【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2025>ROTTENGRAFFTY「主宰するバンドと出てるバンド、ひとつずつストーリーがある」

2025.09.20 19:13

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けたたましくサイレンが鳴り響き、赤いライトに染め上げられた赤城ステージに登場したのは、<山人音楽祭>には欠かせないバンドのひとつ、ROTTENGRAFFTYだ。

互いに寄りかかることなく、背筋を伸ばし、自らの力でしっかりと大地を踏みしめた上で刺激を与え合うG-FREAK FACTORYが主宰する舞台。音と心を重ね合わせ、N∀OKI(Vo)が「音で死んで、音で何度も生まれ変われ」と焚き付けた「零戦SOUNDSYSTEM」から完全なる真っ向勝負で挑むロットン。どっしりとした所作からも伝わる高ぶりと荒ぶり。目指すのはN∀OKIが叫んだように限界突破であり、観客も待ってましたと反応し、序盤から瞬く間に熱気が立ち上る。

重低音もリフもラップも歌声も、そのすべてが胸に響く「夢幻獄」から爆発必至のダンスチューン「D.A.N.C.E.」へと続ければ、観客はしゃがみつつでっかいサークルを形成し、モッシュもダイブもヘドバンも何でもアリな狂乱状態。NOBUYA(Vo)とN∀OKIが客席へ乗り込んで叫びまくった「THIS WORLD」は言わずもがなの威力である。

<京都大作戦>のバックヤードで10-FEETのTAKUMA(Vo, G)とG-FREAK FACTORYの茂木(Vo)と「(ロットンとG-FREAKも)いつかフェスができたら」と語り合ったという秘話を明かした後、<山人音楽祭>の10周年をN∀OKIは自分のことのように喜びつつ、後半戦も怒涛の展開。魂を削り取るようなN∀OKIのラップ、アンセミックなメロディーを響かせるNOBUYAという2大巨頭の存在感も凄まじかった「マンダーラ」、地元である京都を思って背負って放った「響都グラフティー」にキラーチューン「金色グラフティー」、高密度で高強度なロックチューン「秋桜」からラストはすべてをなぎ倒すように「暁アイデンティティ」を投下。圧倒的なエネルギーに打ちのめされ、明日への活力も手にできた素晴らしいライブだった。

   ◆   ◆   ◆

──凄まじいライブだったと思います。

N∀OKI(Vo):ずっとライブしてるんで、アイドリングが続いてますからね。

──節目の25周年を経ても途切れることなく、って感じですよね。

N∀OKI:(アルバム『わびさび』の)リリースがあったんで、結局、周年ほどは詰めてないっすけど、この9月は結成以来いちばん忙しいんちゃうかなって行程で動いてますね。

──ライブを観ていて、どっしりとした所作なんですけど、気持ちの高ぶりや荒ぶりが溢れ出るように伝わってきて。

NOBUYA(Vo):嬉しいっすね。

──やっぱり、G-FREAKが主宰する<山人音楽祭>っていうところもあるから?

N∀OKI:それもあるし、なんかね、個人的かもしれないんですけど、ツアーで(ライブを)連チャンでやってて、今日が終わったら一旦京都へ帰るんですよ。まあ、またすぐ出るんですけど。

NOBUYA:あぁ、そっか(笑)。

N∀OKI だから、このタームの節目ではあるんですよ。だから、最後の最後でコケると何しとんねんってなるから。

──タイミングとして、ステップアップするためにより気合いが入ったかも、という。

N∀OKI:それに<山人>っていうのも重なって、そうなったんちゃうかな、と。

──しかも、<山人音楽祭>も10周年。N∀OKIさんはライブで「自分のことのように嬉しい」と話されてましたね。

N∀OKI:「フェスできたらええな」って、1回目の<京都大作戦>のバックステージで(TAKUMAと茂木と)そう言っとったから。

──G-FREAK FACTORYとロットンは戦友、盟友という言葉だけじゃ説明できない絆もあるんだろうな、と感じました。

N∀OKI:お互い、自分らの地元で根付いてやってるし。群馬とか……京都も街っすけど、群馬はい……。

──今、田舎って言いかけましたよね(笑)。

N∀OKI:まあ、田舎っす(笑)。

NOBUYA:ハハハハ(笑)。

N∀OKI:だから、この土壌でFLEEZとかもなくなって、どこで(ライブを)やんねん、みたいな状況になって。今、会館とかでやってるじゃないですか。まあ、もはや今の動きは関係ないっすけど、一緒にやり始めたころからそういうシンパシーはあるっすよね。歳もそんなに変わらないし。

──NOBUYAさんも同じような感じですか?

NOBUYA:僕はN∀OKIが持ってる感情とはまた全然違って。同期ですけど、最初はG-FREAK FACTORYの本当の良さをわかってなくて。それがいろんな経験をして、「あのときにG-FREAK FACTORYが言ってたこと、今になって刺さるわ。オレが浅はかだったな」とか。ロックって尖ってるモノだと思ってたんで、あんまりピースな感情を抱いてなくて。あの時代からG-FREAK FACTORYはそういうことを歌ってたり、ライブで表現してたので、後で気づいたっていう。同期にこんな偉大なヤツらがいるっていうありがたい気持ちがあるし。僕らは同じ京都に10-FEETがいて、焚つけられて今があると思ってるんで、G-FREAK FACTORYに対して10-FEETにやってもらったことと同じことをできたらいいな、とも考えてて。

──そうなると仲は良いけど、いい緊張感がある関係性になりますよね。

NOBUYA:そうっすね。

N∀OKI:「絶対に下手なライブできへんな」みたいなところもあるし。

──バンド主宰のフェスの良さはどういったところに感じますか?

