【ライブレポート】亜沙らしさを詰め込んだ2年ぶりディナーショー。2026年への展望も

亜沙が2025年12月27日に、<亜沙BIRTHDAY DINNER SHOW2025 ~ゆくとしくるとし~>を開催した。会場は俺のフレンチ グランメゾン 大手町、亜沙にとって2年ぶりのディナーショーだ。
ボカロP、ソロアーティスト、ベーシストとして多彩な活動をしている亜沙。2025年12月20日には「骸と伽藍堂」という、ボーカリストをフィーチャリングに迎える新プロジェクトのEPもリリースし、始動した。そんな今年の締めくくり、そして自身の誕生日を記念したのが、今回のショーだった。

大きなシャンデリアや重厚な緞帳で飾られた会場に、ドレスアップしたファンが集合。入り口にはファン有志によるデコレーションがあり、席にはひとりひとり異なる亜沙からの直筆メッセージカードが飾られている。もちろんディナーショーというだけあって、メニューもオマール海老や牛フィレ肉を使った豪華な料理が並び、亜沙が最近ハマっているという黒糖焼酎を使ったオリジナルカクテルも用意されている。特別感満載、素敵な夜になりそうだ。
ディナーが終盤に近づいたころ、静かに山葉隼也(Pf)がピアノで美しい旋律を奏で始める。ムードたっぷりの中、広末慧(G)、大野陸(Dr)、そして白い花魁衣装に赤い花のかんざしをつけた美しい装いの亜沙が静かにイン。そして「心象スノーホワイト」が始まる。《雪のような恋でした》と、透明感あるメロディーに乗せて描かれる切ない恋物語。この季節にぴったりの選曲で、ショーがスタートした。

「今日は2025年のラストイベント、集まっていただいてありがとうございます。最後までみなさんと楽しい時間を過ごせたら」
と続けて届けられた「明正フィロソフィー」も、夜の叙情的な雰囲気がこの場にとても合っている。低い重心で動くベースラインが感情の波を表しているよう。その空気を引き継ぐように、景色は雨のまま「新宿ソリチュード」へ。ピアノが入ってしっとりとしたこの日のアレンジが余韻を引き立てる。亜沙の曲は具体的な地名や年代、雨や雪といった言葉が使われているので、どれもすぐに目の前に心象風景が浮かぶ。どの曲も、まるで自分が物語の主人公になったように聴けるのだ。
冬に聴きたい切ないロックバラードのターンが終わると、ここでMC。2年前のディナーショーと同じサポートメンバーと共にこのイベントができていることを嬉しく思うと伝え、今回のメニューにも触れる。「牛フィレ肉いいな、俺ら食えないもんね」と嘆きつつも、ファンに「みなさんファーストですから」と言うさすがのホスピタリティ。

そしてギター一本にのせた亜沙の歌声から、「桜の歌が流れる頃に」で冬から春へ季節を巡らせる。ここからの4曲は、“旅立ち”がテーマだったと思う。冬を想起させるターンのあとに、春、旅立ち、自立といった曲で構成するストーリー性がとても面白い。「色恋」では“背を向けて旅立つ貴方”に向けた叶わぬ恋をギターロックにのせて歌う。「道玄坂ネオンアパート」では大人になりたい、でも大人になりきれない、夜と朝の狭間で悶える女心が届けられる。どちらの曲もギターソロ、ベースソロが気持ちいい。間奏ではメンバー紹介からのソロも聴くことができた。
そしてこのターンのラストは「to be continued」。2018年のアルバムに収録されていた懐かしい曲だが、“生き方”を模索する普遍的なメッセージが優しいピアノにのってじんわり胸に響いてくる。今日だけのアレンジが楽しめるのもディナーショーならではで、とても良い。

2回目のMCでは、前回のディナーショーの打ち上げで行ったバーの会計が高額だったこと、6月に行われたソロツアー横浜公演のあとに広末慧が地元・関内を案内してくれたこと、いつも陸が年下の山葉を可愛がっていることなど、仲の良さが伺えるトークが繰り広げられた。
続いてのターンは、「平成が終わる日」からスタート。夕焼け色の照明の中で、ノスタルジーなメロディーが胸を打つ。挫折と葛藤、その中から見つけた希望を描く「little world」を届け、「未来世ライフ」を披露。これは亜沙の魅力のひとつでもある、爽やかなポップロック。リリックビデオには亜沙の幼少期の写真が使われていたことからもわかる通り、幼い日から続く“いまの自分”を振り返るような曲だ。このターンの楽曲たちは、現在地点を振り返りつつこれから向かう未来の姿を描いていて、それはつまり今年の締めくくりでもあるこのショーのハイライトでもあったのではないかと感じた。
そして第一部の締めくくりは、「黄昏昭和の駅前で」。亜沙の十八番、レトロでノスタルジーな人気曲だ。ファンも手拍子をしたり体を揺らしたりと、笑顔で楽しんでいる。こういった雰囲気の中で聴くと、やはり亜沙の作るメロディーラインの良さを実感。誰もが口ずさめるというのはそれだけでとても価値がある。亜沙の曲は、やはりいい曲が多い。
そんな風に、季節と時間を巡ったディナーショーもいったん一部が終了。亜沙が各テーブルを回ってファンと言葉を交わしたあと、テーブルにはショコラが運ばれ、しばしのデザートタイム。素敵な会場で美味しい食事とともに好きな楽曲を間近で聴けて、とてもいい時間だ。

