【インタビュー】超学生 × チバニャン、「やるからには究極のプラモデルみたいなものを作りたい」

2025.08.02 20:00

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◾︎今後もチバニャンさんとはぜひ一緒にやっていきたい

──ユーモアとクールさの絶妙なバランスも、チバニャンさんと超学生さんの共通点ですね。

チバニャン:「真面目に不真面目」みたいなところを共鳴させたかったんですよね。歌詞ももっとクールな感じにひねることはできたけど、途中までやって「これ違うな」って思ったんです。《ピカピカお掃除/今日の帰りは何時になるかな♪》って、なんもひねってねえじゃん!と思われるようなことがやりたかったんです。

超学生:返り血を浴びているメイドのイメージだったので、結果的にはひねっていない、子どもっぽい感じがサイコパス的な怖さを倍増させているし、この後の落ちサビで英語詞が入ってくるところもポイントなんですよ。純粋無垢ゆえに愛憎に狂っているのかと思いきや、知能犯ではあるという(笑)。ここのバランスがすごくいいんですよね。

チバニャン:あまりにも馬鹿っぽくなりすぎても嫌じゃないですか。ただタイトルはすげえ迷ったんです。本当はもっとかっこいいタイトルにしようかと思ってた。でも「いや待てよ? 俺が作った曲ならパンチあるタイトルにしないとな?」って。それで最初に思い浮かんだのが「しゅきしゅきメイドマスカレイド」で。でもこれちょっと超学生くんを侮辱してないか……?という不安はあったんですよ。

超学生:タイトル案を3つくらい送ってくださって、「しゅきしゅきメイドマスカレイド」の横に「遊びすぎですかね?」ってかっこ書きがありましたね(笑)。

チバニャン:俺もちょっと悩んでるよ~という雰囲気を出しておいて(笑)。そしたら「しゅきしゅきメイドマスカレイド」を選んでくれました。

超学生:「しゅきしゅきメイドマスカレイド」がいちばんいいと思いました(笑)。

チバニャン:こういうものを面白がってくれる器のでかさも超学生くんだし、それもこれも超学生くんのひとりの人間としての音楽の愛し方、接し方が素晴らしいからだと思うんですよね。話すたびにこの人は音楽がほんとに好きなんだなあと感じるし、この曲がちゃんと完成したのは歌でこの曲の世界をしっかりはめ込んでくれたからだと思う。すごくエネルギーのあるテイクを送ってくれて、めっちゃミックスしやすかった。

超学生:チバニャンさんはどういう理由でこうしたのかとか、「ここの部分は自分でもすごく気に入っている」みたいに気持ちや考えを細かく伝えてくれるんですよね。ぼくとしても「こういう感じにするといいかな?」とイメージが湧いたし、仮歌もちょっと参考にさせてもらったりもして。あと、僕の声のキーにも合わせてくださっていると思うんですよね。いろんな観点から支えてもらったので、かなり歌いやすかったんです。

──超学生さんの具体的なイメージがチバニャンさんのイメージを刺激して、チバニャンさんが描きたいことが明確で、気に入っているところなどを細かく超学生さんに伝えたからこそ、それを超学生さんがボーカルで表現できたということですね。お話を聞いて、お互いのやりたいこと、テンションの上がることが気持ちよく共有できていたからこそ、制作がスムーズに楽しく進んだのだろうなと思いました。

チバニャン:やるからには究極のプラモデルみたいなものを作りたいじゃないですか。お互いのやりたいことと、相手にこういうことをやってほしいという要望が全部ちゃんと噛み合った感じがしますね。

超学生:だから今後もチバニャンさんとはぜひ一緒にやっていきたいんですよね。作れる曲調もものすごく広い方なので、チバニャンさんとほかにもいろんなことがやってみたいですし、さっきの話と重複しますけど制作中にチバニャンさんの気遣いに救われたんですよね。僕が喉を壊したことをSNSに書いたとき、リプライとかではなくすぐに直で連絡をくださって。

チバニャン:マジで心配したんだよね。超学生くんが喉を壊すって、俺が耳聞こえなくなるくらいバッド入ると思ったし。いても立ってもいられなくて連絡しちゃいました。やりたいことがあるのに物理的にできないってめっちゃ嫌ですよね。

超学生:「しゅきしゅきメイドマスカレイド」のメインボーカルを録り終わった翌日に体調を崩しちゃって、頑張ればなんとかなるという問題でもなくて「これじゃハモが録れない」「ほかにも録りたい曲があるのに」って相当バッド入ってました。だから連絡をいただいたとき、すごくありがたかったです。だから僕も手伝えることがあれば呼んでほしいです。

チバニャン:マジ!? 何してもらおうかな。面白いこと考えたいよね。一旦持ち帰っていろいろ考えてみる!

