【インタビュー】終活クラブ、挑戦の1年を越えて次の代表曲へ

2026.02.04 18:30

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春のシングル3作連続リリースを皮切りに、夏にカップリング・ツアーを行い、10月にメジャー1stアルバムをリリース、晩秋に東名阪QUATTROワンマン・ツアーを成功させるなど、2025年を全力で駆け抜けた終活クラブ。挑戦の連続となった1年を経て、彼らはさらなる進化を遂げてみせた。

2026年が始まったタイミングで終活クラブのメンバー全員を招き、2025年の活動の中で得たものや最新シングル「THIS IS 運命」(2026年1月15日発売)について、そして今後の活動に向けた思いなどを語ってもらった。

──今日は2025年の終活クラブの活動を振り返っていただきつつ今後に向けた展望などを、お聞きしようと思っています。まずは、2025年4月~5月にかけてリリースされたシングル3作「インターネットやめたい」「恋」「幽霊」について話していただけますか?

少年あああああ:4曲入りとかの作品を出すと、どうしても1曲がフィーチュアされて、後の3曲はカップリングみたいに扱われてしまいますよね。僕らはリード曲は基本的に“ザ・終活クラブ”みたいなものを入れていたので、その1面しか外に見せられていない感覚がすごくありまして。そうであれば、「終活クラブは、こういう曲も書けるんだよ」という意外性を感じてもらえるものを1曲ずつ出していきたいなと思ったんです。それで、“これぞ終活クラブ”みたいな「インターネットやめたい」と、初の挑戦になるラブソングの「恋」、終活クラブの中でもすごく内面的な「幽霊」という3作を連続リリースすることにしました。結果として、よかったなと思いますね。今までは“ザ・終活クラブ”みたいな曲しかMVになっていなかったんですよ。そういう中で、「幽霊」「恋」という曲で今までとは一味違ったMVを出せて、これも終活クラブのメインのひとつなんだという見せ方ができたのは、すごくよかったなと思います。

石栗:2025年の春のシングルは、少年あああああも言ったとおり3作それぞれ違うテイストになっていて、それを出したことによって見えたものが確かにありました。たとえば「インターネットやめたい」は“ザ・終活クラブ”な楽曲で、終活クラブらしさというのはある種インターネット・ミュージックみたいなものであり、この曲はそういうところに皮肉っぽい歌詞が絡んできて、激カッコいいギターが入ってきて…という形になっている。そういう良さを再認識したというか、今までやってきたことをそのまま突き詰めていくことは間違いではないなという自信になりました。その一方で、「幽霊」と「恋」ではまた新たな顔を見せて、それもいいねという声を沢山いただいて、意味のあるリリースになったなと思います。

ファイヤー・バード:最初に「恋」と「幽霊」を聴いた時は、終活クラブらしくないかなと思ったんです。こういう曲でいいのかな、受け入れてもらえないんじゃないかなという気がした。でも、いざリリースしたら「幽霊」がめっちゃいいという声が結構多くて、「だったら終活クラブは、これから何でもできるじゃん」と思いました。可能性は無限だなと思えたという意味で、すごくよかった。

羽茂さん:終活クラブの曲はライブも含めて、シーケンスが後ろで鳴っていてその上でキーボードを弾いているという曲が結構多いんですね。そういうところで、この3曲は自分のできることの範囲が難しかったなという印象があります。今までにないくらいキーボードが重なっている曲があったり、石栗のギターと重なってアンサンブルを出すみたいなことが難しい曲があったんです。ここまで音が被る曲はあまりなくて、そういう面でまた新たな挑戦になって、その上でいい結果を出せたんじゃないかなと思います。

──この3曲で終活クラブのファンになった方が沢山いることは間違いないですね。そして、シングル・リリースを経て、7月から10月にかけて<ROAD TO QUATTRO 2025>と銘打った対バン・ツアーを行いました。

