【インタビュー】vistlip、攻めモードのシングル「BET」にクリエーターの信念「今、バンドとしての成長を感じています」

■バンドを続けているとバランスが崩れる時もある
■でも、それが修復された時に成長するんだと思う
──ライヴでは間違いなく盛り上がりそうですよね。七夕の18周年ライヴでは3曲とも初披露されたわけですが。先程も少し触れていただきましたが、ステージでの感触としてはどうでした?
智:バンド側はすごく気持ちよかったです。初見のみんなは、盛り上がるというより、しっかり聴いてくれた印象でしたけど、そのあとのインストアイベントで、「3曲ともめちゃくちゃいいですね」という感想をたくさんもらえてうれしかったです。
瑠伊:正直に言うと、僕はめっちゃ緊張しました(笑)。3曲ともシビアですし、しっかり伝えなきゃいけないと思って。でも、智が言ったように、みんなからの感想がポジティヴだったので安心しました。
Tohya:僕は瑠伊と逆で、新曲のほうを練習しすぎて、ほかの曲のほうが緊張しちゃいましたね。特に「OUROBOROS」は、珍しくオシャレなオカズを結構入れていて、そういう部分はライヴでちょっとアレンジする場合もあるんですけど、「OUROBOROS」のカッコよさを表現したいと思ったからちゃんと練習して臨んだんです。
──ライヴで新曲を初披露、というのはやっぱり気合が入りますよね。
Tohya:音源より先にライヴでやるパターンはずっと避けてきていたので、18周年にしてそれを変えられるきっかけになったと思います。これからは、新曲ができたら先にライヴでやっちゃおうぜ!っていうのもOKかもしれない。その時は、既存曲もちゃんと練習したうえで、それ以上に新曲の練習も頑張ります(笑)。

──七夕の18周年ライヴ自体に関してはどうでしたか?
智:新曲をライヴでやるということもそうだし、ライヴが僕のMCからスタートしたり、1曲目に最近やっていない昔の曲をやったり、今までと全然違うライヴの作り方をしたので。プレッシャーを感じる部分もあったんですけど、自信持ってやり切れたので個人的にすごく達成感がありました。
──いろいろ挑戦が盛り込まれていたんですね。
智:七夕のライヴは特別というか……「July Ⅶth」という曲があるんですけど、気持ちいい曲であると同時に緊張感があるんですよね。ちょっとシリアスになるというのかな。毎回、今の自分だったらどんなふうにできるかな?という気持ちで臨むところがあるんです。結果的に、「OUROBOROS」のテーマどおり、“殻を脱ぎ捨てる”ことができたのかなと思います。観に来ていた母が「今までで一番良かった」と言ってくれたので、それが答えだなと(笑)。母も音楽に携わっていた人なので、いつもしっかりとライブを見るタイプなんですよ。「これからが楽しみになりました」って良かったポイントが2日間に亘ってLINEで送られてきました。
Tohya:そうなんだ! それは本物だね。
──7月7日のライヴは、単なるアニバーサリーを超えて、vistlipの1年間の答えが出る日になっていると。
智:そうかもしれないですね。翌日のインストアで、みんなから「今年もよろしくお願いします」と言われて、たしかに正月みたいな感覚になりました(笑)。18周年にして、自分たちとしても成功だと思えて、ファンにも「今までで一番カッコよかった」と言ってもらえるのはうれしいですよね。