──おふたりだけでなく、もっといろんな人を巻き込んでも面白そうですね。お二方のスタンス的に“界隈”という概念を軽やかに越境できると思うので。

チバニャン:たしかに。もっと日本の音楽業界って、横に広がっていいと思うんですよね。海外だと大物アーティストがフットワーク軽くコラボレーションをしたりするじゃないですか。日本にはいいクリエイターがたくさんいるんだし、もっとみんな積極的に仲良くなるほうが個人のためにもなるし、日本の音楽シーンもさらに盛り上がるし、いいことしかねえなと思っているんです。だからこそもっと畑違いの人とも仲良くなりたいんですよね。畑を超えていきたい。

超学生:僕ずっと夢があって、めっちゃ巨大なDTMマンションを作りたいんですよ。家賃も下は6万から上は50〜60万みたいな感じで、いろんなキャリアの人が住めるマンションがあったらいいなって。

チバニャン:おもしれー! 現代のトキワ荘って感じだね。

超学生:みんな家が遠いし忙しいから、会うとなるとごはんや飲みに行くくらいで、何かを作るところまで至らないというか。しょっちゅう一緒に曲作りをしている人は、実は同じマンションに住んでるってことがあるらしいんですよね。これだけオンライン上でのやり取りが盛んだったとしても、すぐに会えるという環境は大事だと思うんです。作家さんと同じマンションに住んで、僕が買ったお菓子を毎日作家さんに差し入れしたい(笑)。

チバニャン:そこに映像作家やイラストレーター、アニメーターとかもいれば最強ですよね。すぐに作品が作れちゃう。いいね、夢が広がるね。

──おふたりともまだお若いので、ぜひ日本の未来を背負って立っていただいて。

チバニャン:いやー、俺はもう31になっちゃったから若くもなんともないです。五十肩にもなっちゃったし(笑)。

超学生:面白いとは言っちゃいけないけど、あれは完成されたツイートでしたね(笑)。

チバニャン:急に肩がバキッてなって、ものすごく痛くてこれ絶対骨折だ!と思ったの。そしたら整形外科で五十肩って言われて、でっかい注射打たれて。作家は1歩も動かなくても座ったまま生活できちゃうじゃん。そのときに「このままだったら俺、20年後には筋肉なくなって歩けなくなる」って血の気引いて、クリエイターの運動不足問題をもっと提起してかなきゃなと思った。原口沙輔くんと「筋トレ部作ろう」みたいな話をしましたね。

超学生:僕は趣味ですけど、2日に1回ぐらいのペースで外を走っていて。

チバニャン:それ絶対いいよね。走ると肺活量や三半規管鍛えられるから、ボーカリストには持ってこいだと思う。だからほんと運動部作らないとまずいですよ。……ってこの対談、運動不足の話題で終わるの!?

超学生:いい音楽は健康からということで(笑)。チバニャンさんがランニング部を発足する際はぜひ呼んでください。

取材・文◎沖さやこ

「しゅきしゅきメイドマスカレイド」
歌:超学生
作詞・作曲・編曲:チバニャン
配信日:2025年7月30日(水)
配信URL: https://lnk.to/maidmasquerade

<超学生 全国ホールワンマンツアー2025〜音欲の秋〜>
8/31(日)福岡・福岡国際会議場メインホール 開場 16:45 / 開演 17:30
9/15(月祝)愛知・岡谷鋼機名古屋公会堂 大ホール 開場16:45 / 開演 17:30
9/20(土)宮城・トークネットホール仙台大ホール 開場16:45 / 開演 17:30
9/23(火祝)東京・J:COMホール八王子 開場16:45 / 開演 17:30
10/5(日)大阪・NHK大阪ホール 開場16:45 / 開演 17:30

・料金・券種
指定席:¥7,700(税込)

・各プレイガイド一般発売
イープラス:https://eplus.jp/cho_gakusei/
ローソンチケット:https://l-tike.com/chogakusei/
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/chogakusei-tour2025
※現在は福岡・愛知・宮城公演のみ受付中

「超学生の仮面を脱ぐ夜 × SweetsParadise」
https://www.sweets-paradise.jp/collaboration/tyougakusei

【開催期間/店舗】
2025年10月2日(木)~10月29日(水)
スイーツパラダイス上野マルイ店
CAFE STAND OSAKA SWEETS PARADISE ※テイクアウト店舗
CAFE STAND KYOTO SWEETS PARADISE ※テイクアウト店舗

2025年10月2日(木)~10月15日(水)
スイーツパラダイス丸井大宮店
スイーツパラダイス広島パルコ店