NOBUYA:主宰するバンドと出てるバンド、ひとつずつストーリーがあるじゃないですか。それを感じるのが僕は大好きで。僕が知らないG-FREAK FACTORYがそこにはあるし。でも、僕らしか知らないG-FREAK FACTORYの世界観もあるし、っていう。

──そうなると、<山人音楽祭>においてほぼ皆勤賞のロットンでも毎回新しい発見がある。

N∀OKI:そうですね。あと、メンツも然り、で。今回の2日目とか「いいバランスやな。オレらにはできへんな」と思ったり。地の利っていうのかな、圧倒的な会場のデカさがあって、野外ステージもあって、<響都超特急>に比べたら「いいなぁ」って感じる部分もあるっすよね。

NOBUYA:高木ブーさん、おるしな。

N∀OKI:オレら、呼ばれへん! あと、2日目にはJ-REXXX BANDがおったり、MCバトルがあったり。そういった今のそっちのカルチャーも取り入れつつですよね。だから、オレらにはできひんけど、だったらこうしよう、とか考えたりしますよね。

──自分たちとはまた違うミクスチャー感、クロスオーバー感っていう。

NOBUYA:ホントにそうですね。

N∀OKI:でも、オレらより地に愛されてるな、と。

──いやいや、ロットンだってそうじゃないですか。京都と言えば、真っ先に挙がるのがロットンと10-FEETですよ。

N∀OKI:10-FEETは文化観光大使やってて……でも、オレの方が京都詳しいし!

NOBUYA 邪魔やな(笑)。

N∀OKI いや、邪魔ではないわ(笑)。

──そんなことを言い合えるバンドが京都に揃ってるのも羨ましい話ですよ。

N∀OKI:(10-FEETは)アカンところがなさすぎてアカンっす(笑)。

──ハハハハ(笑)。少し話を戻すと、G-FREAK FACTORYとはまたバチバチにやり合う機会が年内も多いですよね。

N∀OKI:そうっすね。オレらのツアーにも出てもらうし。

NOBUYA:セミファイナルやな(※10月2日 金沢EIGHT HALL)。

N∀OKI:北海道でも11月にあるし。楽しみっすね。

──北海道ではロットン、G-FREAK FACTORYに桃色ドロシーを加えて、それぞれの土地を背負う切り口で行う3マン。また違った気持ちで臨むライブになりそうです。

N∀OKI:絶対にステージへ出てったろうかなと(笑)。

NOBUYA:ハハハハ(笑)。

N∀OKI:アイツらがトリやったら、ガンガンいったろ。また原田にネックハンギングされて怒られるかもしれへんけど(笑)。

取材・文◎ヤコウリュウジ
写真◎淵上裕太
ライブ写真◎HayachiN

■G-FREAK FACTORY主宰<山人音楽祭 2025 ~10th Anniversary~>
9月20日(土) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
9月21日(日) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
〒371-0035 群馬県前橋市岩神町1-2-1
open9:30 / start11:00 / 終演20:00※予定

▼9/20(土)出演者
Age Factory / ENTH / かりゆし58 / 氣志團 / KOTORI / G-FREAK FACTORY / SHANK / 上州弾語組合 / SKA FREAKS / 高木ブー / DJダイノジ(大谷) / 10-FEET / TOTALFAT / 花冷え。 / HAWAIIAN6 / The BONEZ / locofrank / ROTTENGRAFFTY(※五十音順)
“能登半島応援企画 MAKE A PROMISE TO NOTO (Tokyo Tanaka×バカビリー×高橋ちえ)”
▼9/21(日)出演者
片平里菜 / G-FREAK FACTORY / J-REXXX BAND / JUN SKY WALKER(S) / 上州弾語組合 / 四星球 / 竹原ピストル / NakamuraEmi / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / Hump Back / BANYAROZ / 04 Limited Sazabys / FOMARE / BRAHMAN / HEY-SMITH / 山嵐 / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS(※五十音順)

『山人MCバトル×戦極MCバトル』※開催は9/21(日)
Armadillo / bendy / DOTAMA / FCザイロス / GOMESS / KOOPA / 溝上たんぼ / NAIKA MC / 歩歩 / risano / Sitissy luvit
DJ:R da Masta
司会:K.I.G

『上州弾語組合』
9/20(土) 清水 明夫 / KIE Anderson / garb / 16号。 / 横山 ナオ / 上原梅弦
9/21(日) 高平 悠 / 山口 貴大 / 茂木 拳 / 鹿山 音楽 / ジュンペイ / 藤井 トモカズ

▼チケット
・各1日券 9,500円(税込)
・2日券 18,000円(税込)
・駐車場付 1日券(9/20)※SOLD OUT
・駐車場付 1日券(9/21)※SOLD OUT
・駐車場付 2日券 ※SOLD OUT
(問)DISK GARAGE https://info.diskgarage.com
主催:DISK GARAGE/BADASS/上毛新聞社
企画・制作:DISK GARAGE/BADASS