【インタビュー】NAMBA69のko-heyとROACHのTaama率いるFIRE ON FIRE、メジャーデビューEPにさらなる飛躍「必ず変わる、いや変えられる」

2025.11.06 19:00

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■“この始まりに立つ”という思いがある
■全体的に飛び出していくようなイメージ

──曲が難しいというのはSOさんも同じですよね?

SO:“こんなの弾けるの!?”ってマジ全曲で思うんですよ、最初は。だから、弾けるようになっていくと、“イケてるかも”って勘違いしちゃいます(笑)。でも、それが自信になるんですよ。1曲弾けるようになると、“同じように弾けないと思ってた曲も弾けるようになるだろ”って思いながら挑んで、乗り越えてますね、毎回全曲。

ko-hey:それを言ったら、Taamaも同じように苦戦してますからね。

Taama:元々のキーの限界から2段階ぐらい上まで行っちゃってるんで。今回もちょっと、ワオッ!て感じでした。もう「STAY」なんて大変ですよ。

ko-hey:それもそうだし、英語が喋れるけど別にラップをやってきたわけじゃないから、“ごめんね”って内心で思いながら、「リズム鍛えてもらっていい?」って言っちゃいますしね。

Taama:ko-heyが求めてることがちょっと理解できない瞬間もこれまで何度もあったので、“どう表現してほしいんだろう?”っていうのをレコーディングの時に詰めていくんです。だけど、ko-heyからのリクエストが“誰々のように”ってレベルじゃないんですよ。だから、ずっと試行錯誤しながらやってる感じで。

──でも、いいですね。って他人事だから言っちゃいますけど、それなりにキャリアのある人たちがそのキャリアの上にあぐらをかかずに自分の限界を超えることに挑戦しているのは、ミュージシャンとしても、バンドとしてもすごく健全じゃないですか?

ko-hey:そうですね。SOもよく言ってますけど、FIRE ON FIREの曲って、さらっと聴いたら、そんなに難しそうじゃないけど、かなり難しいんですよ。

──いやいや、さらっと聴いても難しいと思います。

ko-hey:「STAY」なんて、何回転調してるかわからないですからね。メロディーパートはBメロとサビしかないのに、そこでも転調してるという。

──その一方では、エモい「AIN’T NO HERO」のような曲もあって。

Taama:めっちゃいいですよね。ただ、これもめちゃくちゃムズい。でも今回、これまでに比べて、わりとすんなりレコーディングはできたんですよ。前の3枚は考え過ぎてたのかもしれないし、今回わかってきたと思ってはいます。でもたぶん、次の作品でまた崩れるんだろうなとは思いますけどね。3作周期ぐらいで、わからないやつがくるんですよね。

──歌詞には1曲1曲、その曲ならではの物語や感情があると思うんですけど、どの曲にも新たに始めたバンドとともに前に進んでいこうという熱い思いが滲んでいるように感じました。歌詞を書く上で、Taamaさんはどんなことを意識しているんですか?

Taama:その時に思ってることに重きを置こうと思ってます。最初に“こういうふうに5曲に分けたらいいかな”と考えても、結局、すべて崩れちゃうんですよ。だからもう、その時に出てきた音を聴いて、その瞬間に湧いてきた感情に合わせて、思ってることやバンドとして伝えたいこととか、頭じゃなくて体感的にとらえて書くようにはしてます。今回は、“この始まりに立つんだ”という思いが元々あったんで、全体的に飛び出していくようなイメージはありましたね。

──作詞はTaamaさんに任せているんですか?

ko-hey:基本そうですね。漠然としたイメージを伝えることはありますけど、歌詞については音符の数と語感のハマり方だけ、気になるところがあったら言うぐらいです。

──今回、「島唄」のメロディックハードコア・アレンジのカバーもやっていますが。

ko-hey:これ、最高じゃないですか?

──最高だと思います。

ko-hey:あのバッキングで、よく歌の音程を取れるなって思います。

Taama:これもヤバいです。

──2番のAメロ裏のトリッキーなギターのフレージングがすごいことになっていますね。

ko-hey:何やってんですかね(笑)。SOに1音1音教えましたもん、あそこはユニゾンなんで。

──あ、なるほど。

SO:めちゃめちゃ難しかったです。

Taama:俺はフル無視で歌ってます。じゃないと持っていかれちゃうんで。

──それにしても、なぜカバーしようということになったんですか?

