【インタビュー】deadman、25周年YEARファイナルを前に語るホール公演の意図と名古屋系「たかだか音楽だし、たかだか人生。瞬間瞬間で面白いことを」

■みんなと同じことはしたくない
■そういう意味ではとてもV系なのかも
──deadmanが結成された名古屋では、先ほどから名前が挙がっているバンドもそうですが、1990年台から2000年にかけて、“名古屋系”と言われるバンドがV系シーンを賑わせました。deadmanも名古屋系の系譜はあると思っていいですか?
aie:ちょうど昨日、kazu(B)くんともその話をしたんですよ。たとえば、deadmanとか我々のファンのお客さんは、我々の前はどんなバンドが好きだったんだろう?っていうもので。「GLAYからdeadmanには来ないと思う…」というところで出たのが、「黒夢、Merry Go Round、Laputaから来たんじゃないか」という説で。やっぱり名古屋系なんだなっていう。
──バンドの音楽性と地域性って密接なんでしょうか。たとえば、福岡にはめんたいロックがありますよね。
aie:我々には名古屋の血が流れてるなとは思うんですよね。そういうところを狙って音楽を作ってないけど、やっぱりどこか赤味噌臭いというか、名古屋の音楽の作り方が脈々と受け継がれているとは思うんです。黒夢にもMerry Go RoundにもLaputaにも、どうやって音楽を作っているかについては聞いたことがないけど、同じ感じなんじゃないかなっていう。
──ずばり“名古屋系”とは?
aie:明確に東京や大阪とは違うんですよ。曲を作っていて、シンコペーションを入れる場所とか、「あ、これは名古屋にないな」「それは東京ですよ」とかっていうやり取りがあるくらいだから、名古屋らしさって音楽的にもあるんですよね。
眞呼:ただ、deadmanを始めた当初は名古屋系だったけど、そこから「KOЯNを入れてみたい」とか「マリリン・マンソンのあの感じがいい」とかやりながら、僕らはそれを壊しちゃったというかね。
aie:結成前にkeinをやってて、そこからdeadmanになった流れもあるから。今思えばですけど、ビジュアルシーンのそれっぽいと言われてる音楽にアレルギーがあったかもしれないですね。“そっちのほうがお客さんにわかりやすいだろう”とは思ってたけど、“やっぱやりたくないっすね”っていう。で、deadmanの1stアルバム『SiteOfScafFold』(2001年11月発表)をリリースしたときに、ドーンと数字が減りましたからね(笑)。
眞呼:あれはちょっとやりすぎましたね(笑)。全部が全部、方向性が違う感じもあったし。
aie:まとまってないと思われちゃったかもしれないですね。そこから2002年までにバンドがひとつに固まったという感じでしたので。“別にサビがなくてもいいんじゃねぇ?”という作り方をしたのが、2002年くらいでしたね。
眞呼:だから、一応名古屋とかシーンのことも意識はしているんですけど、違うことをしたいなというのはありますよね。みんなと同じことはしたくない。ビジュアル系ってもともとはそうだったらしいじゃないですか、“みんながやってないことをやる”っていう。そういう意味では、とてもビジュアル系なのかもしれないですね。
aie:姿勢としては、俺らが一番正しいんじゃないかっていう。

──では改めて、ファイナル公演への思いや意気込みを聞かせてください。
aie:昔から関わってくれるスタッフチームから「deadmanをホールで観てみたい」とよく言われていたんですよね。「曲の雰囲気も含めて、合うんじゃないか」って。僕ら自身が気づいていなかったところでもあるんですけど。だから、変な作り込みはしないけれど、まだどうなるのかは自分らでもわからない感じはありますね。1曲目が始まった瞬間に何かが決まるのか。お客さんからしたら、「全然いつもと違うじゃん!」ってなる可能性もある。初めての友だちを連れてきたお客さんが、終わった後に「いや、本当はこんなバンドじゃないんだけどさ…」っていう可能性もあるけど(笑)。俺らもやってみないとわからないし。だからチャレンジというか、自分たちが楽しみにしていますね。
──実験でもある。
aie:さっきの「30分の持ち時間を全曲バラード」とか「全曲メドレー」じゃないですけど、ホールをやること自体が実験かもしれないですね。やってみて、“ああ、こうだったんだな”って感じることがあるのかもしれない。
──なるほど。“to be and not to be”という言葉にはどんな意味が。
aie:あまり当たり前にいつまでもいると思うなよっていうか。いるけど、先のことはわからないじゃないですか。だから会えるうちにっていう。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎マツモト “ダンプ” ユウ(LIVE)

■<deadman 25th anniversary TOUR 2025「to be and not to be final -被覆する造形は人、腫れる風船の奇病-」>
12月21日(日) 東京・大手町三井ホール
open17:00 / start17:30
▼チケット
前売8,000円(税込)
※入場時ドリンク代別途必要
※全席指定
※CD付(公演当日配布)
一般発売日:11月1日(土)10:00〜
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