【密着レポ】East Of Eden、凛とした愛を奏でる「Our Fate」で見せたしなやかな青の世界

10月某日、関東某所にてEast Of Edenの新曲「Our Fate」のミュージック・ビデオの撮影が行なわれた。
2025年10月3日にデジタルリリースされた「Our Fate」は、10月2日(木)から放送開始となったBS-TBSの新作ドラマ「御社の乱れ正します!2」の主題歌として生を受けた楽曲だ。同ドラマのシーズン1では、善悪を問う力強さとクールさを前面に押し出したEast Of Edenらしさ全開の楽曲「Judgement Syndrome」が主題歌を担っていたが、シーズン2では強さの向こうに隠れている切なさや繊細さ、ドラマ主人公の三枝玲の母性や愛情の深さが描かれ、「Our Fate」はヘヴィで重厚感あふれるサウンドを核としながらも、女性のしなやかさとその世界観にシンクロするような深みあるラブソングとなって世に放たれた。
最新曲「Our Fate」のジャケット写真には、のどかな自然広がる風景に青く澄み渡る広い空が夕焼けに染まっていくマジックアワーに差し掛かる様子が映し出されており、そこにEOEロゴが乗るというクールさと爽やかさによって、これまでのEast Of Edenとは一味違った凛とした女性らしさが表現されている。
そしてそんなアートワークのイメージを体現するかのように、East Of Edenの5人はブルー基調の衣装に身を包んで、ミュージック・ビデオ撮影に臨んでいた。力強い女性像を牽引してきたEast Of Edenの衣装は、これまで黒、白、赤といった強めの色彩やモノトーンな落ち着きを持ったものが多かっただけに、さわやかなブルーの世界観は、彼女たちに新鮮さと心地よい高揚感を与えることとなったようだ。
「今回の楽曲はすごく爽やかで、ジャケット写真も空が映えていて、衣装にも青とシルバーが入っているんです。今までのEast Of Edenの衣装にはなかった色合いで、フレッシュさも出せたと思います。マネージャーさんから「今回衣装どんな感じがいい?」って聞かれて、色について少し意見を伝えたんですよ」──Ayasa

ブルーという色彩の爽やかさや、強さの中に感じさせるしなやかさは、楽曲「Our Fate」が持つ大きな特徴だ。作品の印象について「多くの関係者から、爽やかな曲という声を耳にした」と語る湊あかねは、「私たちの楽曲は結構激しめでハードな曲が多いんですけど、今回はそれと比べて爽やかに感じます。疾走感があって、いい曲だねって言われることも多いんです」と、またひとつEast Of Edenに彩られた新たな表情に喜びを表した。
そんな「Our Fate」だからこそ、その心境は音楽表現に直接作用し、サウンドやプレイ、歌い方やアンサンブルにも直接影響を与えることになる。音色やフレーズ、そのアレンジにもこれまでにない発想や新鮮な取り組みが織り込まれているようだ。

ギターサウンドを担うYukiは、「East Of Edenでは、強く芯のある女性像を描く激しめの曲が多かったんです。今回の曲は爽やかさを意識した曲になっているので、ギターソロもそれに寄せて考えました。コード感が爽やかに進むので、それに寄り添いながらスウィープやタッピングのスライドで始め、細かく速いフレーズで風が駆け抜けるようなスピード感を意識しています」と説明する。ソロ後半では16部音符の速いパッセージとタッピングから、まるで風が吹き抜けるように指板を駆けるグリッサンドも、「Our Fate」の爽やかさを印象付ける華のある好プレイだ。

一方で、MINAは「“爽やかさ”、“青”という象徴的なキーワードがある中でも、すごい切なさを受ける曲」と語り、「誰かの心に寄り添うような楽曲になるんじゃないかな」と捉えていたことを明かした。レコーディングでは何の制約もなく自由にアプローチしたことで、象徴的なスラップや駆け上がるフレーズなど多彩なベースプレイを聴くことができる。イントロや歌の途切れた部分にスラップやプル音を入れることで、曲全体にアクセントを付け、「どんどん盛り上げるためのフレーズ」としてプレイされた後半ラストのメロディックな上昇フレーズは、楽曲にドラマティックさを感じさせるひとつのハイライトとなった。