少年あああああ:このツアーはよかったです。QUATTROというのはバンドにとって大きな挑戦になるし、壁でもあるというか。QUATTROを埋められないバンドを散々見てきましたし、そこに挑戦するまでに解散してしまったりする友達を何組も見てきたので、そういう中でQUATTROに挑戦できるというのはすごく光栄なことであると同時に怖くもあった。なので、<ROAD TO QUATTRO 2025>は友達に背中を押してもらおうとか、先輩に背中を押してもらおうという側面が強かったですね。同時に東名阪をコンスタントにまわることで、より多くの人に終活クラブを知ってもらって、最終的にQUATTROに遊びに来てくれたらいいなというツアーではありましたが、なんて言うんだろう…結局バンドというのは自分達だけで生き残ろうと思うと、うまくいかないじゃないですか。だからこそ、元々仲がいいバンドとはこれからも一緒にやっていこうぜということを再確認できる機会になりましたし、先輩は「QUATTROのワンマンに挑む」という取っかかりがあって、やっと対バンできるような人達だったんです。仲のいいバンドからは勇気をもらうことができて、先輩からはすごく刺激を受けて、本当にあり難かったですね。すごくいい挑戦だったなと思います。

石栗:<ROAD TO QUATTRO>は本当に対バンの方々やお客さんに助けられたツアーになったと思っています。自分達主催ではありながらも、先輩からは「QUATTROに出るバンドというのは、こういう存在だぞ」というもの…パフォーマンスだったり立ち振る舞いを教えてもらいましたし、若手からはエネルギーを感じたし、友達はもうとにかく応援してくれた。お客さんもいいお客さん達で、みんなQUATTROまで一緒にやってきたぞという、ある種親心な目線で終活クラブを見てくれていて、チームがドカッと広がった感覚がある。そんなふうに、とにかく助けられたツアーだったなと思います。

ファイヤー・バード:ツアーは不安もありましたけど、対バンするバンドがみんな応援してくれるというか、背中を押してくれる感じだったので、ツアーが進むに連れて不安がなくなっていきました。不安よりも楽しさのほうが大きくなってきて、最終的にはもうドンガラガッシャンやろうという感じになった(笑)。そういう気持ちにさせてくれるバンド達と一緒にまわれて、すごくよかった。

羽茂さん:みんなと一緒ですけど、本当に対バンしたバンドに助けられたなと思いますね。東京以外で対バンすると、その地域のまだ終活クラブを観たことがないお客さんが来てくれるわけですよ。それが広がっていっているなということを実感できて嬉しかった。それにプラスして、お客さんがお客さんを呼ぶみたいなことが連鎖的に起きることによって、終活クラブがより幅広い年代に届いたからこそ、東京のQUATTROワンマンまで行けたのかなと思います。

──「メジャー・デビューしたからにはワンマンだ」という思考ではなく、敢えて対バン・ツアーにしたのは正解でしたね。

少年あああああ:僕達は「カッコつけてうまくいくタイプじゃないな」ということは重々承知しているので。初ライブの時とかはマジでカッコつけたかったですけど(笑)、でもそれが完全な間違いだったことで、僕達はカッコつけてもダメなんだなと気付いたんです(笑)。

──終活クラブはカッコいいですよ。MCでちょっと泥臭い部分なども等身大で出していく少年あああああさんのスタンスも素敵で。

少年あああああ:そう言っていただけると嬉しいです。泥臭くなってしまうんですよ、泥臭いから(笑)。

──それでいいと思います。虚像に憧れられるよりも、さらけ出している自分に共感してもらうほうがいいと思いますので。

少年あああああ:僕もそう思っています。虚像で勝負すると、結局最後は化けの皮が剥がれるだろうから。今の自分をそのまま出してライブをするべきだし、そういう形で届けていくべきですよね。そうすることで、お客さんが僕の人生を見守る状態になると思うから。

