【ライヴレポート】黒夢、4DAYSのアリーナサーキット完遂「100パーセント完璧な黒夢でした」

黒夢が9月6日、東京ガーデンシアターで<THE PERFECT DAYS TO DIE>と銘打ったアリーナサーキットの最終章を鮮やかに締め括った。7月17日から19日の3日間、TOYOTA ARENA TOKYOで自身最大規模のアリーナ連続公演を成し遂げたことは記憶に新しいが、同シリーズ4日目の舞台となった東京ガーデンシアターは、2025年2月9日に黒夢が約10年ぶりの復活を遂げた場所でもある。清春曰く、その復活公演よりも「2倍の速さでチケットがソールドアウトした」というから、現在の黒夢のポテンシャルの高さと、ファンからの期待値の高さがうかがい知れるというもの。7000人を収容した会場は、あらゆる方位からステージに向けて視線が注がれる格好だ。
この日の関東地方は朝からまとまった雨が降り、肌寒さすら感じた。だが、観客の誰もが憂鬱な気分とは無縁の表情で開演の時を心待ちにしている。客席がほぼ埋まり、定刻の午後4時を迎えると同時に場内が暗転した。SEのTHE MISFITS「Last Caress」が轟き、サポート陣とともに人時(B)が両手を挙げて登場。清春(Vo)がステージ中央へと歩み寄る頃には観衆が総立ちになっていた。

前のめりな「FAKE STAR」でのっけからファンの心を鷲掴みにすると、「SPOON & CAFFEINE」で余裕たっぷりに空間を制圧。続く「DRIVE」のメロディを浴びていると、日頃の嫌なことが全部飛んでいきそうになる。冒頭の3曲だけで黒夢、すなわち清春と人時の“圧”を思い知る構成だ。
今宵のサポート陣は、SATOKO (Dr / THE&, FUZZYCONTROL)、KOKI (G / The BONEZ)という本シリーズお馴染みの顔ぶれに加え、戸高賢史(G / ART-SCHOOL, MONOEYES)が並ぶという新編成だ。このタイミングで新たな仲間を迎え入れる黒夢は第一線のアーティストとの共演を楽しんでいるようであり、それに応える戸高の技量もすごい。黒夢のライヴは参加ミュージシャン同士の化学反応を期待できるという側面もある。



「MIND BREAKER」や「Walikn’ on the edge」の妖しさは、歳を重ねるごとに魅力を増した清春と人時だからこそ体現できるもの。そして、豊富なアイデアを高い技術で示す人時のベースソロが今夜も次々と会場全体とオーディエンスの体を揺らす。すでに本編が終盤を迎えつつあることが信じられなくなってくる。
ベースソロ明けは激しい曲の連発となることが多いのだが、この日の畳み掛けっぷりは尋常ではなかった。「ROCK ‘N’ ROLL」「C.Y.HEAD」「CANDY」「後遺症-aftereffect-」「Sick」の5曲が1曲分に感じられるような一瞬の美学。ノンストップの快楽に打ちのめされながらの本編終了となった。

アンコールに応えて黒夢がステージへ再登場し、観客に向けて語った言葉の数々が印象深い。清春は2027年2月から開催の<ZEPP TOUR「2027」>に触れ、「僕らの肉体が日々朽ちていくのを感じてるんですけど、もう少し体に無理をいわせて、ぶっ放していきたいです」と述べた。さらに「最近、知ってる曲しかやってないので、このZEPP TOURでは、ちょっとずつ、やり慣れてない曲をやろうかなって思います」と『CORKSCREW 2026』『Drug TReatment 2026』をメインとするライヴ構成にひと区切りつけることをほのめかしていた。
そして何よりも胸を打たれたのは、清春と人時の両者が50代にして「幸せな日々を過ごしている」と率直に語ったこと。さらに、「少しでも幸せな時間を観客と共有したい」と表明したことだ。こうした言葉を受けての「少年」や「BEAMS」は当然のごとく大合唱を生んだ。

赤い照明にサイレンと爆撃音が重なり、ダブルアンコールへと突入。この「カマキリ」が絶妙の余韻を生むなか、清春が放った言葉の数々が忘れがたい。以下にいくつか書き留めておこう。
「我々は、一回観たら、できれば次もその次も観たくなるバンドでありたいと願っています。心からありがとう!」「もっと売れたいとか、もっと大きい会場でやりたいとか、いろいろあるんですけど、そういう興味よりも、ここにいる人たちが夢中でいてくれることが大事です。それがロックンロールだと思います」「毎日の生活に違和感を感じたら、僕と人時さんのことを思い出してください。今日のライヴのことを思い出してください。乗り越えるひとつの手段になると思います」
ここから放たれたラスト2曲「NEEDLESS」と「Like@Angel」が絶景を生み、約7000人のオーディエンスが幸せを噛みしめた頃、開演からおよそ2時間20分が経過していた。

