【インタビュー】DEZERT、結成15周年に放つ2枚組全20曲収録のセルフタイトルアルバム完成「DEZERTをどうやって終わらせるか」

2026.10.30 12:00

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DEZERTが10月28日、メジャー2ndアルバム『DEZERT』をリリースした。結成15周年という新フェーズに突入した彼らの最新オリジナルフルアルバムは、全20曲収録2枚組の大ボリューム。加えて、アルバムタイトルに自らのバンド名を冠した作品として届けられる。

2025年6月からスタートした自身初の47都道府県ツアーおよび、同ツアーファイナルとなった2026年3月の幕張メッセ公演を大成功に収め、その約2ヶ月後には新たなツアー<study>をスタートさせるなど、破竹の勢いが物語るものはバンドのコンディションの良さ。Ken(L’Arc-en-Ciel)プロデュースの「「音楽」」、Amazonプライムドラマ『人間標本』挿入歌の「火花」をはじめとする既発曲に加え、メンバー全員が作曲を手掛けたナンバーも収録するなど、実にバラエティに富んだ楽曲の数々は、バンドの音楽的クオリティの高さを証明する仕上がりだ。

しかし、幕張メッセ公演終了後、バンドはシリアスな状況に置かれたという。「また、もがき苦しみながら、DEZERTとしてやっていくんだろうな」とはこのインタビューで語った千秋の言葉だが、続けること、終わること、どうやって今を生きていくのかということ…アルバム『DEZERT』に封じ込められたのは、バンドの等身大で赤裸々な現在。15周年というアニバーサリーイヤーに放たれた充実のアルバムについて、メンバー4人全員にじっくりと語ってもらったロングインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■「幕張メッセのライヴで一回止まろう」
■僕の人生でも大事な2ヶ月間だった

──結成15周年記念ホールツアー<DEZERT 15th ANNIVERSARY HALL TOUR 2026 “Welcome To My Beginning”>が9月、大阪・名古屋・東京の3都市で開催されました。そのファイナルとなった東京・Kanadevia Hall (TOKYO DOME CITY HALL)公演は、肩肘張らずとも力や華を持ったバンドの今が見えたステージでしたし、メジャー2ndアルバム『DEZERT』へとつながる意味合いでもいい手応えがあるライヴになったのでは、と感じていますが皆さんの感触はどうでしたか?

Miyako:わりといつも通りというか、そのときの自分やバンドができることを持って臨んだステージだったんです。今回はホールツアーといっても3本でしたけど、一本一本やりながら“ああでもないこうでもない”と毎回バンドで話しながらブラッシュアップを繰り返して、ファイナルのKanadevia Hallに臨めたんじゃないかな。

──SORAさんもMCで「めちゃくちゃ反省点もあるけど、めっちゃバンド楽しいなーって思った」と語っていました。

SORA:<Welcome To My Beginning>というタイトル通りのツアーになったかなって。ヴィジュアル系っていうものに対して、もっと考えてやっていきたい気持ちになったというか。もちろん音楽がベーシックにある上で、衣装やメイクももっと考えてステージ上がりたい。そこに意味と思いを込めて、やりたいことをやろうという、そういう勉強になりましたね。細かいことを言えばいろいろあったツアーですけど、伸びしろしかないなと。

Sacchan:成果や手応えという意味では、そもそも最初からそれを望みにいっていないので。みーちゃん(Miyako)が言ったように“今できることを持って臨んだ”ところ、SORAくんが言ったように“もっとやれることはたくさんあるな”っていう自覚に繋がったのが大きいかもしれないですね。前向きに未開拓の可能性を感じられたというか。そういう意味ではいい手応えがあったんじゃないかなっていう感じはします。

千秋(Vo)

──会場限定盤『Alternate4』リリース時の前回インタビューで千秋さんは、「このホールツアーで「「音楽」」を4人でしっかりと見せたい。この曲が4人で消化できるかどうかが肝になってる」という話をしていましたが、その達成感は得られたでしょうか?

千秋:「「音楽」」は3公演とも全部違ったんですよ。これが熱い。個人的に、「「音楽」」に関しては名古屋が一番よかったんですけど、大阪ももちろんよかったし、東京は僕の中では成長の余地があった。でも、“この曲ってそうやって形を変えてくれるんだな、すごいな”っていう発見はあったんですよ。いい演奏ができたっていうよりも、3公演全部で異なる顔が見られた…そういうことが認識できたっていうのは大きな収穫でしたね。

──ホールツアー<Welcome To My Beginning>ファイナルにあった晴れやかさは、アルバム『DEZERT』へ地続きで結びついていく感触があると思っているのですが、まず、今回のタイミングで『DEZERT』というセルフタイトルを冠したアルバムにするというアイデアは、どの段階で出たんですか?

千秋:これは、SORAくんが決めたんだっけ。

SORA:今年3月の幕張メッセワンマン<DEZERT 47 AREA ONEMAN TOUR GRAND FINAL 「僕らの音楽について」>が終わった後にメンバー4人で集まって、“これからDEZERTをどうしていくか”の話し合いをしていくなかで、「ちゃんと地に足をつけてバンドをやっていきたい」と僕がわがままを言って。メンバー各々に考え方がありますけど、僕は大前提として、「バンドを続けることが夢だ」っていうところに着地していたんです。バンドに限らず、何事も“続ける”って難しいことだし、改めてDEZERTっていうバンドにもっと深く向き合っていきたい気持ちが大きくあったので。

──それでセルフタイトルに。

SORA:KOЯNが『KOЯN』ってアルバムを出していたりするじゃないですか。シンプルに“そういうのいいな”っていう子供心も忘れたくなかったし、“今聴きたいと思うアルバムのタイトルはこれしかない”と思ったんです。ただ、メンバー各々が曲作りを進めて、楽曲が出揃ってきた中で、“生きていこう”っていうフックになる重要な言葉も出てきた。だから、タイトルは“生きる”とかそういうものにしたほうがいいのかなとか思って、そこで一度話し合いはしたんです。だけど結局、今話したような思いが強かったので、「『DEZERT』でいいんじゃない」ってところに着地しました。

Miyako (G)

──セルフタイトルのアルバムって、キャリアのなかでも節目になるというか、一回しかできない感じってあるじゃないですか?