少年あああああ

──そして、一緒に人生を歩んでいくことにつながりますよね。続いて、2025年10月1日にリリースされたメジャー1stアルバム『メジャーな音楽』について話しましょう。同作ではメジャーになってからの苦悩などが赤裸々に語られていて、少し驚きました。

少年あああああ:そんなアルバムはあまりないですよね(笑)。メジャーに来てからは本当に悩みました。それこそ「もっと認められる曲を書きたい」とか「もっと世間に広まるような曲を書きたい」と思う反面、それを書ききれない自分がいたり、「こんな曲じゃダメかもしれない」と自分の曲を疑う自分がいたりしたんです。そういう内面の苦しさや葛藤といったものを僕は今までも書いてきたし、書いていくべきだよなと思っています。なので、メジャー1stアルバムを『メジャーな音楽』というタイトルにして、こういうふうな曲を入れていこうということは、わりと早い段階で決めていました。

──終活クラブは自分達のスタイルを持ち、それでお客さんを掴んできたバンドですから、メジャー感のある音楽を作る方法論は分かっていたとしても、自分達らしさと折り合いをつけるのが難しかった気がします。

少年あああああ:そう。でも、悩んだことで「インディーズの時だったら書かなかったな」という曲をいくつも書いて入れられたアルバムではあるんです。もっとすごく内向的だったり、主人公が自分の曲だけを書きがちだったけど、その角度がちょっと変わったなと自分の中では思っています。それが、どれだけ外に伝わっているかは分かりませんけど。それが2026年以降につながってきていて、自分ではない他の人を自分で解釈し、それを主人公とするという新しい書き方ができるようになってきた。『メジャーな音楽』の製作中は、そういう期間でもありました。

──メジャー1stアルバムを作るにあたってそれだけ悩むというのは美しいことですし、そのうえでちゃんと結果を出したということに“グッ”ときます。アルバムを締め括る「メジャーな音楽」から「無名芸術」への流れなどは本当に秀逸です。

少年あああああ:ありがとうございます。あの終わり方はもう、“少年くん!”という(笑)。

羽茂さん:しかも、アルバムで感じる「無名芸術」の終わり方と、ライブで見る「無名芸術」の終わり方が大きく違っているんですよ。それは、思いが伝わっているからこそなんじゃないかなと思う。ライブは、すごくいい感じだよね?

少年あああああ:うん。僕もレコーディングではひとりぼっちになった感じで「無名芸術」を歌っていたけど、ライブでは目の前にお客さんがいる。今はひとりじゃないなという気持ちで歌えるから、やっぱり音源とライブでは違ってきますよね。

ファイヤー・バード:少年あああああの気持ちの入りようが、全然違いますから。

──後ろから見ていても分かりますか?

ファイヤー・バード:分かります。

──楽曲というものはライブで演奏してお客さんと共有されることで完成するということを、あらためて感じます。皆さんも『メジャーな音楽』について、あらためて感じていることなどを話していただけますか。

石栗:アルバムを作るうえで、僕の中にはギタリストとしてのテーマみたいなものがありました。メジャーで活動するようになって、いろんなメジャー・バンドのギタリストと会って痛感したことがあって、彼らにはアイコンになるものが絶対にあるんですよね。プレイであったり音色であったり。そのアイコンを探すために『メジャーな音楽』というアルバム12曲を通していろんな引出しを開けたんですけど、その結果自分のアイコンというのをひとつに決めなくてもいいのかなと思った。『メジャーな音楽』の製作を通して自分なりのメジャー・ロックバンドのギタリスト像みたいなものを、なんとなく自分の中で固めることができたなということを感じています。

──石栗さんのギターはトリッキーながらも、楽曲の世界観を深めたり楽曲に寄り添っていたりすることが印象的です。

石栗:そういうところが自分の持ち味というか、ひとつのアイコンになるのかもしれないけど、だからといって「無名芸術」みたいな“ザ・正統派”という感じのギターを絶対に弾かないわけではない。王道的なプレイを封印して自分のギタリスト像を狭めなくてもいいなと思っています。いろんな引出しを持っていて、それをそれぞれの楽曲に合わせて開けることに、あまり抵抗がなくなったんです。そういう意味で、アルバム制作は身になりましたね。