静かな曲も激しい曲も、すべてが一瞬の出来事だったかのように駆け抜けたライヴだった。9月6日が“クロの日”だからといって、奇をてらったようなことはせず、あくまでも自然体の黒夢が目の前にいた。成熟した大人のロックという枠には収まりきらない。かといって、無軌道な子供のロックでもない。黒夢にしか成し得ない音楽がそこに広がっていたのだ。
<THE PERFECT DAYS TO DIE>と銘打った一連の公演は“死ぬには完璧な日々”を意味しながらも、逆説的に生命の輝きを印象付ける内容だった。当たり前のように黒夢が活動し、何度も幸せな光景を見せてくれるという2026年を誰が想像しただろうか。100パーセント完璧な黒夢だった。
既報の通り、清春の誕生日である10月30日に、黒夢はLINE CUBE SHIBUYA公演を開催する。さらには、2027年2月より<KUROYUME 2027 ZEPP TOUR「2027」>と題したZeppツアーが決定している。清春と人時がステージに並ぶだけで、刺激的な何かが起こる。“PERFECT”を軽々と超えていく黒夢の姿をこれからも追い続けたい。
取材・文◎志村つくね
撮影◎森好弘
■<黒夢 THE PERFECT DAYS TO DIE>
2026年9月6日(日)@東京ガーデンシアター SETLIST
01.FAKE STAR
02.SPOON & CAFFEINE
03.DRIVE
04.MIND BREAKER
05.Spray
06.Walkin’ on the edge
07.NITE & DAY
bass solo
08.MASTURBATING SMILE
09.FASTER BEAT
10.ROCK’N’ ROLL
11.C.Y.HEAD
12.CANDY
13.後遺症 -aftereffect-
14.Sick
encore
15.LAST PLEASURE
16.少年
17.BEAMS
W.encore
18.カマキリ
19.NEEDLESS
20.Like@Angel

■<THE PERFECT DAYS TO DIE -ザ パーフェクト デイズ トゥ ダイ->
7月17日(金) 東京・TOYOTA ARENA TOKYO
7月18日(土) 東京・TOYOTA ARENA TOKYO
7月19日(日) 東京・TOYOTA ARENA TOKYO
9月06日(日) 東京・GARDEN THEATER

■黒夢 ワンマン公演
10月30日(金) 東京・LINE CUBE SHIBUYA
■<KUROYUME 2027 ZEPP TOUR「2027」>
2月08日(月) 神奈川・KT Zepp Yokohama
2月09日(火) 神奈川・KT Zepp Yokohama
2月12日(金) 福岡・Zepp Fukuoka
2月14日(日) 福岡・Zepp Fukuoka
2月21日(日) 北海道・Zepp Sapporo
2月23日(火) 宮城・仙台PIT
2月26日(金) 大阪・Zepp Osaka Bayside
2月27日(土) 大阪・Zepp Osaka Bayside
3月05日(金) 愛知・Zepp Nagoya
3月06日(土) 愛知・Zepp Nagoya
3月11日(木) 東京・Zepp Haneda
3月12日(金) 東京・Zepp Haneda
3月13日(土) 東京・Zepp Haneda
■フェス/ライヴイベント出演情報
▼<中津川 WILD WOOD 2026>
9月19日(土) 岐阜・中津川公園内 特設ステージ
▼<Karatsu Drop Festival 2026>
9月26日(土)-27(日) 佐賀・虹の松原海水浴場 東の浜
▼<マグロック & ポップ 2026>
10月4日(日) 静岡・清水マリンパーク
■『黒夢 最新アリーナ公演オンエア記念特集!黒夢/SADS/清春7番組集中放送』

▼『黒夢<THE PERFECT DAYS TO DIE-ザ パーフェクト デイズ トゥ ダイ->』
9月23日(水/祝)午後8:00 WOWOWライブ
放送・配信終了後~アーカイブ配信あり
※7月17日~19日にTOYOTA ARENA TOKYOで開催するアリーナ3DAYS公演より、2日目のライブの模様を独占放送・配信。“死”という言葉を含んだタイトルは、逆説的に、ロックミュージシャンとしての生きざまを体現したライブになることを予感させる。
出演:黒夢
収録日:2026年7月18日
収録場所:東京 TOYOTA ARENA TOKYO

▼『黒夢 Music Video Collection』
9月22日(火/休)午前1:00 WOWOWライブ
※黒夢デビュー30周年を記念し軌跡をたどるMV集を、清春と人時の撮り下ろしインタビューも交え一挙放送・配信。

▼『黒夢 2025.02.09 CORKSCREW A GO GO! SAINT MY FAKE STAR』
9月21日(月/祝)午後11:00 WOWOWライブ
放送・配信終了後~1カ月間アーカイブ配信あり
※黒夢デビュー30周年を記念し、2025年、10年ぶりに復活。デビュー日に東京ガーデンシアターで開催した熱狂のライブを独占放送・配信。
収録日:2025年2月9日
収録場所:東京 東京ガーデンシアター

▼『SADS Music Video Collection』
9月21日(月/祝)午前3:50 WOWOWライブ
※SADS限定復活、最新ライブ独占放送を記念し、清春セレクトのMV集を本人インタビューと合わせて一挙放送・配信!

▼『SADS 1999-2003「SAD ASIAN DEAD STAR」』
9月21日(月/祝)午前0:00 WOWOWライブ
放送・配信終了後~1カ月間アーカイブ配信あり
※清春率いるロックバンドSADSが、2024年、約20年ぶりに初期メンバーで復活。初期の5枚のアルバムからの楽曲を披露した2日間限定公演を独占放送・配信。
収録日:2024年6月29日、30日
収録場所:東京 Zepp Haneda(TOKYO)

▼『清春 Music Video Collection』
9月19日(土)午前1:50 WOWOWライブ
※黒夢でのメジャーデビューから30周年、ソロデビュー20周年のダブルアニバーサリーを記念したMV集を、清春のセレクトで本人インタビューと合わせてお送りする。

▼『清春 debut 30th anniversary year TOUR 天使ノ詩「NEVER END EXTRA」The Birthday』
9月18日(金)午後11:30 WOWOWライブ
放送・配信終了後~1カ月間アーカイブ配信あり
※ロックボーカリストとして多大な影響を与えてきた清春が、黒夢でのデビューから30周年を記念し60本超の全国ツアーを開催。2024年の誕生日公演を独占放送・配信。
収録日:2024年10月27日
収録場所:東京 恵比寿ガーデンプレイス ザ・ガーデンホール
WOWOW 黒夢特集番組サイト:https://www.wowow.co.jp/music/kuroyume2026/