SORA:いや。

千秋:『◯◯◯◯ 2』とかあるじゃないですか。

SORA:固定観念に流されたくなかったんです。『DEZERT 2』があってもいいし、僕らヘリクツ大王だから『DEZERT 0』でも『DEZERT 1.5』でもいい。そこに意味があればいいかなと思ってます、僕は。

千秋:カタカナの『デザート』でもいいし。

──では、今年3月の幕張メッセワンマン後の話し合いがあった上で、曲作りがスタートしていたということですね。

千秋:いや、僕は昨年から曲作りは始めていて。

──初の47都道府県ツアー<DEZERT 47 AREA ONEMAN TOUR ’25-’26 「あなたに会いに行くツアー」>を行いながら、曲作りも進めていたとは。

千秋:ただ、「とにかく幕張メッセのライヴで一回止まろう」じゃないですけど、「一旦それぞれ家に帰ろう」みたいな時間が2ヶ月くらいあったんです。だから、もともとレコード会社とは今年8月のアルバムリリース予定で進めていたんですけど、バンドでの話し合いとか解決しなきゃいけない問題とかもあったので、今回のアルバムはリリースが遅れたんですよ。その2ヶ月は、僕は人生でも大事な2ヶ月だったのかなと思いますね。

Sacchan (B)

──シリアスな話ですか。それは幕張メッセを終えて急遽「小休止が必要では?」となったんですか。

千秋:5月からコンセプトツアー<study>が始まることは決まってたし、あとあと大変になってくると思うけど、「一旦休もう」っていう。今、結構その皺寄せがきています(笑)。

──その2ヶ月間は、それぞれが自分自身やバンドについて見つめ直す時間にもなったと思いますが、Miyakoさんはどういうことを考えてましたか?

Miyako:何か考えていたというよりも……自分自身DEZERT以外にもいろんなバンドをやってきて、バンドって永遠に続くものじゃないと思っていた部分もあったんです。そんな中で、47都道府県ツアーを回ったり様々な活動があって、休憩が必要だっていう状況になった。改めて、CDを出して、ツアーを回って、こういう取材を受けて、みたいなことって当たり前じゃないなと。もちろん頭ではわかっていても、どこかルーティンのようにもなっていたし、休んだことで、休息時間も大事だなって思えた。ライヴの日はどうしてもライヴのことだけを考えてるし、ツアー中も他のことが手つかないぐらいツアーのことばかり考えていたし。47都道府県ツアーは1年間くらいかけて回っていたので、ずっと頭の中がそれでいっぱいになっていたから、一回フレッシュにできたっていう意味では、自分自身にとってもバンドにとっても、いい期間だったなって思います。

── 一旦止まろうとなったときは、再集合する時期もある程度決まっていたんですか?

千秋:(首を横にふりながら)結果、2ヶ月だったってことですね。

SORA (Dr)

──そう聞くと、こうして今アルバムが聴けてよかったなと思いますが、バンドになにがあったんでしょう。

千秋:でも、本当に特別なことではなく、ただ4人の人間がいて、スタッフや仲間もいる中で、横並びで歩くのって大事なんだなってことに気づくわけですよ、僕は。バンドって、ひとりが突っ走ろうがふたりが突っ走ろうが、調子悪いやつがいようが調子いいやつがいようが、それはそれで世界観が作れるし、いいなと思っていたんです。だけど、“続ける”っていうことにプライオリティを置くと、結構難しくて。何をもって続けるのか、ということですよね。お金がなくなっても続かないし。いろんなものが付随して、解決しなきゃいけない問題がいっぱい出てくるわけですよね、人間って。それをうやむやにしても大丈夫な組織だったらそれでいいんでしょうけど、うちはダメなんだろうなと思ったので。「全部話し合おうよ」っていうことだったんです。

──なるほど。

千秋:僕はずっといろんな人にDEZERTを知ってもらうことにプライオリティを置いていたんですけど、DEZERTってものがなくなると、それができなくなる。そういう至極簡単なことをみんなで共通認識して、今もバンドを続けている状態だと思います。「難しいよね、人生って」みたいな。「でも、それはそれでいいよね」って、またもがき苦しみながら、DEZERTとしてやっていくんだろうなという。別に、一旦休んで自然とまた集まったとか、そういう『少年ジャンプ』的なことはなく。めんどくせえ4人の大人が、時間をかけてねっちょりとまた集まったんです。

──そういう感じだったんですね、その2ヶ月間は。

千秋:いろんな課題がある中で、前回のインタビューで話したように「メンバー全員がそれぞれで曲を作ってこよう」となって。で、ばーっと曲を作っていく中で、僕も感じることがいっぱいあったし、それを曲に込めつつ、どんどん出来上がっていって。時間的には大変だったから、最後に滑り込みの曲もあったり、もっとできたこともいっぱいあったかもしれないけど、“今回はこの20曲でどうだ!”という。間違いなく今のDEZERTだなという感じはしています。

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