ファイヤー・バード:『メジャーな音楽』は、挑戦した1枚だと思います。ドラム的に結構難しかったんですよ。終活クラブっぽい曲もありますけど、曲によっては僕が普段やらないようなドラミングもあって、ライブに向けていざ演奏するとなった時に、難しいな…という(笑)。ライブではお客さんもすごく喜んでくれて反応もよかったりしたのでよかったなとは思いますけど、最初は“プレッシャー…”と思いながら叩いていました(笑)。「恋」とかは1番よく分からなかった。でも、いい経験になりました。

羽茂さん:さっき「無名芸術」の話が出ましたが、あの曲に限らずアルバムを出す前に思っていたことと出した後で変わったなということが、かなり多いんですよ。出す前と後というか、ライブで演奏する前と後かな。今は『メジャーな音楽』の曲は全部ライブで演奏していますけど、ライブでみんなで共有できていることによって1曲1曲への解釈が変わった気がする。それを初めて強く感じたという意味で、『メジャーな音楽』の楽曲は自分達がずっと活動を続けていったとしても忘れられない1枚になったと感じています。

──『メジャーな音楽』は大きな意味を持った一作になりましたね。そして、『メジャーな音楽』を完成させて、いよいよ同作を携えた<終活クラブQUATTRO ONEMAN TOUR 2025 「メジャーな音楽」>が11月から12月にかけて行われました。

少年あああああ:このツアーは東名阪でライブをしたんですけど、いきなり東名阪のQUATTROをワンマンでやるバンドは、実はあまりいない。名阪は2マンで東京だけワンマンというようなステップを踏むバンドが多い中で、東名阪すべてワンマンにしたというのは東名阪のワンマン・ツアーをいい感じで埋められて、ようやくバンドは飯が食えるという話を信じたから(笑)。もともとは全然ムチャだと思っていたし、“夢のまた夢”くらいな感じだったんですけど、でも結果としていい感じになった(笑)。なので、“やれるんだ!”という自信にも繋がったし、これだけの人が終活クラブを心から応援してくれて、終活クラブを観るためだけにライブに来てくれるということが素直に嬉しかった。もっと、どんどん前に進んでいかなきゃなということを、あらためて再確認した次第でした。

石栗:2025年の1年は本当にすべてがQUATTROのためにあったというか、動いてきたと思うんです。アホみたいなスケジュールでライブをまわったり、その中でアルバムを制作したりといったことが東名阪のQUATTROのステージに立って、お客さんの顔を見た時に1年間やってきたことのすべてが報われたなと思いました。<ROAD TO QUATTRO 2025>に出てくれたバンドのお客さんも来てくれたし、一緒にライブをしたバンドも来てくれたんですよ。新たに出会ったお客さんやバンド、スタッフ・チームといった貴重な出会いがあって、1年やってきて本当によかったです。QUATTROでライブをしてもお客さんは全然いないし、<ROAD TO QUATTRO 2025>に出てくれたバンドも誰もいないという状態だったら、もしかしたら挫けていたかもしれない。そうじゃなくて、大成功と胸を張って言えるツアーになってよかったです。

ファイヤー・バード:僕も石栗みたいに、カッコいいこと言いたいんですけど…。

石栗:言ってくれよ(笑)。

ファイヤー・バード:うーん…でも少年くんも言っていましたけど、“QUATTROでやれたら”という部分が大きくて、最初はもうとんでもなく緊張していたんです。でも、いざ始まって、ステージに立って、お客さんの顔を見てやっていくうちに、僕らの1年は本当に意味のある1年だったなと思いました。すごく疲れる1年だったけど、やってよかったなと。この先にある大きい会場もがんばればやれるかなという自信がついたツアーになりました。

