を演っている知り合いには「ちゃんとSNSで自分の姿を出す」ことを強く言っているんです。

──存在を知ってもらうことがスタートですもんね。

堀巧馬(TuneCore Japan):Destiny Hope Tiaraはハングリー精神もありそうだし、そここそクリエイターとしては絶対持つべき素養ですから、応援しがいがありますね。

野邊拓実(TuneCore Japan):言い方は良くないですけど、折相のなさって大事というか好感が持てるんですよね。大事な夢を1本据えて「この夢が叶うならそれ以外のことはどんな手でもいい」みたいな姿勢が見えたりすると、ちょっと好きになっちゃいますよね。

DJ DRAGON(BARKS):確かに。

──音楽に100%コミットしているという気合と覚悟ね。そういう意味では、PeachFlowerという「13歳と10歳と6歳の3姉妹ユニット」にも好感を持ちました。邪心なく歌って楽しんでいて微笑ましい。

堀巧馬(TuneCore Japan):ファミリー・チームでやっているんですね。普通にブログとかYouTubeも随分前から活動しているみたいです。

──あ、欧米人なんですね。

DJ DRAGON(BARKS):家族全員でやってんだね。曲はパパじゃなくてもしかしたら誰か他の人が作ったのかな。かわいいね。日本に在住なんですね。

──音楽をきっかけにYouTubeを知ったり、YouTubeから音楽のファンになったり、いろんな広がりがありそうですね。


PeachFlower

堀巧馬(TuneCore Japan):もうひとつ、音楽だけを聴いて「すげえいい」と思った曲を紹介したいんですけど、ロマンチック中毒の「Very very strawberry love」です。

──かっこいい。

堀巧馬(TuneCore Japan):ライブでめっちゃ聞きたいっすね、これは。

DJ DRAGON(BARKS):サウンドは抜群じゃないですか。ロマンチック中毒というアーティスト名も含めた上で、いい意味の昭和・平成感がちょっとあるよね。

野邊拓実(TuneCore Japan):平成感、ありますね。独特の渋さがあるというか、BoAの「VALENTI」の「タイトなジーンズにねじ込む…」みたいな、その頃のかっこよさみたいものを感じました。

──「日本のR&B」という感じ?プロフィールによると沖縄の方のようですね。

堀巧馬(TuneCore Japan):沖縄? 沖縄はアーティストの宝庫ですね。

野邊拓実(TuneCore Japan):沖縄はどんどん層が厚くなっていっている感じがしますね。

DJ DRAGON(BARKS):最近、沖縄の音楽って面白いよね。「沖縄ニューウェーブ」とでも呼びましょうかね。これまでラッパーが強かったけど、最近はこういうバンドサウンド的な人たちも現れてきているし、HOME(ホーム)とかもそうだよね。


ロマンチック中毒

──ロマンチック中毒は、作詞・作曲からダンスの振り付けまで手がけているそうです。シンガーかと思ったら、もっと多面的な素養を持った方なんですね。

野邊拓実(TuneCore Japan):最近、そういうマルチな人も増えましたよね。アートワークから映像まですべて自分でやる人。音楽でも作詞・作曲からミックス、マスタリングまで全部やりますみたいな人もどんどん増えているし、それ以外のダンスもやってますっていう人だったりとか。星野源が「俳優やってます」みたいな辺りから、マルチというものが注目されることになった気がします。

DJ DRAGON(BARKS):もう表現として、なんでもありなんだよね。昔はね、ダンスだったらヒップアップ/R&Bだろみたいな、行く道はそこだという型があったけど、こういうバンドサウンドでやっちゃうところを考えると、いい意味でそういうカテゴライズもないよね。かっこいいね。

堀巧馬(TuneCore Japan):いやほんと、広がってほしいですね。

DJ DRAGON(BARKS):なんかさ、LOVE PSYCHEDELICO的な、サウンドは違うけどちょっとそっちの匂いもするというか、セブンティーズ・ロック感みたいな雰囲気のグルーブ・生感があるよね。多分意識はしていなくてこうなっているんだと思うんだけど、そのあたりにも惹かれるな。

協力◎TuneCore Japan
取材・文◎烏丸哲也(BARKS)
Special thanks to all independent artists using TuneCore Japan.