「戦場のメリークリスマス」を聴きながら始まった後半戦では亜沙はベースを下ろし、ハンドマイクとピアノのみで3曲を届ける。1曲目は「運命の人」。優しい亜沙の声と歌詞が会場全体に染み渡っていくよう。歌い終えた亜沙に大きな拍手が送られ、亜沙からは2025年に始動した「骸と伽藍堂」についての感想が語られた。鈴華ゆう子、綾野ましろ、藍井エイルとフィーチャリングした本作品も、また新たなプロジェクトとしてかなりいい作品になったこと。それをテーマにしたアクセサリーも発表できたこと。充実していたことが伺えた。

2曲目の「just close to you」も、もともとアコースティックの優しい手触りの曲。許しと再生、本当に大切なものを気づかせてくれるようだ。そして「海の見える町」も披露された。重音テトとの曲でもあり、広末慧との弾き語りMVも公開されている名バラードだ。最後のバラードターンでは、これまでの人生を振り返りつつ、その中で後悔があったとしてもそれを受け入れて、周りにいてくれる大切な人々と一緒にまた新たな旅に出る──そんな物語を見せてもらった気がする。
そして改めて、亜沙から「いろんな方々の協力のおかげでEPも作らせてもらえたし、ファンのみなさんのおかげでステージに立たせてもらえた。知ってはいたけれど、再認識した一年でした。本当にありがとうございます」と御礼が伝えられた。

ライブの終わりを告げる亜沙の「宴もたけなわプリンスホテル」にファンが「朝までやろー!」と答えるお馴染みの流れがありつつ亜沙が再び広末慧と陸を呼び込む……と思いきや、山葉が奏で始めたのはバースデーソング。広末慧がオリジナルのケーキを持ってステージに現れた。ファンも合唱して、サプライズに驚く亜沙の誕生日を全員で祝った。
多幸感あふれる会場に「2026年も精力的に活動していこうと思います」と宣言し、3月14日にFCイベント<スナック亜沙>を開催することが告知された。5月2日に重音テトとコラボする<テトライブ>を行うことがすでに発表されており、その前にイベントが決定したことでファンからは悲鳴のような歓声があがる。

そしてラストは亜沙といえばの「吉原ラメント」で締めくくり。ピアノも入った豪華サウンドでこの名曲が聴けて、とても良い幕引きとなった。ファンのことを思い、ストーリー性あるライブ構成でいい曲を届け、みんなを笑顔にする──このディナーショーにも、そんな“亜沙らしさ”がたっぷりに詰め込まれていた。2026年も変わらず、そうした活動を届けてくれるのだと思う。
取材・文◎服部容子
写真◎釘野孝宏
■<亜沙ファンクラブ遊郭限定イベント ~スナック亜沙~>
2026年3月14日(土)
会場:Live House DEPARTURE 川越
https://live-departure.com/
【亜沙FC遊郭第一次受付】
受付期間:12月28日(日)12:00~1月13日(火)23:59
受付URL:https://bassasa.com/contents/1029240
【亜沙FC遊郭第二次受付】※予定枚数に達し次第、販売終了
受付期間:2026年1月24日(土)12:00~先着受付
受付方法:先着
申込枚数:最大2枚までとなります
■EP「骸と伽藍堂-壱-」
2025年12月20日(土)発売
配信リンク:https://pcim.lnk.to/MukurotoGarandouichi

収録楽曲
M1:骸に歌えば feat.鈴華ゆう子
M2:八十年の孤独 feat.藍井エイル
M3:普通の人 feat.綾野ましろ
M4:Androgynous-両性具有- ※CD only
M5:金魚掬いと夢花火 feat.鈴華ゆう子
全5曲
価格:2,700円(税込)
販売場所
・亜沙HPからのオンライン販売(EMPオフィシャルショップbooth)
※購入URL:https://exittunes.booth.pm/
(オリジナル特典:「八十年の孤独」MVイラストステッカー)
・全国のアニメイト及びアニメイトオンラインショップ
※購入URL:https://www.animate-onlineshop.jp/pn/pd/3304738/
(オリジナル特典:「普通の人」MVイラストステッカー)
※商品詳細はこちらよりご確認ください
https://bassasa.com/contents/1003623
■リリースイベント<骸と伽藍堂 御礼参り>
詳細ページ:https://bassasa.com/contents/1004093
・骸と伽藍堂 御礼参り in 名古屋
日程:2026年1月9日(金)
時間: 17:30/18:00
対象店舗:アニメイト名古屋店(イベント会場:第3太閤ビル)
※住所
〒453-0015 愛知県名古屋市中村区椿町21-2
・骸と伽藍堂 御礼参り in 大阪
日程:2026年1月10日(土)
対象店舗:アニメイト大阪日本橋店(イベント会場:アニメイト大阪日本橋5階)
※住所
大阪府大阪市浪速区日本橋西1丁目1−3 アニメイトビル
※イベント内容や参加方法に関しては、アニメイト公式HPよりご確認ください
https://www.animate-onlineshop.jp/contents/fair_event/detail.php?id=114302