【ライブレポート】<RISING SUN ROCK FESTIVAL 2026>、12年ぶりに石狩の空に輝いた朝日+大トリのサンボマスターが叫んだ「全員優勝!」

2026.08.18 07:00

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撮影◎n-foto RSR team

8月15日。初日に負けないほど晴れ渡る青空の下、21回目の出演となる東京スカパラダイスオーケストラがSUN STAGEのトップバッターを務めた。1曲目の「Paradise Has No Border」からオーディエンスを煽りまくり、エリア一帯を灼熱のカーニバルに変えてみせる。例年は多数のゲストを迎えてのステージだったところから、今年はインスト曲を中心にメンバーのみでたっぷり魅せる構成。多彩な8人の個性とプレイアビリティを存分に堪能し、やはり<RSR>に欠かせない存在だと確信した。

【SUN STAGE】

東京スカパラダイスオーケストラ 撮影◎大峡典人
My Hair is Bad 撮影◎堤 瑛史
UVERworld 撮影◎かわどう
Vaundy 撮影◎日吉”JP”純平
milet 撮影◎後藤壮太郎
Awich 撮影◎大峡典人
サンボマスター 撮影◎かわどう

RED STAR FIELD、2番手のPUFFYは10年ぶりの凱旋。誰もが知る代表曲はもちろん、志村正彦が提供した「Bye Bye」や、チバユウスケが提供した「誰かが」など、30周年の豊かなキャリアが伝わるセットリストとなっていた。チバユウスケが愛したRED STAR FIELDで演奏される「誰かが」は、特に深い想いを持って空に響いたに違いない。

一方、涼しい風が吹き抜けるBOHEMIAN GARDENは、初出演のスーパー登山部で幕をあけた。実際にメンバーが登山愛好家であるゆえか、自然に溶け込む歌声とサウンドが美しい。風の音も含めた芳醇なアンサンブルに酔いしれた。続く小山田壮平BANDはandymoriの楽曲も盛り込み、オーガニックな空気と研ぎ澄まされた感性がないまぜになった刺激的なライヴを展開。激情溢れるロックもまた、青空に映えてどこまでも眩しい。

【BOHEMIAN GARDEN】

スーパー登山部 撮影◎山下恭子
小山田壮平BAND 撮影◎山下恭子
山内総一郎 撮影◎佐藤健太郎
jo0ji 撮影◎山下恭子
長岡亮介 撮影◎山下恭子
青葉市子 撮影◎山下恭子

徐々に西日が強くなってくる時刻、本来ならばフェスも終盤戦といったところだが、<RSR>の場合はむしろ中盤にも及ばない。時間はまだたっぷりある……とはいえ、半日後の夜明けまで、音楽だけでなくグルメやアートなどすべて楽しむためには時間が足りないほどだ。グルメにおいては、ラーメンや豚丼、ジンギスカンや乳製品など北海道らしいメニューが豊富で、どこのエリアも賑わっていた。もちろん、酒を片手に楽しむ大人も多数。

そんな大人たちのテーマソング「酒燃料爆進曲」で、石狩の青空と豪快に乾杯してみせたのが怒髪天だ。北海道出身の彼らにとって、<RSR>のステージはもはやホーム。増子直純が「よく来たぁ!」とRED STAR FIELDの観客をライヴという名の大宴会に招き入れ、全力のリズム&演歌でもてなしていく。CMソングとして話題を集める「オトナノススメ〜還暦上等!〜」など、愛情とエネルギーに満ちた人生讃歌に全力の拳と歓声が応えた。

【RED STAR FIELD】

ハンブレッダーズ 撮影◎堤 瑛史
PUFFY 撮影◎堤 瑛史
怒髪天 撮影◎後藤壮太郎
Lucky Kilimanjaro 撮影◎堤 瑛史

今年のトピックのひとつとして、活動休止や解散を経て<RSR>に帰還したバンドが多いことが挙げられる。初日のRiddim SaunterやTHE PREDATORS、そして2日目のplentyとレミオロメン、SHAKALABBITらがそうだ。def garageに立ったplentyは、3人で向き合ってゆっくり呼吸を合わせたあと、「傾いた空」でスタート。江沼郁弥の透明感溢れる歌声と繊細な楽曲が、そっと心の隙間に染み込む心地よさは変わらない。再始動後に発表した「ってかさあ」で現在進行形を示し、これから3人で進む未来をしっかり感じさせた。

レミオロメンはRED STAR FIELDを埋め尽くす客に迎えられ、「粉雪」「南風」と時代を象徴する名曲を惜しみなく披露。曲ごとに歓喜に満ちたオーディエンスの大合唱が起こり、メンバーの表情にも笑顔が浮かんでいた。同じく劇的に復活し、昨年から各地のフェスを騒がせている黒夢は待望の初参加。今なお切れ味鋭いロックンロールで、媚びずに我が道行くライヴをEARTH TENTで繰り広げた。こうしてさまざまなバンドの歴史と交叉しながら、RSRの歴史が紡がれていくのだ。来年以降も、思わぬ巡り合わせが待っていることに期待したい。