Destiny Hope Tiara

出身: 日本と中国のハイブリッド ・生年月日: 2000年11月7日 ・MBTI : ESFP ・身長:156cm ・靴のサイズ:24cm ・夢:日本からデビューしたアーティストとして世界基準でヒットし、アジア人として音楽業界に歴史を残すこと。 幼少期よりアメリカのポップカルチャーに興味を持ち、5歳の時に「ハンナモンタナ」に衝撃を受け、洋楽ばかりを聴き歌い、同時にシンガーソングライターとしての道を目指すようになる。2020年よりあらゆるボーダーを超えて”日本から世界へ”を視野に入れ、独学の英語とギターで曲作りを開始。2024年の楽曲リリースに伴い、妹『Kurumi』のCOプロデュースによりオルタナティブ/ポップロックの楽曲制作を行う。 またシンガーとしての呼び声も高く、覆面プロデューサーLouis Visionのオファーにより2024年5月MTV blackboardでシンガーとして出演。blackboardで披露した『Medley』の動画とTiaraの歌声がTikTok等で大反響を呼び、『Medley』を配信リリースしTop10チャートイン。その後も、Louis Vision、PVCMVNと一緒に新曲『Far Away』をリリースし、TBS PLAYLISTにてテレビ初披露。 Tiaraのオリジナル楽曲についても国内外から多数のコラボオファーが届いており、着々と活動域を広げている現在大注目のアーティストである。現在は曲作りを中心に、ライブハウス、イベント出演、TikTok等で音楽パフォーマンス配信を行うと共に、その他SNSへの投稿を通して世界中のファンを魅了し続けている。 Destiny Hope Tiaraは、これまでにいない”ちょっと異質なアーティスト”であり、 しかし、だからこそ”運命を切り拓く希望の歌姫” としてより一層輝くのである。
【経歴】 2013年~2015年 『日野皓正 “Dream Jazz Band”』でベース&ボーカル担当 2020年 「キャンパスコレクション東京2020シンガーステージ/グランプリ」 2021年12月 「アーティストリーグ2021」第3位/3000組&審査員特別賞 審査員票を最も多く獲得し『運命を切り拓く希望の歌姫』と称される。 2022年2月 新宿丸井アネックス店内BGMとして「I Hope You Will Sleep Well Tonight」起用 2024年5月 『MTV PUSH Presents FUTURE ICOMS#4』『blackboard』にLouis Vision feat. Destiny Hope Tiaraとして出演 (楽曲:Medley) 2024年11月 ・TBS 『PLAYLIST』 Louis Vision, PVCMVNと出演 (楽曲:Far Away) ・TuneCore 『NEOWN』出演 (楽曲:MAJESTIC CHORDS 、pretty.) *横浜マリンタワー 公認アーティスト *GMO公認アーティスト *みなとみらいStreet Music 公認アーティスト
◆Destiny Hope Tiaraページ(TuneCore Japan)

PeachFlower

ピーチフラワーは、13歳のMomo、10歳のHana、6歳のYukiからなるバイリンガル三姉妹ユニットです。透明感あふれる歌声と詩的な表現力で、多くの人々の心に寄り添う音楽を届けます。 幼いながらも、歌唱力とパフォーマンスで幅広い年齢層に感動を与える彼女たち。楽曲には夢や希望、絆といった普遍的なテーマが込められており、聞く人の背中をそっと押すような力を持っています。 デビュー曲ブバルディアは、未来への一歩を踏み出す勇気と愛の形を描いた一曲。三姉妹それぞれの個性が響き合い、美しいハーモニーが魅力です。 ピーチフラワーは、日常の小さな幸せや夢を応援する音楽を通じて、リスナーの心に花を咲かせることを目指しています。
◆PeachFlowerページ(TuneCore Japan)

ロマンチック中毒

作詞作曲からダンスの振り付けまで手掛け、ソウルフルな歌声とエネルギッシュなステージパフォーマンスを武器に活動する沖縄出身のアーティスト。 ロマンにリアルを散りばめたリリックと、自身のルーツであるファンクやR&B、HIPHOPを軸に、ジャンルに囚われない誰もが中毒になる音楽を発信している。

◆ロマンチック中毒ページ(TuneCore Japan)