【インタビュー】0.1gの誤算、ギタリスト河村友雪「一番好きなものは“友だち=0.1gの誤算”」

2025.08.01 18:00

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活動10年目を走行中の0.1gの誤算。8月13日、Zepp Diver Cityにて行われる河村友雪の生誕祭を皮切りに、大阪、名古屋のZepp会場をまわる過去最大規模のツアーが決定している。

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今回、そんな0.1gの誤算のギタリスト・河村友雪にインタビューを実施。彼のパーソナルな一面に迫ったところ、一番好きなものは「友だち=0.1gの誤算」であると、真っ直ぐな瞳で語ってくれた。

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──BARKS初登場なので、基本的なお話から聞かせてください。河村友雪さんの音楽的ルーツは?

河村友雪:3歳の頃からピアノを習っていました。父がトロンボーン、母がトランペットをしていたこともあって、妹も一緒にピアノ教室に行っていましたし、家ではクラシックが流れているような環境でした。でも、僕自身は運動が大好きで、水泳、野球、サッカー、体操と、いろんなスポーツをして、わんぱく、やんちゃな子どもでしたね。走るのも好きで、運動会では毎回リレーのアンカーに選ばれていました。小3から始めたバスケは高校まで続けていて、学生時代はバスケ一筋でした。

──ということは、子どもの頃の夢は、やはりスポーツ選手とかでしたか。

河村友雪:当時は明確な夢はなくて、「速く走りたい」とか「強くなりたい」とか、そういう気持ちはあったんですけど、スポーツ選手になりたいと思ったことはないです。祖父母が理美容室を営んでいたので、それを継ごうかなと思った時期はありました。でも、中学のときに音楽、バンドと出会い、高校入学後に「バンドマンになりたい」と本気で思うようになったので、それが初めて思い描いた将来の夢だと思います。

──スポーツ少年が音楽に目覚めるまでの話、とても気になります。

河村友雪:中学1年生のとき、出席番号がすぐ後ろの木村くんと仲良くなったんですけど、彼がドラムをやっていたんです。それで、バンドに誘われて、コピーバンドを組みました。木村くんは音楽にすごく詳しくて、楽譜の読み方なども教えてもらっていました。僕自身、hide(X JAPAN/ hide with Spread Beaver/zilch)さんに憧れていたので、楽器はギター以外考えてなかったです。木村くんもX JAPANが好きだったので、一緒に組んでいたコピーバンドでは、主に90年代のヴィジュアル系バンドの曲を選んでいました。高校も引き続き木村くんと一緒にバンドを組んでいました。でも、当時はまだバスケットボールの推薦で男子校に入学したのもあり、ギターは趣味程度に考えていました。ただ、毎日バスケのハードな練習をこなしていく中で、バスケ一本で勝負していくことに不安を感じ始めて。それと同時に、ギターをもっと本格的にやってみたいという気持ちが芽生えて、バスケ部の顧問の先生に「バンドがやりたいので、退部します」って伝えました。

──高校ではどんなバンドをされていましたか。

河村友雪:実は、高校2年生の頃に、ヴィジュアル系バンドから誘われて、事務所にも所属して。だから、高校の校長先生に「ライブ活動をしているから、髪が派手でも許してください」って、CDを持って話しに行って、髪もピアスもちゃんと許可をもらいました。

──バスケ部を辞めるときもそうですけど、ご自身の気持ちを周囲の大人に伝えて、きちんと筋を通しているのが格好良いですね。

河村友雪:改めて自分の学生時代を振り返ると、恥ずかしいですね(笑)。中学生の頃から見た目が派手で、茶髪だったり、高校入学後は顔にピアス開けたり……それから、新しいギターを買うお金やスタジオ代を稼ぐために学校を休んで原宿のカラコンショップでバイトしたり……と、しょっちゅう親が学校に呼び出されていました。母親にはたくさん迷惑をかけたので、ひとまず安心してもらおうと思って、校長室に行ったんです。最初は家族からバンド活動を反対されていましたが、ライブに招待して、実際に観てもらって、そこからようやく応援してもらえるようになりました。

──高校卒業後、0.1gの誤算との出会いについてもお話を聞かせていただけますか。

河村友雪:高校卒業後は、音楽専門学校のESPエンタテインメントに入学したんですけど、2年生の途中で0.1gの誤算の活動がスタートしたので、中退することになりました。大輔が同校の卒業生だということは、後になって知りました。大輔に続き、ESPエンタテインメントで学生向け講義のゲストとして登壇することも決まっているので、当日はいろんなことを話せたら良いなと思っています。当時教えてくれた先生もまだ学校にいるので、会えるのがとても楽しみですね。0.1gの誤算との出会いは、僕がまだセッションバンドを組んでいた頃に、ある日突然、裕宇さんから電話が掛かってきて「明日ちょっと話したいことがあるから、お昼に焼き肉行こうよ」って。そこで誘ってもらいました。曲を聴いたときに「かっこいい!」と思ったので、二つ返事で引き受けました。

──0.1gの誤算を組むまでのお話を伺ったところで、河村さんの好きなものと嫌いなものを教えていただけますか。

河村友雪:好きなものは「友だち」ですかね。友だちはやっぱり大切です。悩みがあったら聞いてくれるし、逆に自分も聞いてあげられるし。嫌いなものは、性格が悪い人とか、壁を作ってしまう人ですかね。初対面で話す時ってお互いに少し様子を見たりすると思うんですけど、仲良くしようと努力してくれる人が良いですね。僕が積極的に人と仲良くしたいタイプなので、同じような波長の人とは仲良くなることが多いです。それから、もう一つ苦手なものを挙げると、ホラー映画やホラーゲームですね。