【EARTH TENT】

HEY-SMITH 撮影◎後藤壮太郎
TETORA 撮影◎大峡典人
coldrain 撮影◎かわどう
KOTORI 撮影◎大峡典人
SIX LOUNGE 撮影◎堤 瑛史
黒夢 撮影◎後藤壮太郎
PEDRO 撮影◎大峡典人
Nothing’s Carved In Stone 撮影◎かわどう
ZAZEN BOYS 撮影◎かわどう

花火が打ち上がったあと、Vaundyがアグレッシヴなスタイルを堂々示し、いよいよ終盤戦に突入。夜が深まり、日付を跨いでも各ステージでますます熱量の高いアクトが続いていく。EARTH TENTでNothing’s Carved In Stoneが超絶アンサンブルに真夜中の空気を練り込み、BOHEMIAN GARDENに響くSPECIAL OTHERSの音色は星空と共鳴してきらめく──この時間帯の<RSR>だけにかかる魔法がある。

そして、RED STAR FIELDのトリに、THE SPELLBOUNDがBOOM BOOM SATELLITESの楽曲だけのスペシャルセットリストで登場。エレクトロ×ロックのジャンルを切り開いた名曲群が色褪せないどころか、即効性を持って疲れ知らずのオーディエンスをガンガン踊らせていた。def garageは、Oasisの来日公演でオープニングアクトを務めるなど大舞台も経験済みのおとぼけビ〜バ〜がトリを担う。深夜のテンションで極まったカオティックハードコアの威力がすさまじく、すっかり疲労が吹き飛ばされてしまった。

【def garage】

名誉伝説 撮影◎山下聡一朗
UNFAIR RULE 撮影◎山下聡一朗
YONA YONA WEEKENDERS 撮影◎大谷康介
plenty 撮影◎山下聡一朗
リーガルリリー 撮影◎山下聡一朗
THE BAWDIES 撮影◎大谷康介
SHAKALABBITS 撮影◎山下聡一朗
the cabs 撮影◎大谷康介
goethe 撮影◎後藤壮太郎
おとぼけビ〜バ〜 撮影◎山下聡一朗

空が薄い青色へと移り変われば、ついに大トリの時間が到来する。他のステージは終了し、自由に過ごしていた観客がSUN STAGEにぞくぞくと集結。この場所で、ともに夜明けを迎えるためだ。集まった人々は、同じ希望を胸に抱いていたのではないだろうか。“今年は、朝日が拝めるのでは?”と。<ライジングサン>と名乗りつつ、最近は実際に朝日が拝める天候だったことは少ないのも事実。朝日とともにフィナーレを迎えられたとしたら、2016年以来10年ぶりになるという。その希望は、大トリのサンボマスターに託された。

大歓声を浴びながらもまだまだ物足りなさそうな山口隆が、「RSRでミラクルをキミとおこしたいんです!」と叫び、そのまま「ミラクルをキミとおこしたいんです」へ。キャッチーなメロディとまっすぐなメッセージでSUN STAGEの全員の心に熱い炎を灯した。恒例の「全員優勝!」コールや「ズッ友!」コールも含め、彼らの楽曲や言葉はすべて、目の前の一人ひとりを奮い立たせるべく紡がれる。「いなくなった魂のために歌いたい」と贈られたバラード「ラブソング」も、それぞれが抱く大切な「魂」への想いに寄り添ったはずだ。

山口が感極まって泣いている人を見つけたのか、「泣いてんじゃねえ、笑うんだ!」と声をかけながら、日の出の時刻に届けられたのは「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」。拳を突き上げての「愛と平和」の大合唱が響き渡る中、見上げた空には確かに朝日が差していた。サンボマスターの熱演と集まったオーディエンスが、本当にミラクルをおこしたのだ。

日が沈めば夜が来て、太陽が昇れば朝が来て、“明日”が“今日”になる。そんな当たり前のことを、<RSR>は教えてくれる。そして、新しい“今日”が楽しいだけのものではなくとも、「Future is Yours」──未来はキミのものだとサンボマスターは歌った。“今日”をどんな1日にするかは自分次第。石狩の空に輝く太陽に照らされて幕を下ろした<RSR2026>は、思い出という宝物になり、未来を彩る糧となるに違いない。その先の未来にある<RISING SUN ROCK FESTIVAL 2027 in EZO>が、まだ見ぬあなたを待っている。

文◎後藤寛子
©️RISING SUN ROCK FESTIVAL

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