リズム隊の屋台骨としてEast Of Edenを支えるMIZUKIにとっても、新鮮なタイプの曲だったようだ。「テンポも速すぎず遅すぎずで、動ける間がある。スティック回しとかタムのコンビネーションも入れやすくて、自分らしいプレイができる曲なんです。ただ、East Of Edenの中では珍しく爽やかな曲でメタルっぽいフレーズとかツーバスでドコドコいくような箇所がない。ギターもザクザク刻まない(笑)。歌メロもキャッチーで歌詞も爽やか。全体的に軽やかなんです」。その印象に合わせてサウンドや衣装にも変化をつけ「サウンドも重すぎず、金物をちょっと細かく入れたりして鮮やかさを出しました。衣装も青なので観え方も新鮮だと思います」と笑顔が弾けた。

そしてAyasaのバイオリン・プレイがさらなる爽やかさと疾走感を加速させているのだけれど、その結果、「Our Fate」でのバイオリン・プレイは非常に高難度なものになってしまったらしい。「今までのEast Of Edenの楽曲がパワーで押す曲が多い中で、この曲は強さだけじゃない凛とした清々しさがあります。バイオリンもハイポジションを多用しているんですけど、ライブでは自分の音を聴き取りにくいのでピッチを保つのがすごく大変なんですよ(笑)。イントロやサビ、アウトロのソロもすべてハイポジションだから」とAyasaは笑う。
「今回は愛がテーマで、ただ可愛らしいだけではない凛とした強さも持ったラブソングになっています。歌詞にも自分が守っていくという気持ちが込められていて、East Of Edenらしさが表現できたと思います」とコメント、アウトロでは2本のバイオリン・メロがまるでふたりの人物を描くかのように絡み合い重なり合っていく様子を描いた。「ただのハモリではなく、一緒に歌うような感覚。ライブでも下のパートを維持しながら上のパートを弾くので、楽曲の厚みやエモーショナルな表現が出せます」とライブでの取り組みも語ってくれた。

East Of Edenが打ち出してきたダークな曲調と異なる「Our Fate」の明るさは、ライブでの華やかさや軽やかさを引き出すことにもなる。湊あかねは「明るい曲だから、メンバー同士でアイコンタクトを取りながら演奏できるところも楽しい曲」と語っているが、配信されたときは爽やかな曲と思われていた「Our Fate」がステージで披露されるたびに、「ライブで化ける」とオーディエンスからの評価に変化が表れた点も指摘していた。「お客さんが楽しそうにしている様子を見るのが一番嬉しい」と、ファンとの一体感が演奏の喜びにつながっているようだ。
とはいえ、実のところ「Our Fate」のキーは高く、レコーディングでも歌いこなすのはなかなかの高難度だったようで、「声が保つか、内心ちょっとバクバクしながらやっていた」という。「その瞳も声音も すべてを私に守らせて」と熱い決意を歌う歌詞の世界は、その世界観を思い浮かべ、その中に自らの身をおいて自分の表現を追い込んでいくのが湊あかねの流儀だ。「歌い出す前に、風景や色彩、人の姿を思い浮かべるんです。歌詞の背景を絵として捉えて、自分なりに咀嚼して歌う感じ」と明かし、「今回はラブソングです。巡り合った奇跡や前に進む気持ちを歌っています。強い女性像が描かれていて、弱さはないですね」と語った。ドラマ主題歌として練り込まれた作品の世界観は、蓋を開けばEast Of Edenそのものを描いているかのようだ。

新たな世界観を持つ「Our Fate」を手にしたEast Of Edenは、ステージでのパフォーマンスを通して、新しい表現の可能性を見出したと湊あかねは語った。
「まだ見せていない部分もあるので、もっと楽しませられると思いました。ライブや今後の新曲も楽しみにしていてください。私たちも楽しみながら届けます」──湊あかね
「今の5人でこれからもいろんな楽曲を作っていきたいし、どんどん良いライブを更新していきたいと思いますので今後ともよろしくお願いします」──MIZUKI
「これからもライブや作品で可能性を広げながら、バンドサウンドにしっかり寄り添った表現を追求していきたいです」──Ayasa
「新しいギターができ上がったので、ギターの持ち替えを極力減らすことで、これまでできなかった曲順や演出ができるようになればいいなと思っています」──Yuki
「いろんな活動を通して、若いベーシストが「可愛い」「やってみたい」と思ってもらえるような存在になりたいです」──MINA

撮影◎YOSHIHITO KOBA
取材・文◎烏丸哲也(BARKS)
◾️「Our Fate」

2025年10月3日(金)配信
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