【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2025>四星球「いろんなバンドが嫉妬してくれてます」

リハの段階から完全なるエンターテイメントを展開してくれたのが四星球だ。
より楽しむ準備を、と北島康雄(Vo)が語りかけながらまさやん(G)とU太(B)が競輪で競い合あったり、モリス(Dr)も<山人音楽祭>ならではの扮装で登場し、本編が始まる前から完全なる四星球だからこその世界観。
当然、1曲目となったライブの小道具制作を担当するまさゆきを称える「鋼鉄の段ボーラーまさゆき」から会場は最高潮。ちょっとズルいぐらいだ。
ジャジーなムード漂わせ、G-FREAK FACTORYの可愛らしいところを発表した「なんでもかんでもランキング」、そのエピソードからつなげるようなんでもかんでもランキングから茂木と原田を招いて「恋するフォーチュンクッキー」を披露したり、もう楽しさとハッピーが止まらない。
そこからスイッチを切り替え<山人音楽祭>10周年を祝いつつ、「これからの10年が楽しみです。続けてもらわないと困ります。10年後、あの子どもたちがここにきますからね!」と北島が叫んだ「クラーク博士と僕」の沁み渡り方も本当に素晴らしかった、というか、ちょっとズルいぐらい秀逸。
まだライブで4回目、フェスでは初披露という新曲「あんぽんたん」で本心に従うことを歌い、巨大な下仁田ネギと観客と共に北島がフロアを駆け巡ったりしながらライブを進め、ラストに「これまではリハ」と言い切り、改めて<山人音楽祭>のジングルを流しての「ちょんまげマン」というセレクトするという冴え渡るセンス。尋常じゃない愛を持って、笑いで包み込み、これ以上ないほどのピースフルで胸に刻まれる時間を作り上げてくれた。
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──相変わらず、リハの段階から盛り上げまくっててズルいです(笑)。
一同:ハハハハ(笑)。
U太(B):まあ、おかしいっすよね(笑)。
──もはや<山人音楽祭>のレギュラーと言っていい存在だと思います。
北島(Vo):ありがたいっす。でも、毎回「呼んでもらえるのかな?」っていう不安はありますけど。
──あぁ、そうなんですね。いきなり呼ばれなかったら不安になりそうですよね。
まさやん(G):もう飽きられたか、ですよね(笑)。8月もG-FREAK FACTORYと一緒にツアーをまわってるんで、呼ばれなくても仕方ないなとは全然思ってましたけど。でも、毎年呼んでいただいて、大きいステージをやらせてもらえるのもありがたいし。僕ら四国在住でやっているので、そういうところの気持ちや意気込みを認めてくれてるのかな、と思ったりもしてますね。
──先ほどのライブのMCで、上手いこと言いたいわけじゃないと前置きして、“戦争(war)に愛(ai)を加えたら笑い(warai)”になる、っていう話をされていたのが印象的でした。
北島:やっぱり、G-FREAK FACTORYに感化されますよ。あそこまで平和をMCでガツガツ言うバンドってそうはいないじゃないですか。しかも、終戦の8月やったんで。考えさせられますよね。
──そこもG-FREAK FACTORYと四星球が互いに求め合うのは約束されてたのかな、と。
U太:僕ら、出会うのも早かったんですよ。結成して2年目ぐらい、とか。そのぐらいの時期に地元の徳島へ来てくれてたんですよ。
──しかしながら、どうしてこんなにG-FREAK FACTORYと四星球はお互いに惹き寄せ合うんですかね。その理由って、考えたりしますか?
北島:今年8月も一緒にまわらせてもらって、なんとなく答えが出たような気がしたんですけど。それは茂木さんがおっしゃるには、僕たちが笑いの方に引っ張るから、自分たちがとことんシリアスな方に行ける、っていう。一緒にやったとき、どんなに激しいキツめなことを言うたとて四星球が笑いの方へ持って行くから、いい関係性でやれてるっていう。そう言われてみたら僕もそう思いますし。どんなにへんなことをしても、その後にG-FREAK FACTORYがやってくれたらギュッと締まるから。
──バランスを考えず、お互いに自分たちの世界観へ全振りできる、っていう。
北島:そういうことなんでしょうね。
U太:あと、お互いにやりたいけどできないな、っていうことでも、ちょっとだけ踏み込めるところもあって。G-FREAK FACTORYもちょっとだけこっちに入ってくれるし。
北島:違う人生を楽しめるというか。
まさゆき:たしかに!
──たしかにそうですよね。今年の四星球のステージでもG-FREAK FACTORYから茂木さんと原田さんが普段のライブじゃ絶対にしない服装で登場してましたし。
北島:忙しいのにありがたいっすよね。
──G-FREAK FACTORYっていうパッケージでは観れない姿ですよ。
U太:ホントそうですよね(笑)。
北島:僕らはそこ、ちょっと麻痺しちゃってる感がありますけど(笑)、いろんなバンドが嫉妬してくれてますね。

──2016年からずっと出続けている<山人音楽祭>、何か変化を感じたところはありますか?