──機材やライブでのステージングなど、音楽のこだわりはどういったところにありますか。

河村友雪:機材のこだわりは「難しいものを使わない」ことです。0.1gの誤算の結成から10年になりますけど、そのうちの8年間ぐらいはずっと同じアンプを使っています。中のソフトウェアも、新しい機能が付くのが嫌で、敢えてアップデートしていません。最新のほうがやっぱり便利になっていると思うんですけど、ライブ中にトラブルが発生しないように安心感のあるものを使用しています。極力シンプルにしたくて、ステージ機材の数自体も少なくしています。ギターも普段のライブでは常に同じものを1本使っていますが、それもかなりシンプルな仕様になっています。ありがたいことに最近、ステージ周りのスタッフさんが増えてきているので、みんなに伝えるときもシンプルな機材のほうが分かりやすいですしね。見た目的には光るタイプのものが好きです。ステージでは、事前に決めていることなどは特になく、感情の赴くままに表現しています。自分が良いライブだったと感じるときは、楽屋に戻ると、メンバーやスタッフさんも「良いライブだったね」って呟くんです。そんな風に、みんなで同じ気持ちを共有できていることが嬉しいです。

──髪型や衣装など、ビジュアル面のこだわりはありますか。

河村友雪:中性的なメイクをすることが多いです。その時のコンセプトによって女性的なメイク、男性的なメイクを使い分けているので、両方楽しんでくれるファンがたくさんいてくれるみたいです。なので、自分のこだわりというよりは、毎回ファンの方が喜んでくれるものを想像しながらヘアメイクに入っています。

──毎日欠かさずやっていることや、ライブの日に行うルーティーンはありますか。

河村友雪:毎日、自炊しています。最近、お米が高いじゃないですか。だから、ご飯は玄米を混ぜています。カレー、ハヤシライス、オムライスなどが得意です。それから、食でいうと、朝はコーヒー、夜は絶対にサプリメントと無塩のトマトジュースを1杯飲みます。睡眠に関しては、休みの日でも必ず9時までには起きるようにしています。たくさん寝て身体を休めるのも良いんですけど、寝るだけで休日を過ごすのは勿体ないなって。それなら早起きして、やることを済ませてからゆっくりしようと思って、3年ほど前から継続しています。ライブの日は、当日の朝にシャワーを浴びて、髪の毛をストレートにしてから会場入りしています。寝癖がついたままで行くと、ヘアメイクさんにも迷惑をかけてしまうので、ツアー中も毎回欠かさずおこなっています。

──そういえば河村さん、お誕生日が近くなってきましたね。8月13日はバースデーライブも予定されていますし、楽しみですね。

河村友雪:今年で30歳になります。世の中的に20代から30代に変わるラインって身構えてしまう方も多いんじゃないかなと思うんですけど、30歳だからこうしなきゃいけないとか、制限をかけるのは一番よくないなと思っていて。だって、バンド全体としてはまだ10歳ですから。まだまだ自由にやっていこうと思います。今年はツアーでZeppをまわるんですけど、バースデーライヴとしては、今までで一番大きな会場になります。次のステップに繋がるようなライヴにできると良いなと思っています。

──今後挑戦したいことを教えていただけますか。

河村友雪:今回の取材で色んな写真の撮影をしていただいたんですけど、僕自身こういう撮影が好きですし、モデルの仕事も少しずついただけるようになってきたので、今後はもっと自我を表現していければ良いなと思います。バンドとしては、まだ日本のバンドが一度も挑戦していないこと、自分たちにしか出来ないことをやっていけると良いなと思います。例えば、海外ライブでアフリカに行って、野生の動物たちに囲まれながら演奏したりとか (笑)。最近、ヴィジュアル系以外の界隈からもたくさんのお客さんに知ってもらえるようになったので、「ヴィジュアル系バンド=0.1gの誤算」って思ってもらえるぐらい、ファンの方を独占していきたいです。

──読者の方、ファンの皆様へメッセージをお願いします。

河村友雪:今後もいろいろと振り回してしまうこともあるかもしれませんが、自分のペースで良いので、ずっと応援してもらえると嬉しいです。皆さんが愛してくれた分、僕たちもお返しするので、これからもよろしくお願いします。

──0.1gの誤算のメンバーには、どのような思いを抱いていらっしゃいますか。

河村友雪:裕宇さんには、まず、0.1gの誤算に誘ってくれたことに感謝しています。これからもついて行くので、バンドを引っ張っていってくれると嬉しいなと、いつも思っています。水田くんは、普段から一緒に飲みに行くし、バンドの話も一番腹を割って話せる相手です。大輔は、高校の地元の友だちみたいな感じですかね。アニメとか漫画とか、好きなものも近いし、彼も身体を動かすのが好きなので、気が合う仲ですね。あと、いつも運転ありがとう。まさしは、実は出会いが一番古くて、自分が高校生の頃から対バンしていましたが、メンバーの中で一番ギャップがある人だなと思います。破天荒なキャラに見えますけど、根はすごく真面目なんですよね。一緒にバカできる友だちです。

──最後に、河村さんにとって、0.1gの誤算とはどういった存在でしょうか。

河村友雪:メンバーである以前に、やっぱり「大切な友だち」ですかね。さっき、このインタビューで好きなものは友だちだって答えたので、僕の一番好きなものはやっぱり、0.1gの誤算ってことになりますね。

文◎藤代冬馬(LINKSOLU.Inc)
写真◎上野宏幸(LINKSOLU.Inc)
衣装協力◎Moi-même-Moitié

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2025年
8月13日(水) Zepp Diver City
8月20日(水) Zepp Osaka Bayside
8月21日(木) Zepp Nagoya
9月10日(水) LINE CUBE SHIBUYA


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