【ライブレポート】NEK!、史上最大規模のワンマンで決意表明「私たちはここからなんです。このメンバーと皆さんでもっと大きなステージを見ていきたい」

4ピースガールズバンドNEK!が8月30日、<NEK! 1ST ZEPP ONE MAN【#拡散中 #ネキ界隈】>と題したワンマンライブを開催した。
ネット上で音楽を発信してきた4人が意気投合して結成したのが2024年2月。まだキャリアとしては1年半ほどではあるが、今年3月には渋谷・Spotify O-WESTでのワンマンをソールドさせるほど順調にステップアップ。その勢いを物語るよう、バンド史上最大規模であり、メンバーが夢の場所だったと口にしていたZeppのステージも見事にソールド。満員の観客へ熱烈なパフォーマンスを見せつけながら、未来への力強い宣言も飛び出す夜となった。
SEが鳴り出すと同時に会場は大きなクラップが湧き上がり、そこへCocoro(Dr)、Kanade(B)、Natsu(G)、Hika(Vo, G)が順に登場してきたが、満員のフロアを見渡してこぼれる笑顔。もちろん、これだけ大きいステージに対して緊張感がないはずはない。だが、それ以上の喜びがあるのだろう。Kanadeはそのクラップに合わせて自らも手を叩き、一緒に楽しむんだというムードも醸し出してくれる。

そんな後押しを受けて、一気に駆け出していくと思いきや、まず届けられたのはHikaのアカペラだった。右手でしっかりマイクを握りしめ、《oh now I just let you go. I’m moving on and carrying on. どうせ前にしか道は無い 絶望だって 拾い集めてさあ》と「Get Over」のサビを高らかに歌声を響かせてから「Zepp Shinjuku、行くぞー!」と激を飛ばす。これ以上ない、強烈な意思表示だ。
そこから改めてバンドインしての「Get Over」は破壊力十分。Hikaは歌いながら足を蹴り上げ、Natsuもステージ最前まで乗り出してギターを弾き倒す。KanadeとCocoroによるリズム隊もいい躍動っぷりだ。行くしかない、前しか見ないバンドのスタンスに観客も呼応し、いきなり会場の熱気がぶちアガっていった。

間髪入れずに放った軽快なロックチューン「Clock up!」はなんと未発表曲。勢いをつけたい序盤にこういった曲を持ってこれるのはバンドが充実してる証に違いなく、爽快な風を吹かせるだけでなく、イントロからコールが起こるほどの力強さもある。リピートされる《毎分毎秒……毎分毎秒……》というラインも実に耳に残る存在だった。
そそるNatsuのリフからKanadeのスラップで怪しげなムードを醸し出しつつも活力みなぎるサウンドが印象的だったのが「ENDLESSGAME」。ハイトーンやファルセットを自在に操りながら伸びやかな歌声がHikaの持ち味であろうが、中音域で頼もしく歌うHikaもまた魅力的。その迫力にヤラれた観客が高く拳を突き上げ続けるほどだった。

「Zepp、来たぞー! やったー!」とHikaが喜びを爆発させ、「楽しい時間ってホントにあっという間に終わるし、やけん、みんなで今日は1曲1曲、お互い全力でぶつかっていきたい」と観客に投げかけてからドロップしたのが勢いに拍車をかけるにふさわしいキレッキレのミクスチャ―チューン「MAZE」。スキルフルなプレイでヘヴィなサウンドを食らわせていき、タイトルコールから「令現少女」へ。Kanadeのコーラスから大きく開けるサビも秀逸だったが、序盤にNatsuのプレイが躓いた際、「大丈夫! もう1回いってこーい!」とHikaが声を上げてポジティブに変換し、より楽しむ為のキッカケにする姿もまた素晴らしかった。
Hikaのラップ的アプローチな歌、KanadeとNatsuのソロも光ったのが初披露曲「Frog Flog」。ダイナミズムに溢れ、ライブで研ぎ澄まされることによってさらなる熱狂を生み出すはず。そこから続けた「Loner」はシンガロングとコールが鳴り止まなかった1曲だ。そんな観客の気持ちを受け止め、Natsuは体を仰け反らせながらソロを炸裂させれば、Hikaはより熱っぽく歌い上げていく。ライブだからこそ生まれる美しい光景だった。

思わずCocoroが「泣かせにきてるでしょ?」と口にしてしまうぐらいの愛と熱が入り混じった空気が広がる中、やってみたかったというコール&レスポンスをCocoro、Kanade、Natsuが行い、「この熱気に負けないよう頑張ります」とHikaが背筋を伸ばしていいスケール感を誇るイントロ、切ないコード感が沁みる「OOAK」をドロップ。聞き慣れない単語かもしれないが、「One Of A Kind」のスラングであり、意味は唯一無二。ガレージロック的なサウンドを柔和に落とし込んではいるが、《体裁や形式で/真似事ばっか》《フォローはご自由に 後悔させない》といったように挑発的かつバンドとしての矜持が滲む言葉が並ぶ。NEK!はブレずに戦うというスタンスをしっかり提示しているのだ。
ポップさの中にスパイスもしっかり効かせた未発表曲「fake?」でフロアを引っ張ってからHikaがアコギを持ち披露したのは「Blink」と「moon」。どちらも繊細な演奏とストレートに響く歌が見事だったが、アコースティックテイストの中で際立つNatsuのプレイやフレーズがいい引っかかりをもたらしていた「moon」の響き方は特筆すべきポイントとして触れておきたい。

