| ──では、自分の感性を研ぎ澄ますために何かしてる事などはあります?
中島:たぶん……私、自分のお家がすごく好きなんですよ(笑)。だから、家をいちばん好きな環境にするんですね。好きな色でまとめるとか、好きなものを置くとか、結構異常なぐらい気を遣うんですよ。きれい好きではないし片づけるのは下手なんだけど(笑)、いつでもひとりでいても楽しい環境に(家を)するんですね。外に出るより家でぼーっとしてるほうが、どこに行くよりも楽しくて。だから、家にいることで、研ぎ澄ましてはいないかもしれないですけど、自分を元に戻す感じですね。
──詞も家で書くことが多いですか?
中島:そうですね。でも詞はどこでもいいんですよ。移動中とか、待ち時間に書いてたりとか。曲を覚えといて、ずっと頭の中で歌いながらいると、あてはまるものがどこかに落ちてるんですよ。だから家にいる時より仕事中のほうがヒントはいっぱいあるかもしれない。
──来年、再来年と新たにチャレンジしたいことやアイディアはありますか?
中島:ないです。毎回ないですね。それが“毎回が初心”って感じなのかもしれない。いろいろ経験してくると先が見えてきて、変に器用になってくるんですよね。それで変な予想をしてしまうと、そこにしか行けないから。それよりは何も考えないほうがいちばん楽しめるんじゃないかなって思ってるんです。
──何も考えないというと、戦略を練るとかじゃなく常に無の状態で、きたものを受け容れる?
中島:んー、何かを狙ってとか、歌に余計な邪念はいらないですよ。何かね、目的が変わるのがいちばんいやなんですよ。私は別に売れたいわけじゃなくて、いい音楽をみんなに聴いてほしいだけで、“一番になりたい!”とかそういうことは考えてないんですね。私の周りのスタッフもそうなんですけど。いい音楽を出したら、それは全部後でついてくるんですよね。
──確かに。
中島:“一番になるには、今はこういうことをやって……”ってなったら全然意味が変わってきますよね? そういうやり方はなんぼでもできるんでしょうけど、そうなっちゃうと私の性格とやり方ではないから。ここで生きてる意味がなくなってくるんですよね。最初っから売れる/売れないは関係ないし、わからないし。売れたからみんなに聴いてもらえてるかっていうのもわからないし、売れてなくてもたくさんの人が聴いてるかもしれないし。そこが基準なんじゃなくて、自分で責任を持てるところまで曲を持っていけるか? が自分にとっては大事なんじゃないかな。
──最後に、このアルバムに何か言葉を添えてファンのみなさんに贈るとしたら、どういう言葉にします?
中島:何か……少し支えになれたらいいなって感じかな。聴く人にとって。
──では、今度ぜひ、中島さんの素敵なお部屋をBARKSに公開してください。
中島:フフ、どうしましょう?考えてみます(笑)。
取材/文●梶原有紀子 ■インタヴューのトップへ ■特集のトップへ |
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