瑠伊:ライヴ映像をあとから観返していたら、自分たちで言うのもなんですけど……客観的に観て“どっしりとした貫禄が出てたかな?”という感想が浮かんだんですよね。来てくれていた皆さんもそれを感じてくれたのか、同じような感想をいただいたりするので、“やっと出たか、その色気が”って(笑)。自分の中で、vistlipの強みはどちらかというとヤンチャな感じや勢いだと捉えていたので、一気にガラッと変えられたような気がしています。
Tohya:16〜17周年では、事務所独立のタイミングもあって、ちょっとシリアスにシフトしていて、周年のお祝い感が薄れていたんですけど。今回はシリアスさもお祝い感も両方うまく融合して見せられた感じがして、そこがファンのみんなにも刺さったのかなと思います。制作チームが変わって少しうまくいっていなかった部分も徐々に解消されて、メンバーのメンタルも含めて、全部うまく噛み合ったライヴでした。
──ライヴでは“20周年”という言葉も出てきていましたが、この先の道が見えた感覚もありますか。
智:そうですね。ちなみに19周年もZepp DiverCity (TOKYO)なので。ここから19周年に向けて、今掴んでいるものをいかに出していけるかという勝負になっていくと思うので。個人的にこの先が楽しみだし、もちろんメンバーもどんどんいい音出してるような気がするし、バンドとしての成長を感じています。今、vistlipはいい時期だと思いますよ。
瑠伊:僕もめちゃめちゃ感じていますね。メンバーの関係性もいいと思うし、それぞれのこだわりが全部いい感じにバンドに還元されている実感があります。

Tohya:バンドを続けていると、やっぱりみんなのバランスが崩れてうまくいかない時もあるんですよ。でも、それが修復された時に成長するんだと思う。今年の7月7日は、特にそれを強く感じました。きっとこの先いいことも悪いこともたくさんある中で、負けずに、誰も折れずに、傷ついても修復し合って、20、25、30周年に向けてどんどん大きいバンドになっていけたらいいなと思います。
智:うん。
Tohya:あと、やっぱり僕としては瑠伊と仲良くなれたことが大きくて! どこまで意図的かわからないけど、近年、楽屋で瑠伊から話しかけてくれることがなかったんですよ。
瑠伊:そんなことないって(笑)。
Tohya:そんなことある。初期はあったけど、一時期なくなって、今再びあるんですよ! 世間話もするし、楽曲について相談したりも。
瑠伊:ああ、それは増えたと思う。ライヴでの曲の聴こえ方、お客さんへの届け方に関してこだわりが強くなってきた部分はある。

Tohya:……今、音楽の話でごまかしてましたけど、世間話もありますからね。ちゃんと。
智:照れてごまかしてたよね(笑)。っていうか、この話、Tohyaと一緒に取材を受けるたびに言ってるから、もう聞き飽きたんですけど。
Tohya:“瑠伊に届け!”みたいな感じで毎回取材で言ってたんですけど、今回瑠伊と一緒の取材は初めてなので、ついに直接言えたなと。
瑠伊:ちゃんと全部読んでるよ。
Tohya:読んでるんかい! 何も言及されたことないですけど?
瑠伊:読んで、“恥ずいな~”と思ってた(笑)。
Tohya:言ってよー(笑)!
取材・文◎後藤寛子
撮影◎Lestat C&M Project(ライヴ写真)
■シングル「BET」
2025年7月30日(水)発売

【完全生産限定盤[CD+Blu-ray]】DCCA-1150/1151 11,000円(税込)
※2025年7月7日 Zepp DiverCity(TOKYO)公演会場にて先行販売
※以降、公演会場および通販限定で販売
詳細:https://www.vistlip.com/posts/discography/cpwfhy
▼CD収録
1 BET
2 OUROBOROS
▼Blu-ray収録
<『THESEUS』from vistlip ONE MAN TOUR [Ship of Theseus]>@Zepp Shinjuku
01 Port Dorothy(Instrumental)
02 Mary Celeste
03 Dolly
04 Candy Sculpture
05 Fairy God Mother
06 Matrioshka
07 Fafrotzkies
08 Ceremony
09 B.N.S. [THESEUS ver.]
10 Parallax Pancakes

【vister (CD+DVD)】DCCA-1152/1153 3,300円(税込)
▼CD収録
1 BET
2 OUROBOROS
▼DVD収録
「BET」Music Video
「BET」MV Making Video

【lipper (CD Only)】DCCA-1154 2,200円(税込)
▼CD収録
1 BET
2 OUROBOROS
3 アメフラシ
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