【速報】対米同時多発テロにまつわる音楽情報 Vol.7
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【速報】同時多発テロにまつわる音楽情報 Vol.7 大変、痛ましい事件が起こりました。それに伴い、現在アメリカでのコンサート・イベント等のほとんどは、中止、あるいは延期となっています。日本来日公演などに関しましても、情報が入り次第、掲載いたします。 ※ニュースが入り次第、リアルタイムに更新いたします |
●モビーが2回目のフェスティヴァル“Area:Two”を計画。サイトでのFBI/CIAについてのコメントを弁明 |
Mobyの現在の関心は、9月11日(火)のテロ事件からの回復に努める地元ニューヨークの状況に向けられている。また、今年の夏にMoby主催で開催され、Outkast、Nelly Furtado、Incubasらが出演したフェスティヴァル・ツアーがかなり好評だったため、すでに来年の夏にむけて第2弾“Area:Two”の開催を考えている。 Mobyに今年の“Area:One”、来年の“Area:Two”の収支について尋ねた。 「金額的には、まあ、どういう見方をするかによるよね。損得なしのトントンってとこだったけど、毎年いろんな(フェスティヴァル)ツアーがあるなかで、“Lollapalooza”も“Lilith”も“OzzFest”も、ほとんどのツアーの1年目っていうのは、とんでもない額を失ってるんだ。だから、僕たちはチャラにできたってことにすごく喜んでるよ。みんな本当に楽しんでたし、楽屋でのみんなの仲間意識も素晴らしかった。すごく温かい感じで、みんな仲良くしてたよ。もちろん、来年もやるつもりさ。驚かないだろうけどタイトルは“Area:Two”。まあ、2回目ってことでね。」 またMobyは公式ウェブサイトに新しいメッセージを載せ、以前に掲載されたCIAとFBIを批判したメッセージの真意が誤って伝わっていることにショックを受けていると伝えた。彼が言いたかったのは、なぜテロ攻撃事件が起こってしまったのかという疑問であり、軍や前述の組織のメンバーの責任を追及したものではないということだ。 「何度も繰り返すけど、(事件で)僕は非常に動揺していて、あのアップデート(のメッセージ)を書いたときは、CIAやFBI、軍で働く人たちの責任であるとして非難したわけでは、まったく・本当にない」 |
●グラハム・ナッシュ、ラディンをヒットラーにたとえる |
Crosby Stills & NashのGraham Nashが、NYとワシントンD.C.を襲った先週のテロ攻撃について躊躇することなく思いを語った。2機目の航空機が世界貿易センターに衝突するのをテレビで観ていたNashは「これは(Osama) bin Ladenが描いた世界戦争のシナリオの序章だと思う。彼は東西の対立を望んでいる。彼は東側の軍事力をコントロールしたいんだと思う」と言う。 Nashはcrosbystillsnash.comのインタヴューでこう付け加えている。 「お言葉だけど、Osama bin Ladenの名は(Adolf)Hitlerと同じ意味だと思う。軽々しくこういう事を言っているわけではない。アフガニスタンはドイツと同じなんだ」 Nashはまた、バンド仲間のStephen StillsとDavid Crosbyと共に同情の意を表した。 「米国と人類に対する非常に嘆かわしい攻撃だ……誰もがこの事件に打ちのめされた。僕たちはニューヨーク、ワシントンD.C.、国防総省、そしてもちろんピッツバーグ郊外に墜落した飛行機の犠牲者とその家族や友人、命を落とした人すべてに心から哀悼の意を表している」 しかしNashは、bin Ladenは米国当局にとって馴染みの薄い人物ではないとも指摘する。 「アメリカがOsama bin Ladenを訓練したというのを覚えておいてもらいたい。これはなにも突飛な考えではない。米国が彼を育て、CIAが武装させ、'90年代初めのアフガニスタンとソ連の戦争で、ソ連に対抗するテロリストとして彼を訓練したんだ」 Crosby, Stills & Nashは9月18日(火)にテロ事件後初めての放送となる『The Tonight Show With Jay Leno』に出演する。彼らは愛国心に満ちたスタンダード「My Country Tis Of Thee」とバンドの曲「Find The Cost Of Freedom」を演奏する予定だ。 |
●ブリトニー・スピアーズとイン・シンクのJustin Timberlakeの基金がテロ犠牲者の遺族を援助 |
Britney Spearsの基金や、'N SYNCのJustin Timberlakeの基金を管理している公共共同チャリティ基金であるGiving Back Fund(givingback.org)では、同時多発テロ事件の犠牲者の遺族を援助するための基金、Victim's Fundを新設した。 同団体では、寄付金はすべて惨劇の被害者のために使われると発表している。Giving Back Fundではこの他にもVictim's Fundの資金集めとして、近日中にスペシャル・チャリティ・イベントを開催すべく、芸能人やスポーツ選手などに協力を呼びかけている。小切手、郵便為替による寄付金の送付は次の住所まで。 11500 W. Olympic Blvd., Suite 555 Los Angeles, California 90064, USA または 20 Park Plaza, Suite 1129, Boston, Massachusetts 02116, USA |
●Dave Matthews Band、シングルを“Everyday”に差し替え |
