【インタビュー】SARD UNDERGROUND、ソロ体制初のアルバムに葛藤とポジティヴな未来「宝物だと思っています」

■逃したものに幸せを探す日々は
■苦しいだけだからやめようって
──そしてアルバムの最後を飾るのが「しあわせ」。明るくリズミックな、一体感のある曲。どんな思いをこめて作った曲ですか。
神野:私は常に幸せでいようということを考えていて、メンバーがいた頃も「幸せになろう」というのが合言葉だったんですけど。「I still believe」の歌詞にも入れていて、幸せという言葉は大事にしています。
──“逃したものに幸せを探す日々は苦しいだけだからやめよう”──まさにその通り。
神野:これも歌ネットのエッセイから作っているんですけど、エッセイを書くのは初めてだったので、結構悩んでいて、街中を歩き回ったりしながら書いていたんですね。ある日、リハーサルに行かないといけない時に、エッセイのことを直前までずっと考えながら歩いていて、“やばい、時間だ”って急に思い出して。次の電車に乗れなかったら間に合わないって、めっちゃ走ったんですけど、ホームで電車に置いていかれて、乗れなかったんですよ。“あーやばいなー”と思ったんですけど、そういう時の私は、どうにか前向きな気持ちに転換しようとするので、“あの電車に乗っていたら悪いことが起きたかも”と思って。そうしたら本当に、その電車がその後運休になったんですよ。その時の気持ちと、この曲の歌詞が、めっちゃ重なりました。
──そういう、実体験から歌詞を書くこともある。
神野:ではなくて、もともとエッセイで書いた言葉が、この曲にぴったりだったんですね。だから電車じゃなくても、日頃皆さんが何かタイミングを逃したとか、“あの時こうしておけばできていたのに”とか、そう思う気持ちは一旦忘れよう、ということに繋がったらいいなということですね。
──説得力ありますね。超ポジティヴシンキング。神野さん、もともとそういうタイプでしたっけ。
神野:どうなんでしょう? もともとめっちゃポジティヴで前向きなんですけど、最近は落ち込むことも増えたので、このアルバムにはすごい元気をもらえます。「ナンバーワンあなたは」という曲は、2〜3年前に制作していた曲なんですけど、その時はもうポジティヴしかなかった頃なので、この曲のポジティヴさに今救われています。“こんな自分になれていたんだから、今も行けるな”って。
──「最近は落ち込むことも増えた」というのは、気になる言葉ですけど、何があったんですか。
神野:メンバーが脱退してから、自分がわからなくなるタイミングが多くて……。“3人でいた頃の私”というポジションが5年間で出来上がっていて、そこが居心地良かったこともあって。一人になった瞬間に“一人の私ってどんな人やっけ?”みたいな。
──ああー。なるほど。
神野:それでもSARD UNDERGROUNDとしてやっていく時に、SARD UNDERGROUNDの印象を変えないで続けていくことって可能なのかな?みたいなことで悩むようになって、“でも私はSARD UNDERGROUNDでいたいし”みたいな、すごい葛藤がありました。今もあります。
──そこは隠さなくていいんじゃないかな、という気もします。
神野:ファンの方から「3人が良かった」というコメントをもらうこともあるんですけど、どうかしてあげたいけど、どうしようもできないし、みたいな。
──それはこのアルバムを聴けば、納得してくれるんじゃないかなと思います。「全部自己責任」を聴いてもらえれば、神野さんの気持ちは伝わると思います。
神野:そして「しあわせ」も。“逃したものに幸せを探す日々は苦しいだけだからやめよう”と。