羽茂さん:<QUATTRO ONEMAN TOUR>は最初が名古屋だったんですけど、名古屋がめっちゃ怖かったんですよね。名古屋はちょっと馴染みが薄い感じがあって、本当に来てくれるのかなという不安を感じていたんです。でも、いざ蓋を開けてみたらめちゃくちゃ“ガッ!”となって、それでいい弾みがついて翌日の大阪もいい感じでできたし、そこでさらに弾みがついて東京にも持っていけた。そういうふうに、流れがすごくよかったなと思います。

──1年間の努力が実って、本当によかったです。では、続いて今年1月15日にリリースされた最新シングル「THIS IS 運命」について話しましょう。

少年あああああ:「THIS IS 運命」は、僕達の地元新潟の日曜日お昼にやっている『新潟一番サンデープラス』という番組のエンディング曲を依頼されて書き下ろした曲です。『新潟一番サンデープラス』は、エンタメ総合番組という感じなんですよ。「新たにこういうお店ができましたよ」とか、「このお店で、こういう美味しいものが食べられますよ」といったことを紹介する番組ですけど、日曜日というのは翌日が月曜日だから、気持ちが億劫になる人が多いと思うんですよ。そういう中で、『新潟一番サンデープラス』は、見た人に「これ、やってみようかな」とか「これ、いってみようかな」といった小さな運命みたいなものに導く番組だなと思ったんです。憂鬱だったはずの日曜日の午後がパッと照らされるような感覚になる人は多いんじゃないかなと思ったので、自分達の曲でもそういった曲を書きたかったし、“運命”といういい意味にも悪い意味にも使える言葉を、いい意味でしっかり使えるようにしたいということがコンセプトとしてありました。

──コンセプトにふさわしい、温かみのある曲に仕上がっています。それに、人生をテーマにしつつ“平凡な日々の幸せ”や“大人になっていくことへのとまどい”“大切な人への想い”“やりたいことが見つかったら、それを追いかけろ”というメッセージなど、多層的な歌詞も印象的です。

少年あああああ:そういうものになっていますね。歌詞もすごく長くて、もっと短くするべきかなとも思ったけど、削れなかった。元々はテレビ・サイズの1コーラスの部分と最後のシンガロングの部分を先に書いていて、その後に書き足したんです。そこで書き足すべきは自分達が体感していて、ちゃんと説得力が出るものだろうという思いがあったので、自分を1回見つめ直しました。自分は終活クラブというバンドと運命のように出会って、結果としてそれにすごく救われている。他のバンド連中よりも始めたのは遅かったけど、それでもちゃんと間に合うなと思えた。間に合えたし、それをやってよかったから、「今からじゃ遅いし」とか「もう間に合わないよ」という気持ちになっている人にも「やりたいことがあるなら、やってみなよ」とちゃんと言いたいんですよね。それで、「THIS IS 運命」はこういう歌詞になりました。

https://shukatsuclub.lnk.to/thisisdestiny

石栗:「THIS IS 運命」は人の背中を押せるようなものにしていこうということが共通認識としてありましたが、僕は言葉を紡げるわけじゃないし、何で伝えるかとなったらギターで伝えるわけですよね。じゃあ、ギターでどう背中を押せるかとなった時に、「ギターという楽器は、こんなに楽しいんだぜ」ということを伝えることが大事だなと思ったんです。なので、ギターを弾いてみたいなと思ってもらえるようなフレーズだったり、サウンドメイクだったり、もうあらゆるものを詰め込みました。

ファイヤー・バード:この曲は最初にテレビ・サイズを聴いて、これで完成されているなと思ったんです。すごくポジティブな感じでいいなと思っていたけど、フル・サイズを作るとなって少年が持ってきたデモを聴いたら、2Aからちょっと憂鬱な感じが出てきていて、「やったね、少年くん」という(笑)。ポジティブな中にちゃんといつもの暗さがあって、僕はそういうものが好きなので、ありがとうございますと思いました(笑)。

