【インタビュー】宮﨑 薫、3年ぶりニューアルバム『Garden』リリース「ハードモードな人生も、心はイージーに笑い飛ばしたい」

2026.10.30 18:00

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シンガーソングライターの宮﨑 薫が、ニューアルバム『Garden』を10月30日にリリース。11月3日より同作を引っ提げた自身最大規模となる全国10都市14公演のツアー<宮﨑 薫 LIVE TOUR “GARDEN” 2026-2027>を開幕する。

前作のミニアルバムから約3年ぶりのアルバムとなる今作は、心の中にある、誰にも見えない“庭”をテーマに制作。迷いや葛藤、喪失を抱えながらも、自分自身と向き合い、受け入れ、再び歩き出していくまでが描かれている。

表題曲「Garden」から『ジャンクSPORTS』(フジテレビ)のエンディングテーマ「All Good」、父であるASKAのカバー曲「Cry」のリマスターバージョンまで収められた今作は、一部楽曲のプロデュースにASKAも参加。マスタリングは自身のルーツであるロンドンの名門・Metropolis Studiosで行うなど、彼女のこれまでの歩みと現在地、そしてその先に向かうための選び抜かれた全8曲が収録された。

凛とした聡明さと、思わず引き込まれる豊かな人間味。インタビューを通して伝わる彼女の人となりは、2012年のデビュー当時から自身の歌声と表現力をひたすらに磨き続け、父であるASKAと敬愛するデイヴィッド・フォスターとの共演という大舞台を経験しながらも、決して浮足立つことなく一人のアーティストとしての土台を愚直に築き上げてきたことが伺える。そんな誠実な足跡こそが、いま彼女が放つ輝きにさらに深みを与えている。

BARKSでは泥臭い時間も、咲き誇る瞬間もーーすべてを愛おしむ彼女のしなやかな強さに迫りながら、今作で変化した歌詞へのこだわり、曲に対する想い、ツアーに向けた話などをざっくばらんに訊いた。

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■ 人生の泥臭い時間も、すべてが大切な庭

──10月30日に待望のニューアルバム『Garden』がリリースされます。まずは現在の心境からお聞かせいただけますか?

宮﨑 薫: 新しいコンセプトとしてアルバムを出すのは、NEW EP『Beautiful』以来なので、約3年ぶりになるんですよね。かなり久しぶりにはなるんですけど、いまの自分が出来ること、やりたかったことをギュッと詰め込んだ1枚になりました。

──制作期間はどれくらいでしたか?

宮﨑: 頭の中に去年から“Garden”という言葉があったんですけど、制作は今年の春からはじめたので、5ヶ月くらいですね。「またツアーにまわりたい」「アルバムを作ろう」という気持ちで制作をはじめました。

──いまは昔と違い楽曲単位で曲を聴く方が増えましたよね。コンセプトを立てたアルバムをきっちり制作するスタイルも減ったと思いますが、そこはこだわって?

宮﨑:いまの時代とは違うかもしれないのですが、そこはこだわりました。今回はライブを重ねるなかで「こういう時にもっとこんな曲があったらいいな」というようなライブへの欲というか、気持ちが強くなって。セットリストやステージをイメージしながら作ったという点が、これまでのアルバム制作とは大きく違います。実際にライブ映像を見ながらプロデューサーさんやミュージシャンの方と話し合いながら作りました。

──以前から制作に対してストイックな印象がありますが、今回もそれは貫かれたのでしょうか?

宮﨑:今回も「納得のいくもの」というのは、自分の中のポリシーとして決めて選曲しました。じつは、今回のアルバムはもともと9曲入りの予定で進めていたのですが、もっと良くなるはずという思いから1曲は外して、最終的に8曲入りのアルバムになりました。

──そうだったんですね。アルバム誕生の経緯やコンセプトもお聞かせいただけますか?

宮﨑: 今回はタイトルの“Garden”という言葉が先に気持ちとしてありました。良い時があって、悪い時もある人生というものが、庭仕事や庭に例えられるというか……リンクしているなと思う部分がありました。草木も花も綺麗に咲いているだけではなく、そこに至るまでにかなり泥臭い時間を積まなければ咲かない。同じ環境で同じように育てているにも関わらず、こっちは花が咲かないとか、あっちは水をあげすぎてしまって根腐れしてしまうとか。

── アルバム『Garden』はそういった人生に近いと……。

宮﨑:そうですね。「ここ数年、自分の気持ちやこれからの歩み方に迷う時間があって」、落ち込んで「どうしていけばいいんだろう」と自分の人生や気持ちを振り返る時間が多かったんですよね。そんな泥臭い時間だったり、ちょっと芽が咲く希望の時間だったり、一つひとつの瞬間を切り取って、どれも私の一部であり人生だからこそ大切にしたいなと思いアルバムを作りました。

──特に表題曲「Garden」は心に深く響く等身大のメッセージが印象的でした。自分の心の中にある、誰にも見えない“庭”というコンセプトに向き合う作業は苦労する面も多かったですか?

宮﨑:伝えたいことやコンセプトはあったのですが、そのぶん言葉選びは苦労しました。「私の気持ちは本当にこの言葉とリンクしているのだろうか」「自分は納得がいくか」という部分と、「自分以外にもそれが届くのか」という意味で歌詞の部分は時間をかけて悩みました。いまだに手探りで、自分らしさを探しながらの作業ですね。今回は今の気持ちを素直に曲にできたらと思って、瞬間を切り取りました。

──表題曲「Garden」ではどのようなことに挑戦しましたか?

宮﨑:普段は曲を制作する時にはメロディー先行で作ることが多いのですが、今回は自分の気持ちに一番素直になりたかったので、この曲は詞先で書きました。そこからメロディをあわせ微調整したんですけど、サビの《もう大丈夫だよ 遅くなってごめんね》という歌詞は、最初のメモ書きの段階から変わらずに残っている核となる部分です。デビュー当時だったら、こういう歌詞を書くことはピンときていなかったと思います。楽曲制作やライブ活動をして、プロフェッショナルな方々と関わる中で、言葉選びに対する大切さが当時よりずっと強くなったからこそ書けた歌詞で、デビュー当時からかなり変化したところですね。

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