Dave Matthews Bandは、先週の同時多発テロ事件による人々の心理状況を考慮して、すでに決定していた「When The World Ends」(世界が終わるとき)のシングル・リリースがを取り止め、替わりに最新アルバムのタイトル曲である「Everyday」をリリースすることにした。 バンドの広報担当に確認したところ、メンバーはすでに“頭を切り替えて”、「Everyday」リリースの準備に入っているという。また、広報担当者は「When The World Ends」も実際は“前向きでゆかいな、元気のでる曲”なのだと弁護した。 「When The World Ends」は、来週からラジオでのオンエアが開始される予定だった。「Everyday」の発売日はまだ決定していない。 |
●Judas Priestのツアーが来年まで延期 |
Judas Priestは9月11日(火)にワシントンD.C.とニューヨークで起きたテロ事件のため今年の残りのツアー日程をすべてキャンセルした。バンドは現在、'02年初めにツアーを計画している。 彼らは声明の中で次のように語っている。 「中止の理由は誰にでも分かると思います。言うまでもないのですが、米国に同情し、犠牲となった人々に心から哀悼の意を表します。最終決定が出しだい、すぐに日程を発表します。もちろん購入済みのチケットはすべて有効です」 Judas Priestのヴォーカル、Tim “Ripper”Owensは、彼のバンドでのツアー経験は多少なりともOwensのストーリーがベースとなっている『Rock Star』でのMark Wahlbergのようなものではないと語る。 「ええと、あんな仕事になるとは思っても見なかったんだ、ホント。いつも真面目に捉えられてしまっている」「パーティーがあって、バカ騒ぎして、ステレオタイプなクレイジーさが出てくると思ったんだけど、そうじゃなかった。ステレオタイプだけど大部分が現実とは違う。ツアーバスやドレッシングルームにドラッグやシガレットはない。そこは本当にいい雰囲気で、プロの場所なんだ」 |
●Cranberriesがテロ事件の影響でヨーロッパでのプロモ・ツアーを短縮 |
9月11日に米国の東海岸で起こった同時多発テロ事件を受けて、Cranberriesがヨーロッパで行っていたプロモーション・ツアーを予定より早めに切り上げた。バンドの公式ウェブサイト(cranberries.ie)に簡潔なコメントが載せられている。 「メンバーは家族のそばにいるために戻ってきます」 ヨーロッパでのCranberriesのプロモーション・ツアーは、8月に米国内で行われたツアーと同様のもので、10月23日にMCA Recordsより米国発売される5thアルバム『Wake Up And Smell The Coffee』をサポートするものだった。アルバムからの1stシングル「Analyse」は、2週間前にBillboardのAdult Top 40チャートに初登場し、現在は31位となっている。 Cranberriesのヴォーカリスト、Delores O'Riordanが、このシングルが昔のCranberriesサウンドを思い起こさせるとしたら、それは偶然ではないと語る。 「これは、まあ、典型的なCranberriesのメロディックでアップビートのタイプの曲なのよね」 「これっていうのは、Stephen Streetが、彼が実際にプロデューサーという立場にいて、1st、2nd(アルバム)のサウンドをうまく捕えたんだと思う。彼が私たちと一緒に仕事をするときは、なんていうか、彼の制作方法としてある種のテクニックを持っていて、それが本当にちょうどうまくハマるのよ。だから、まあ、問題のないものをなんでわざわざ直す必要があるかしら?ってこと。彼とまた一緒にできて、うれしいわ」 Cranberriesは、'93年のデビューアルバム『Everybody Else Is Doing It, So Why Can't We?』と翌年の2ndアルバム『No Need To Argue』でStreetとコンビを組んでいた。 |
●ドゥワイト・ヨーカム、テロ事件で友人を失う |
9月11日(火)、ボストンからロサンゼルスへ向かう航空機のうちの1機がハイジャックされ、Dwight Yoakamの友人でビデオディレクターのCarolyn Mayer Beugが死亡した。 Yoakamは彼自身のサイトで次のように語っている。 「9月11日に国を襲った惨劇で命を奪われた人、愛する人や家族、友人を失った全ての人々を悼み、共に大きな悲しみを感じています。ここに心から祈りを捧げ、永遠の哀れみを表します」 「元同僚で友人のCarolyn Mayer Beugを失ったことを深く悼み、彼女の子供のLaurenとLindsey、Nickey、そして夫のJohnに深い悲しみと同情を覚えます。彼女と共にした仕事の一つひとつが心と記憶の中に残るでしょう」 Beugは'93年、Yoakamの“Ain't That Lonely Yet”“A Thousand Miles From Nowhere”“Fast As You”のビデオ3作品を監督した。 |
●パパ・ローチ、米国多発テロの影響で来日公演中止 |
9月27日(木)赤坂BLITZ、9月29日(土)ON AIR OSAKAで来日公演が予定されていたPapa Roach。残念ながら、9月11日(火)の米国同時多発テロの影響で来日が不可能となり、公演は中止となった。チケットは全て払い戻しとなる。 <払い戻し方法> 東京公演: ・お買い求めの各プレイガイドにて9月19日(水)~9月27日(木) ・当日会場にて17:00~20:00 [お問い合わせ]SMASH 03-3444-6751 大阪公演: ・お買い求めの各プレイガイドにて9月19日(水)~9月28日(金) ・当日会場にて17:00~20:00 [お問い合わせ]SMASH WEST 06-6361-0313 |
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