羽茂さん:この曲も同期と自分が弾いているキーボードが重なっている箇所が結構あって。いつもはアレンジを考えるときに、音程的に低いところに自分が弾いているキーボードがあったほうがいいよねといってオクターブ下で弾いたり、低い音程に変えたりしていたんですけど、この曲に関しては全部の音が高いというか、結構明るい感じになっています。今まではそれをやったら、“めちゃくちゃうるさくね?”みたいな話になることが多かったけど、なぜかこの曲に関しては下にいかなくても成立して、また新しい明るさを感じてもらえるといいなと思います。

──「THIS IS 運命」も終活クラブのまた新たな顔に触れられる、必聴の1曲といえますね。さて、「THIS IS 運命」という上質な楽曲で終活クラブの2026年は始まりました。2026年はどんな1年にしたいと思っていますか?

石栗
ファイヤー・バード
羽茂さん

少年あああああ:2025年は今までの中で最も目が開いた感覚があって、楽曲面ですごく成長できたと思うんですね。そのうえで「終活クラブの代表曲を書きたい」という思いがあるんです。「終活クラブの代表曲は、なに?」と今言われたら、特にないと思うんです。どれもいいし、ライブは「インターネットやめたい」が盛り上がるね…みたいなのがあるけど、そうじゃなくて世の中から見た時の代表曲を書き上げたいという強い思いがある。なので、全部そういう楽曲にするつもりで曲を書いていこうと思っています。

石栗:QUATTROに向けてすべて演ってきた2025年を経た2026年というところで言うと「未来が見えるような活動」をしていきたいですね。挑戦したことによってQUATTROが大成功しました、「じゃあ、その次の未来は?」ということで5月に恵比寿LIQUIDROOM単独公演を発表していますが、「終活クラブは、ちゃんとやるだろう」と思ってくれている気がするんですよ。さらにその先の未来、そのまた先、最終的にはどこなのか分からないけど、より高みが見えるような存在になっていきたいなと思っています。去年1年いろんな挑戦をしてきたので、そこで得たものを消化して、より進化していきたいです。

ファイヤー・バード:石栗ちょっとカッコよくない?ズルいなあ(笑)。僕が2026年を迎えて思っていることは、ライブ会場の規模が徐々に大きくなっているので、それを途切れさせることなく、より大きい会場でライブをできるようにしたい。それに、僕が音楽をやりたいなと思った理由のひとつとして、フェスが大好きなんですよ。なので、フェスに呼んでいただけるように、もっとがんばっていこうと思っています。

羽茂さん:2026年に関して言うと、僕の中では初心に戻ることが大事かなと思っています。後退するんじゃなくて、1回後ろを振り返るということをしようと。今の僕は自分の頭の中で固まっているところが結構あるんですよ。「ライブは、こうだよね」とか「自分のキーボードはこうだよね」とか。それが、5年前の自分だったら、どう思っていたんだろうというのがあって。レベルアップしているが故に、逆に見えなくなっているものがあるんじゃないかなというところで、戻るのではなくステップアップしたら1回振り返るようにすべきだなと思う。そうやって地に足をつけて、着実に進んでいきたいと思っています。

撮影◎Takei Yuki
取材・文◎村上孝之

Major 1st Full Album『メジャーな音楽』

2025年10月1日発売
初回盤(CD+DVD) VPCC-80705 4,950円(税込)
通常盤(CD Only) VPCC-87287 3,300円(税込)
1.劇伴
2.インターネットやめたい
3.〇〇〇〇
4.ビトビト
5.足りない
6.幽霊
7.もうすぐゆうれい
8.地球破壊のマーチ
9.エキチカダンスフロア
10.恋
11.メジャーな音楽
12.無名芸術

◆終活クラブ・オフィシャルサイト