【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.157「お勧めのフィンランド最新作品」

2026.02.10 13:51

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今年に入ってから例年にない厳しい寒さが続いているフィンランドですが、こういう時は好きな音楽聴きまくってその寒さをぶっ飛ばせ。今年に入って新譜情報もたくさん届いているので、最近のニューリリースからお勧めをいくつか紹介。

THE 69 EYES

Pic:Marek Sabogal

ヘルシンキヴァンパイアことThe 69 Eyesからニューシングル「I Survive」がリリースになった。この曲はビリー・アイドルのギタリストでよく知られるスティーヴ・スティーヴンスがFeat.で作曲、リードギターもプレイしている。オジー・オズボーンやMötley Crüeを手掛けたこともあるバリー・ポインターがミキシングを担当。

「”Lost Boys”や:Drive”のような、アップテンポで躍動感のある新曲がセットリストに必要だった。ライブでみんなを飛び跳ねさせるような曲だ。」とヴォーカルのユルキ69は語っている。

Frontiers Label Groupが新たに立ち上げたレーベルBLKIIBLKよりこの曲が収録されたEP盤が6月5日リリース予定だ。このレーベルのアメリカのA&Rマイク・ギッター(Bad ReligionやLorna Shoreを担当)がバンドのことをすごく気に入り、決定的なThe 69 Eyesのアルバムを作ろうと言われたのが決め手になったそうだ。

彼らはデンマークのバンドD-A-Dとヨーロッパツアーを終えたところで、このあと3月からフィンランドツアーが予定されている。

HOKKA

Pic:Natalie Pastakeda

ヨエル・ホッカがThe Rasmusの元ギタリスト、パウリ・ランタサルミとTikTokで人気を得ていた若手ドラマー、イミ・アスラクと一緒に結成したバンドHOKKAからこのあと発売予定のデビューアルバムよりセカンドシングル「Death by Cupid’s Arrow」がリリースになった。

「キューピッドの矢が胸に刺さろうが、ナイフが背中に刺さろうが、どちらも同じことだ。この曲は、愛のあまり良くない側面を歌った歌だ。傷ついた哀れな心は、幾度となく苦痛に叫び、その苦しみに溺れていく。」
とヨエルは語っている。

昨年の大晦日、彼の出身地フィンランドのオウルで開催された年越しイベントに出演し、先にリリースされていた「In The Darkness」とこの新曲を披露。まだシングルが2曲リリースになったばかりだが、5月ヘルシンキのTavastia公演が発表になったほか、いくつかの夏フェス出演がすでに発表になっていて、ライブにはVV(ヴィッレ・ヴァロ)のツアーギタリストでおなじみのサンポ・スンドストロムが加わることが発表になった。

ヨエルは音楽の他にも絵を描いていて、今年2月6日から3月1日までヘルシンキのARS Longa galleria(住所:Annankatu 12)にてヨエル・ホッカ&トゥーッカ・ファルトのアート展「Art Out Of Misery」開催中。その期間中にヘルシンキに来られる予定がある方はぜひ訪れてみてください。2人は昔同じバンドで一緒に5年ほど活動していたそうだ。写真はアート展のグランドオープニングでのヨエルとトゥーッカ。

Pic:Hiromi Usenius

LOST SOCIETY

Pic:Sam Jamsen

フィンランドのメタルバンドLost Societyはニューアルバム『Hell Is A State Of Mind』を3月6日リリースすることを発表し、そのアルバムから先行シングルとして「Blood Diamond」をリリースした。この曲には映画のような壮大なストリングスが入っていて、このアイデアは、ヴォーカルのサミー・エルバンナとプロデューサーのヨーナス・パルッコネンにインスピレーションを与え、ニューアルバムのほとんどの楽曲に大規模なストリングス セクションをアレンジするきっかけとなったとのことだ。

「ニューアルバムと最初のシングルについて語れることをとてもエキサイトしている。2026年のLost Societyはヘヴィだ。それをぜひとも自分で体験してもらいたい。このアルバムの制作、特にみんなの前で歌うこの物語を作り上げていくのが本当に楽しかった。もうすぐ皆の手に渡る。アルバムを先行予約して「Blood Diamond」を大音量で、ご近所さんが耐えられなくなるまで聴いてくれ!」とサミーは語っているが、ご近所さんから苦情がでない程度にどうぞ。2月11日にはセカンドシングル「Is This What You Wanted」がリリースになる予定だ。