後半戦に入ったタイミングで「みんなとひとつになりたい」とノリの良く開放的な「color chord」、アンセミックなコーラスが心に遺る「biT bY biT」という未発表曲2曲を続けた後、Cocoro、Kanade、Hika、Natsuとソロ回しを披露して果敢に踏み込んだのが「zero-sum」だった。「もっともっと!」とHikaは声を上げ、細かいステップを踏みながら弾くほどKanadeも没頭し、観客は声を枯らさんばかりに張り上げる。激しいロックチューンによってステージもフロアもボルテージは上がりっぱなしだ。
Hikaがハンドマイクを持ち両手を大きく広げて「もっと楽しんでいこうぜ!」と叫んで「Dreams!!!!」を放てば会場は完全なるクライマックス状態。熱熱な歌やプレイに加え、勝手に体が動くのだろう。Hikaはドラム台に上がりCocoroとアイコンタクトをしながら何度もジャンプを繰り返したり、Natsuの肩を抱きながら歌ったかと思えば、Natsuのソロに合わせてエアギターまで飛び出していく。この計算されてないテンション感はライブの真骨頂。観客のコーラスがとんでもない声量になるのも当然だったはず。

最高潮を迎えてもまだまだ先があると言わんばかりに「声、出せる?」とHikaがアジテートして「Fool」を突き刺し、本編ラストは最新曲「rip-off」。最後の最後まで攻め手は緩めず、激しくエグるナンバーをセレクト。ロックバンドたるもの、挑戦的な姿勢は忘れちゃいけない。浮遊感のあるHikaの歌い回し、CocoroとKanadeの音が絡み合い、そこにNatsuが加わって覚醒する間奏も惹きつけられる瞬間だった。
盛大なコールに呼び戻されたアンコールでは再び「Get Over」をドロップし、メンバーひとりひとりが感謝と覚悟を語ってから、11月26日にNEK!初の1stアルバム『MEME』を発売すること、リリースワンマンを11月28日に横浜ReNY βにて開催すること、来春からNEK!2周年を記念したツアーも行うことを発表。嬉しいニュースに観客からも歓喜の声が上がるが、さらに、とHikaが前置きして、来年ポニーキャニオンからメジャーデビューすることも同時に伝えられた。

会場中から万雷の拍手が湧き上がるが、それを遮るように「私たちはここからなんです。このメンバーと皆さんでもっと大きなステージを見ていきたいと思ってるので、応援をよろしくお願いします」と口にするHika。もちろん、喜ばしい出来事には違いない。ただ、決してここがゴールじゃない。そこで自分たちの音楽を届けて、突き刺して、何かを残してこそ初めて意味がある。そんな決意に満ちたラストナンバー「Dreams!!!!」はとても鮮やかであり、彼女たちの行く末に光が照らされていることを痛烈に突きつけられる力に満ちていた。
取材・文◎ヤコウリュウジ
写真◎Seijiro Nishimi
■1stアルバム『MEME』
発売日:2025年11月26日(水)
予約:https://pcim.lnk.to/meme_CD
○初回盤A
品番:PCCI000000028 価格:4,500円(税込)
仕様:三方背ケース仕様
CD:10曲+ボーナストラック(2曲)
ポスターブックレット
36Pフォトブック

○初回盤B
品番:PCCI000000029 価格:3,900円(税込)
仕様:紙ジャケ仕様
CD Disc1:10曲+ボーナストラック(1曲)
CD Disc2:オーディオコメンタリー(音声のみ)
ポスターブックレット

○通常盤
品番:PCCI000000030 価格:3,300円(税込)
仕様:紙ジャケ仕様
CD:10曲
ポスターブックレット
ランダムステッカー(全4種)※初回生産分限定

◆ショップ別オリジナル特典
・タワーレコードおよびTOWER mini全店、タワーレコードオンライン:ステッカー(メンバー4種ランダム)
・HMV・HMV&BOOKS:A5クリアファイル
・Amazon:メガジャケ
・楽天ブックス:アクリルキーホルダー5cm
・セブンネット:アクリルカラビナ
・ネオウィング/CD Japan:2L判ブロマイド
※全国のCDショップ、WEBショップにて2025年11月26日(水)発売1st Album『MEME』をご予約・ご購入のお客様に、先着で上記オリジナル特典をプレゼント。
※各店舗でご用意している特典数量には限りがございますので、お早目のご予約をおすすめいたします。
※特典は数に限りがございますので、発売前でも特典プレゼントを終了する可能性がございます。
※一部取り扱いの無い店舗やウェブサイトがございます。ご予約・ご購入の際には、各店舗の店頭または各サイトの告知にて、特典の有無をご確認ください。
■ライブ情報
◆<NEK! 1st アルバム『MEME』リリース記念ワンマンライブ>
神奈川・横浜ReNY beta
2025年11月28日(金)開場 18:30 / 開演 19:00

○チケット情報
オフィシャル先行
受付期間:8月30日(土)21:00~9月15日(月・祝)23:59
受付URL:https://l-tike.com/nekiband/
券種・料金:全自由5,000円(税込)
※ドリンク代別途
※未就学児童入場不可
※公演中止・延期の場合を除き、お客様のご事情による払い戻しはできませんのでご了承ください。
お1人様 4枚まで/WEB受付のみ/紙・電子チケット選択可
◆<NEK! 2nd ANNIVERSARY LIVE TOUR 2026>
詳細は後日発表



