【ライブレポート】DEZERT、<Sacchan Birthday Halloween Live 〜さっちゃんの仮装大賞2025〜>開催。ハロウィン公演史上最もカオスで濃密な一夜

2025.10.31 19:00

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DEZERTが、Sacchan(B)のバースデー当日である10月28日に、東京・Zepp Shinjuku (TOKYO)にて<Sacchan Birthday Halloween Live 〜さっちゃんの仮装大賞2025〜>を開催した。

◆DEZERT 画像

2025年6月からスタートした全国ツアー<DEZERT 47 AREA ONEMAN TOUR ’25-’26 “あなたに会いに行くツアー”>で47都道府県を巡り、各地でソールドアウトを連発しているDEZERT。さらに2026年3月には、2025年に立った日本武道館に続き、2度目のアリーナ公演となる幕張メッセ・イベントホールでのグランドファイナルも控えている。そんな彼らが、ツアーの3分の2を走り終えたタイミングで迎えたのが、このハロウィン&バースデーライヴ。大きな目標へ向けて走り続ける彼らにとって、この日は束の間のインターバルのような時間だ。カオスで熱いパーティーの模様を、オフィシャルレポートとしてお届けする。

事前告知されていたドレスコードは、もちろん”仮装“。平日にもかかわらず多くの人が集結したフロアには、メイド服、セーラー服、シスターなど、思い思いの仮装を楽しむファンの姿があった。ステージで準備をするスタッフもきっちり仮装しており、開演前から非日常のワクワク感が漂う。しかし、オーディエンスが最も期待しているのは、やはり仮装したメンバーの姿。過去に何度かハロウィンライヴを開催してきた彼らだが、2025年が最もカオスだったといっても過言ではない。彼らが自ら名付けた仮装タイトルと共に紹介しよう。

最初に登場したSORA(Dr)は、“ちょっとマッチョな月野うさぎ”。厚い胸板と筋肉質な手足で、ミニスカートのセーラー服はパツパツだ。Miyako(G)は、“かわいいメイドさん”。モスグリーンのロングメイド服に、黒髪ロングのウィッグを被って現れ、その可憐さにフロアからは悲鳴のような歓声が上がる。千秋(Vo, G)は、“俺たちのJK”。彼の定番スタイルでもあるセーラー服にサラサラストレートのハーフツインテールでフロントに立ち、会場を沸かせる。そして、本日の主役であるSacchanは、なんと“スターバックス(以下、スタバ)の袋の人”。見慣れた紙袋の被り物(特注)から顔を覗かせ、緑色のエプロンをつけた姿は、まるで特大の紙袋を被ったスタバ店員のよう。千秋が事前にSNSで「全員女性の恰好」とヒントを出していたものの、誰も想像していなかった斜め上の仮装に、フロアは大爆笑に包まれた。

カオスな4人の姿に、オーディエンスはすでにテンションMAX状態。そこに投下された1曲目は「「変身」」。普段とは違う自分に変身した者たちが集結した、この夜にぴったりだ。さらに「「君の子宮を触る」」「ミスターショットガンガール」と、オープニングから怒涛の勢いでハードなナンバーを連発。初っ端からヘッドバンギングの嵐が巻き起こるフロアを前に、メンバーはお互いの格好を見て笑いあう。ステージの上も下も、この状況を心から楽しんでいるようだ。

さらにフロアを歓喜させたのは、この日の濃密なセットリスト。開催中のツアーでは、最新ミニアルバム『yourself: ATTITUDE』の楽曲を中心に、彼らが今伝えたい曲をまっすぐに届けている印象だが、本公演では聴かせる曲から暴れさせる曲まで幅広く、レア曲も組み込まれたセットリストが展開された。初期からの人気曲「infection」のイントロが流れると悲鳴のような歓声が飛び交い、衣装や髪が乱れるのも構わず全力で頭を振るオーディエンス。その後も、ダウナーな雰囲気漂う「浴室と矛盾とハンマー」、切なくも美しいメロディが印象的な「白痴」など、演奏頻度の低い名曲を連発。MCでは千秋が「リハーサルしてないから実力が試される」と赤裸々に告白する場面もあったが、エモーショナルなボーカルと貫禄に満ちた演奏で、オーディエンスを着実に引き込んでいた。