Taama:カバーを必ず1曲やらないといけないイベントが去年末にあったんですよ。その時、「「島唄」でいいんじゃないか?」って話になって。で、やってみたらすごく評判が良くて。年明けにスタジオライブをやった時にもう一回やってみたら、みんなめちゃくちゃ喜んでくれて。お客さんがそんなに喜んでくれるなら入れようぜ!ってノリでしたね。

ko-hey:世の中にあるカバー曲って、カバーって言いながらほとんどがコピーだなぁと個人的には思っちゃってて。だから、メロディ以外すべて本気でカバーしました。あとはやっぱりTaamaとSOが沖縄出身っていうのもでかくて。Taamaがカラオケで歌う「島唄」がめちゃくちゃいいんですよ。

Taama:「歌って!歌って!」と言われるんで、もう1000回ぐらい歌ってます。

ko-hey:2000年代前半に青春パンクの方々が、いろいろな歌謡曲をパンクアレンジでカバーしてたじゃないですか。そういうのがリバイバルしてもいいんじゃないか?っていうのは元々思ってたんですよ。最近、04 Limited SazabysがJUDY AND MARYの「mottö」をカバーしてますけど、カバーをやっているバンドがそもそもいない。パンクバンドって、それぐらいの遊び心を持ってたはずなんですよね。

──そんな「島唄」のカバーも含むEPをリリースして、12月14日の東京・渋谷THE GAMEワンマンを含む東名阪ツアー<MAJOR 1st EP “SPARK” RELEASE PARTY>を開催します。お客さんはどんなライブを期待していったらいいですか?

Taama:前から後ろまで、めちゃくちゃ自由に楽しんでほしいですね。全員が好き放題に楽しんで、みんなそれぞれ違っても、それがそのまま一個になると思ってるんですよ。それってカオスじゃないですか。あの景色が俺は一番好きだし、FIRE ON FIREが目指してるのも、それ。そういうのが好きなお客さんが集まってきてるとも思ってるので、とにかく自由で、とにかくカオスで熱いっていうのが理想ですね。口角上がってるのに泣いてたりとか、バラードだけど飛んできたりとか、無茶苦茶なんだけど、愛と思いやりがあって、もちろん熱もあってというふうになったらいいなと思いますね。

RYO:記憶が飛ぶぐらいの熱量というか。特にワンマンは、俺らしかいない空間でしか到達できない高揚感というか。それこそFIRE ON FIREだと思うんです。後ろで静かに見てた人もめちゃめちゃ圧倒されて、何が起こったか覚えてないくらいの高揚感にみんなで持っていけたらいいなと思います。

ko-hey:来てくれるお客さんには、ふたりが話してくれたように、とにかく楽しんでほしい。それに加えて、俺たちは未来を見据えないといけないんですよ。だから、通過点っていう言い方をしたら、ドライに聞こえるかもしれないけど、まだまだ道の途中、決して終着点ではないので。しっかりとぶちかまして、“こんなヤバいライブするんだったら、 もっとでけぇところでライブを見たい”って思ってもらえるようなライブにしなきゃいけないと思ってます。

──「未来を見据えないといけない」という言葉が出ましたが、東京公演<1st ONEMAN SHOW>を経て、どんなふうにしていこうと考えているのか、最後に聞かせてください。

ko-hey:決まっているものもあるし、これから詰めていくものもあるんですけど、VAPというメジャーレコード会社と握手したことによって、このインタビューも含めて、これまでよりも多くの人に見てもらう機会を作ることができた。確実に、今回のリリースと東名阪ツアーがきっかけになると思ってるんです。だから、話題が途切れないうちに次の点を作ろうと考えてます。その後はどうだろうな。意図的に、ちょっと余白を残しているところもあるんですよ。最近みんな、イベントを打つのが早すぎるじゃないですか。オファーをもらっても、1年後のスケジュールだったりするし、そういう状況を踏まえて、余白を残してるところもあるんです。たとえばVAPが本気を出して、大型フェス出演を決めまくるかもしれないしね(笑)。それはさておきですけど、必ず変わる、いや、変えられると思っているので、期待していただければと思ってます。

取材・文◎山口智男
撮影◎野村雄治

 

■メジャー1st EP『SPARK』
2025年11月5日(水)発売
VPCC-87293 ¥1,980(税込)
1. MIND ON FIRE
2. LET IT FLOW ※TV番組『深夜のダイアン』11月度エンディングテーマ
3. STAY
4. AIN’T NO HERO
5. CAGE
6. 島唄 -SHIMAUTA- ※カバー
All Songs Written by ko-hey
All Lylics Writtne by Taama
All Songs Produced &Arranged by ko-hey, FIRE ON FIRE
※except M6
●封入特典
・FIRE ON FIREオリジナルラミネートパス ※初回生産分のみ
●購入者特典
・TOWER RECORDS:オリジナルピック
・Amazon.co.jp:メガジャケ

 

■<RELEASE PARTY FIRE ON FIRE pre. “ON FIRE” -MAJOR 1st EP “SPARK” RELEASE PARTY->
12月06日(土) 名古屋・栄 R.A.D
12月07日(日) 大阪・心斎橋 PANGEA
12月14日(日) 東京・渋谷 THE GAME ※ワンマン

 

関連リンク
◆FIRE ON FIRE オフィシャルX
◆FIRE ON FIRE オフィシャルInstagram
◆FIRE ON FIRE オフィシャルYouTubeチャンネル

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