ニューアルバム発売後バンドはUK&ヨーロッパツアー、加えて4月2日ヘルシンキTavastia公演が発表になっている。

CRASHDÏET

Pic:Ninetone Records

スウェーデンのスリージー・ロック/グラム・メタルバンドCrashdïetは5月8日リリース予定のニューアルバム『Art Of Chaos』から先行シングル「Satizfaction」をリリースした。むき出しのエネルギー、妥協を許さない姿勢、鋭いリフ、そして瞬時に心に響くコーラス。この曲はバンドのDNAを捉えつつ、スリーズロックが再び中心舞台に立つ新たな時代をしっかりと示唆しているとのことだ。

2024年に5代目ヴォーカル、ジョン・エリオット(Confess)が加入。同時に2023年ライブ活動を離れたエリック・ヤングの代わりにサポート・ドラマーを務めていたマイケル・スウィート(ギタリスト、マーティン・スウィートの弟)が正式メンバーに加わっている。

昨年12月ベーシストのピーター・ロンドンが個人的な健康と家族に焦点を当てるため、ニューアルバムのツアーから抜けることになり、Midnight Dangerで知られるクリス・ヤングが代わりを務めることが発表になっている。

CONFESS

Pic:Mattias Sulander, Reckless media

同じくスウェーデンのスリージー・ロック/メタルバンド Confessは5月15日にリリース予定のニューアルバム『Metalmorphosis』から先行シングル「Wicked Temptations」をリリースした。これはまさにConfessの定番アンセムと言えるだろう。内なる野獣を解き放ち「行け!」と思わせる曲だとバンドは語る。ニューアルバムについては、音楽的にも歌詞的にも、間違いなくこれまでで最も巧妙に作り上げられた10曲だ。ヘビーなリフ、壮大なコーラス、そして全く新しいレベルのダイナミックさが詰まっていて、これまで以上に自分たちをプッシュした結果がはっきりと表れていると語っている。

バンドが結成されたのは2008年だそうだが、彼らを知ったのは2023年1月H.E.A.T.のヘルシンキ公演で彼らがサポートを務めた時だった。気に入ってバンドのSNSをフォローしていたら、その後ヴォーカルのジョン・エリオットはCrashdïetに加入したもののConfessも健在で、今回両バンドとも同じ頃にニューアルバムがリリースになる。

ニューシングルのMVを最後まで観たら気が付くと思うが、長年のギタリスト、ブロンマンが新たな人生を歩むと脱退。これまでベースを担当していたルドウィグがギターに移行し、オリジナルベーシストのラッキーがバンドに復帰、バンドのアルバムをプロデュースしたこともあるアッサル・ハカラがギタリストに加入した。ドラマーはバンド結成当時からのメンバー、サムエル・サマエルというラインナップだ。

DIE OBERHERREN

最後に紹介するのはスウェーデンのゴシックロックバンドDie Oberherrenだ。2023年にデビューアルバムをリリース。セカンドアルバム『To Die Like a God』が今年1月30日にリリースになった。

前作のようなアルバムをもう一度作ろうという計画があったものの、結局それは実現せず、代わりに『To Die Like a God』という奇妙なタイトルの作品が生まれたとギタリストのザ・ライダー・ウエアリング・ブラックは語る。

「このアルバムは、3つまたは4つのまったく異なるサウンドスケープがぶつかり合う迷路と言える。The Cultが影から監視する中、Sisters of MercyとMonster Magnetが薄暗い路地で出会うゴシック・ロックと言えるだろう。」

さらにこう加える。

「このアルバムは断片から生まれた。詩はスマホにハミングされ、リフはいくつかのアイデアから徐々に独自の形を形成してきた。このアルバムには1人だけ明確なビジョンを持った人が いたわけではなく、全員がそれぞれのビジョンを持ち込み出来上がった。エネルギーはあらゆる方向から流れてきたんだ。そして最終的にできあがったのは?メランコリックなゴシックロックの10曲だ。単なるアルバムではない。警告だ。表面の静けさの下で、何か野生的なものが動き出している。勇気があるなら聴いてくれ。」

ということで特にダークでメランコリックなゴシックロックがお好きな方、勇気を出して聴いてみてください。

今回紹介した中に知らなかったけどこれいいなと思ったのがあったら、ニューアルバム出たらチェックお忘れなく!

文◎Hiromi Usenius