イントロのベースソロでSacchanが虹色のスポットライトを浴びた「肋骨少女」、「あえて言うけど俺はハロウィンなんて大嫌いなんや!」という千秋の天邪鬼な言葉と共に始まった「感染少女」。ここで完全に熱が上がったフロアは、SORAの叩くリズムに合わせて拳を突き上げながら、左右に分かれて道を作っていく。すると「久しぶりにぶつかり合おうか、東京!」と叫んだ千秋がフロアに乱入。「血糊つくから本当に触んないでね!」と念を押しつつ、中央の柵に乗り、オーディエンスとゼロ距離に。SORAの「ムーンプリズムパワー、メイクアップ!」(美少女戦士セーラームーンに変身する際の呪文)という雄叫びを合図に勢いよくウォールオブデス。ライヴのボルテージは最高潮まで高まっていった。

熱気漂う中、さらに放たれたのはDEZERT屈指の暴れ曲「「秘密」」。攻撃的なサウンドを繰り出しながら、ダメ押しと言わんばかりに煽り倒すメンバー。曲中に全員が座るパートで、「“今この一瞬、私が一番暴れられます”っていう人、どれくらい居ますか!」と千秋が問いかけると、フロアのほぼ全員が声を上げ、拳を力強く掲げる。すでにライヴは終盤だが、フロアの勢いは全く衰えず、回転ヘドバンで嵐を巻き起こす。千秋に紙袋を押さえつけられて邪魔されながらも、Sacchanも被り物をしたまま一生懸命頭を振り、格好に似合わぬアグレッシブなパフォーマンスで盛り上げた。

「楽しかったです。明日から、最低な日も最高な日もあると思いますが、あのハロウィンのライヴはああだったな、Sacchanがスタバの袋だったなって、思い出してもらえれば本望です」と千秋のストレートな言葉を残し、本編ラストは「神経と重力」。最後まで変化球のセットリストだったが、生々しいバンドのサウンドと咆哮でオーディエンスを圧倒。服装もメイクもどうでもよくなってしまうほど迫力のある音を放ち、強烈な余韻を残しながら4人はステージを去った。

アンコールでは、Miyakoが「リハーサルを見てたスタッフさんに、『Miyakoさん、歩き方が男です』って注意された」と話したり、千秋が「スタッフが可愛いですよって俺の心を治めてくれたけど、痛いか痛くないかなんだよ!」と錯乱したりと、仮装に関する話題で持ちきり。そんな中、千秋が突如「トイレ!」とステージ袖に消えたかと思えば、ケーキを持ったスタッフを連れてくるというサプライズで再登場。ホールケーキに噛り付くSacchanに、フロアからも「おめでとう~!」の声と盛大な拍手が送られ、あたたかい祝福ムードに包まれた。

ここでSacchanがピアノ演奏、千秋がボーカルというデュオスタイルで「「遭難」」を演奏することに。これは事前に配られたセットリストにも記載がなかったため、完全なアドリブだった模様。しかも、紙袋を被ったままピアノを弾くSacchanを見た千秋が、「(この状況)面白すぎるから撮っていいで」と、急遽撮影OKとした。おそらく軽く演奏するつもりだったのだろうが、切ない歌声と柔らかなピアノの音は、即興とは思えないほどの完成度。DEZERTらしい美しいメロディで、オーディエンスを魅了した。続いて、「この曲を歌いたかった」と千秋が紹介したのは、タイトルが告げられた瞬間に歓声が上がった「あの風の向こうへ」。静かな絶望と希望の欠片をたっぷりと歌い上げ、曲の最後に千秋は「これからもよろしく!」と素直な気持ちを伝えた。