9月9日(火)@東京国際フォーラム ホールC
──まさに、そうですね。不安に思っている人ほど、聴いてほしいアルバムだと思います。そして、この記事が出るころにはもう終わっていますけど、8月末と9月頭に大阪と東京でライブをやりますね。“ZARD tribute 楽曲 only day”と“オリジナル楽曲 only day”、2daysがセットになったスペシャルライブ。これはなぜ、二つに分けようと思ったんですか。
神野:これは私の好奇心みたいなところで、「ZARDさんの曲しか歌わない日と、オリジナルしか歌わない日をやってみたい」というのを、スタッフさんに何回か言ってみたことはあって。オリジナルの曲が足りなかったこともあって、実現しなかったんですけど、今回やっと叶いました。練習を重ねてリハーサルをやっていくうちに思ったことは、今までは、ZARDさんの曲とオリジナル曲を混ぜたライブは、イメージがついていたんですよ。ファンの人の顔とか、会場の空気感とか、この曲はこんな感じになるだろうなとか、MCはここでこう喋ろうかとか、そういうイメージがあったんですけど、今回二つに分けたことで何にも見えなくなって。もっとちゃんと想像してから発言すればよかったって、ちょっと後悔したんですけど(笑)。
──大阪2daysが終了しましたが、実際、やってみてどうでした?
神野:これはこれですごくいいなと思いました。1日目は本当にZARDさんの音楽の力に元気をもらって、あったかい気持ちになって。そして2日目は、めちゃくちゃ声を出しました。叫びました(笑)。
──全然違うんですね。
神野:違いました。そのギャップがお客さんにも伝わったと思うし、楽しかったです。
──またやってほしいです。そしてSARD UNDERGROUNDとしても、これからもカバーとオリジナルを両立させて進んで行きますか。
神野:そうですね。今回のアルバムで開けた扉の先に進んでいきます。
──アルバムタイトルは『故障した車』だけど、SARD UNDERGROUNDは故障しないでどんどん進んで行く。
神野:はい(笑)。タイトルを聴いて、暗いアルバムかな?と思われる方もいるかもしれないですけど、明るい曲もたくさん入っているので、安心して全部聴いてください。
取材・文◎宮本英夫


■3rdオリジナルアルバム『故障した車』
2025年9月17日(水)発売
【初回限定盤(CD+Blu-ray)】GZCA-5326 ¥5,500(税込)
【通常盤(CD)】GZCA-5327 ¥3,300(税込)
▼CD収録曲 ※初回限定盤・通常盤共通
01 故障した車
作詞:神野友亜 作曲:藤中友哉 編曲:藤中友哉
02 I still believe
作詞:神野友亜 作曲:大野愛果 編曲:麻井寛史
03 輝く旅人よ
作詞:神野友亜 作曲:藤中友哉 編曲:徳永暁人
04 ダイナマイト サマーナイト
作詞:神野友亜 作曲:小澤正澄 編曲:小澤正澄
05 風はファンタジー
作詞:神野友亜 作曲:大野愛果 編曲:鈴木和哉
06 ナンバーワンあなたは
作詞:神野友亜 作曲:小澤正澄 編曲:小澤正澄
07 全部自己責任
作詞:神野友亜 作曲:大野愛果 編曲:麻井寛史
08 TO MY FREEDOM
作詞:神野友亜 作曲:大野愛果 編曲:麻井寛史
09 世界で一番遠い人
作詞:神野友亜 作曲:徳永暁人 編曲:徳永暁人
10 あなた、カトレア
作詞:神野友亜 作曲:大野愛果 編曲:麻井寛史
11 しあわせ
作詞:神野友亜 作曲:徳永暁人 編曲:徳永暁人
▼Blu-ray ※初回限定盤のみ / 約35分予定
<First Studio Live>
・揺れる想い [tribute 2023]
・心を開いて [tribute 2024]
・永遠 [tribute 2024]
・夢で逢いましょう
・空っぽの心
・あなた、カトレア
◯Making of First Studio Live
■神野友亜レギュラーRADIO出演番組
▶e-radio 「神野友亜のフリートークラボ」
放送日時:毎週土曜日 18:30~18:55
番組HP:https://www.e-radio.co.jp/pg_news/freetalklabo_sard/
▶e-radio「キャッチ!」
放送日時:毎月第二火曜日 14:00~19:00
番組HP:https://www.e-radio.co.jp/
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