北島:どうなんだろうな……でも、高木ブーさんが出るようになってから、ひとつ次のところに入ったっすよね。おっきい気がするな。それと共に、G-FREAK FACTORYもファミリーに向けたライブ、お子さんや未来に向けた部分が出てきてたんじゃないかな、って。その前って、バンドがしのぎを削ってるイメージだったんですけど。
──ロックフェスとしてはスタンダードな形ですよね。
北島:いろんなバンド主宰フェスに出させてもらってますけど、いちばんファミリーに向けたフェスな気がします。
──実際、子連れのお客さんの多いですよね、<山人音楽祭>は。
北島:<山人音楽祭>はがっつりとキッズエリアを設けだしたのも早いと思うんですよ。
──高木ブーさんが出演したタイミングで、というところでまさやんさんもめっちゃ頷いてましたね。
まさやん:考えたことなかったんですけど、言われたらたしかに、って。
北島:そのころからG-FREAK FACTORYもローカルバンド色が濃くなったというか。ブーさんが出ることによって、「群馬は温泉の街なんだよ」と伝えるようになったり。それまでもローカルはもちろん大切にしてましたけど。
U太:それこそ、「ブーさんをブッキングしよう」っていうマインドになったわけだし。
──<山人音楽祭>の出演者を振り返っていけば、G-FREAK FACTORYのマインドの開き方、広げ方を感じ取れるかも、っていう。
北島:そのブーさんが初めて出たときの初出演大御所が、高木ブーとザ・クロマニヨンズっていう(笑)。そのへんはやっぱ面白いっすよね。
モリス(Dr):あと、G-FREAK FACTORYにLeoが入ったのもありますよね。
──Leoさんは2023年9月に加入されましたね。
モリス:Leoは言うたら先輩の中に入った若い子、ってなるんですけど、自分もメンバー4人のうちのひとりっていう自覚がめちゃめちゃある子なんで、(山人に関して)僕にもいろいろ感想を求めてくれたりしますし。G-FREAK FACTORYは先輩バンドですけど、そこに歳下のLeoがいて、いろんなことを僕に聞いてくれたりもする。そういうところでも何か広がった部分があるんじゃないのかな、って思ったりもします。
──そして、四星球は11月9日に東京・立川ステージガーデンにて<四星球放送局FESTIVAL>を開催されます。情報を拝見すると、普通のライブではない、ということはわかりました。
北島:もともとで言うと<四星球放送局>っていうワンマンライブをしてたんですよ。名前の通り、テレビをモチーフにしてなんだかんだ3時間ぐらいに及ぶようなワンマンだったんですけど、それをいろんなバンドさんにも手伝ってもらいながら、フェス形式でテレビを意識したヤツをしたいな、って。歌番組のゲストで出てきてもらってるみたいな感じでライブしてもらったりとか、四星球がガッツリとやってる中にゲストボーカルとして入ってきてもらったりとか、他にもいろんなエンタメが混ざり合うようなイメージですね。
──とにかく楽しもうっていう、ホントにお祭りですよね。上手くいったら、ひとつのパッケージになりそうな予感もします。
北島:可能性はあります。<四星球放送局>も実験的にやったワンマンライブだったけど、それがたまにはやろう、ってモノになったし。そこがまた次のところへいったかな、と思ってますね。
取材・文◎ヤコウリュウジ
写真◎淵上裕太
ライブ写真◎HayachiN
■G-FREAK FACTORY主宰<山人音楽祭 2025 ~10th Anniversary~>
9月20日(土) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
9月21日(日) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
〒371-0035 群馬県前橋市岩神町1-2-1
open9:30 / start11:00 / 終演20:00※予定
▼9/20(土)出演者
Age Factory / ENTH / かりゆし58 / 氣志團 / KOTORI / G-FREAK FACTORY / SHANK / 上州弾語組合 / SKA FREAKS / 高木ブー / DJダイノジ(大谷) / 10-FEET / TOTALFAT / 花冷え。 / HAWAIIAN6 / The BONEZ / locofrank / ROTTENGRAFFTY(※五十音順)
“能登半島応援企画 MAKE A PROMISE TO NOTO (Tokyo Tanaka×バカビリー×高橋ちえ)”
▼9/21(日)出演者
片平里菜 / G-FREAK FACTORY / J-REXXX BAND / JUN SKY WALKER(S) / 上州弾語組合 / 四星球 / 竹原ピストル / NakamuraEmi / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / Hump Back / BANYAROZ / 04 Limited Sazabys / FOMARE / BRAHMAN / HEY-SMITH / 山嵐 / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS(※五十音順)
『山人MCバトル×戦極MCバトル』※開催は9/21(日)
Armadillo / bendy / DOTAMA / FCザイロス / GOMESS / KOOPA / 溝上たんぼ / NAIKA MC / 歩歩 / risano / Sitissy luvit
DJ:R da Masta
司会:K.I.G
『上州弾語組合』
9/20(土) 清水 明夫 / KIE Anderson / garb / 16号。 / 横山 ナオ / 上原梅弦
9/21(日) 高平 悠 / 山口 貴大 / 茂木 拳 / 鹿山 音楽 / ジュンペイ / 藤井 トモカズ
▼チケット
・各1日券 9,500円(税込)
・2日券 18,000円(税込)
・駐車場付 1日券(9/20)※SOLD OUT
・駐車場付 1日券(9/21)※SOLD OUT
・駐車場付 2日券 ※SOLD OUT
(問)DISK GARAGE https://info.diskgarage.com
主催:DISK GARAGE/BADASS/上毛新聞社
企画・制作:DISK GARAGE/BADASS