「ちょいと暴れて帰りまっか?」という千秋の言葉を合図に、ラストスパートへ向けてボルテージは一気に急上昇。オーディエンスが一斉に前方へ押し寄せる逆ダイが次々と発生した「ケミカル・ドリップ・チェリーパイ」から、疾走感あふれるイントロでテンションをぶち上げる「半透明を食べる。」、ヘヴィなサウンドで軽やかにノらせる「再教育」と火力の高いナンバーを次々と叩き込んでいく。ラストは「俺ももうこれ(ウィッグ)どうでもいいから暴れて帰ります!」と千秋が言い放ち、またまたセットリストにはなかった「doze.」を超高速で演奏。メンバーのタガが外れたライヴは、もはや制御不能状態に。カオスなまま最後まで駆け抜け、完全燃焼。広い会場に熱気が漂う中、DEZERT流のハロウィン&バースデーはお開きとなった。

イベントをフックにしつつも、濃密なセットリストでDEZERTのライヴの真価を示した夜。本公演での特別な思い出と充実感を胸に残し、4人は再び全国ツアーへと戻っていく。DEZERTの47都道府県ツアーは、11月22日の奈良NEVERLAND公演より、ついに最終フェーズへ突入。そして2026年3月20日に待っているのは、幕張メッセ イベントホールでの<DEZERT 47 AREA ONEMAN TOUR GRAND FINAL 「僕らの音楽について」>。着実に成長を遂げた彼らが届ける音楽への期待と信頼は、高まるばかりだ。

文◎南 明歩
写真◎Megumi Iritani

◾️<Sacchan Birthday Halloween Live 〜さっちゃんの仮装大賞2025〜>
2025年10月28日(火)Zepp Shinjuku(TOKYO)
SETLIST

1.「変身」
2.「君の子宮を触る」
3.ミスターショットガンガール
4.御法度
5.infection
6.浴室と矛盾とハンマー
7.アダム・ペインを探して
8.蝶々
9.白痴
10.包丁の正しい使い方~実行編~
11.肋骨少女
12.感染少女
13.「変態」
14.「秘密」
15.神経と重力
EN1.「遭難」
EN2. あの風の向こうへ
EN3. ケミカル・ドリップ・チェリーパイ
EN4. 半透明を食べる。
EN5. 再教育
EN6. doze.

■リリース情報

▼デジタルシングル「火花」
2025年10月29日(水)配信開始
配信は:https://lnk.to/pre_hibana

▼メジャー1st両A面シングル 「火花」/「無修正。」
■2025年12月24日(水)発売
※商品詳細は後日発表

■<DEZERT 47 AREA ONEMAN TOUR ’25-’26 “あなたに会いに行くツアー”>

2025年6月14日(土)千葉LOOKを皮切りに全国47箇所49公演を開催中!
特設サイト:https://special.dezert.jp/47tour2025-2026/

■<DEZERT 47 AREA ONEMAN TOUR GRAND FINAL 「僕らの音楽について」>

2026年3月20日(金・祝)千葉・幕張メッセ イベントホール
OPEN 16:00 / START 17:00
(問) DISK GARAGE:https://info.diskgarage.com/

▼チケット料金
・全席指定 7,000円(税込)
・ファミリー席 ※スタンド席 ※3歳以上~15歳以下のお子様が割引対象:大人7,000円(税込)/子供5,000円(税込)
・海外用チケット 7,000円(税込)※クレジットカード決済での受付のみで、チケットは当日会場にて引換

▼ひまわり会最速受付
・受付券種:全席指定/ファミリー席
・受付期間:2025年10月26日(日)20:00〜11月10日(月)23:00
受付:https://www.dezert.jp/feature/makuhari

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