【インタビュー】未知との遭遇から始まる新たな物語、福澤 侑・spi・YUKIが語るXAOSXの挑戦

2026.10.20 08:00

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福澤 侑、spi、YUKI、Daiki、AKIRA TAKANO、阿部顕嵐、皇希、青海 伶が一堂に会して、2026年に始動したXAOSX(カオス)。スタイリッシュなサウンドと個性の異なる8名が織り成す華やかなボーカリゼーションをフィーチュアした彼らの音楽性は非常に魅力的(自ら作詞/作曲を手がけていることも注目!)だし、柔らかみと尖りを併せ持った独自の世界観も実にいい。福澤 侑、spi、YUKIをキャッチして、ミュージック・シーンを活性化させる存在になることを予感させるXAOSXについて、じっくりと話を聞いた。

――まずはXAOSXを結成した流れなどを話していただけますか?

福澤 侑:自分のこれから先の人生を冷静に考えた時に、正直このままでは面白くないなと思ったんです。ありがたいことにいろいろな仕事をさせてもらっているし安定もしているけど、「これ以上はあるのか?」というところから今のままではダメだと思って、新しいプロジェクトをやりたいなという気持ちになったんです。それで、一緒に音楽だったりエンタメをやりたいメンツに声を掛けさせてもらったという感じです。

spi:侑くんと同じように、自分のいる場所があって、そこで培ってきたものがありつつ「このままいくのかな… これでいいのかな?」と思っている人はいるわけですよ。僕も爆発的に売れているわけではなく、このまま歳だけとっていくのか…みたいに感じて、「このままじゃ嫌だ。なにか新しい領域にいきたい」と思うようになったんです。もっと突き抜けたいという思いを抱いた時に、ここ10年くらいは事務所を移籍したり、独立したり、フリーでやっていったり、グループの場合はメンバーがばらけることも多かったと思うんです。でも、もう束にならないといけない時代になったよね…というのがあって、侑くんはそういう時代を読む感覚みたいなものがすごく鋭いから、「1回、固まらね?」というのがあったんだと思う。それで、侑くんの思う「この人は光るものがある」という人達…自分で言うのもおこがましいですけど、原石みたいな人達ですよね…もっと光る余地がある人達、もっと磨けばもっといける人達を、侑くんがガッと集めたという印象です。みんなで次にいこう、そして次にいく姿勢…「今の自分じゃダメだ、次にいくんだ」と奮闘することによって、その背中を見せて人に刺激を与えたい、応援したいという意識で集まったんです。

YUKI:侑から新しいチームを一緒にやらないかという話をいただいたんですけど、侑とは昔から交流があって純粋に参加したいなと思いましたし、なにより侑の熱量が本当に凄くて、とりあえず好きな人を集めてチームを組むみたいなイージーなノリではなかった。今ふたりが話したようなことを、侑は事細かく話してくれたんです。「現状を超えて1個先へ進むためには、こういうプロジェクトをやるのがいいと思うんだよね」と誘ってくれて、僕はすぐにゴーサインを出しました。僕は侑やspiに比べてキャリアとかいろんなものはないので、自分ができることをちゃんと全うして、チームに貢献できたらいいなと思っています。

福澤 侑

――意欲的かつ真摯にさらなら高みを目指しているメンバーが揃っていることを感じます。新しいチームを組むにあたって、すでに突き抜けている人を1人、2人メンバーに入れるという選択肢はありませんでしたか?

spi:それはもちろんありましたし、今でもあります。僕らはクルーという形を採っていて、この8人でガッチリいくぞというよりは、人が増えることもあるかもしれないし、逆に減ってもいいよねというスタンスなんです。「もう自分は無理かも…」となったら全然抜けてくれと。逆に、もしいい人だったり、突き抜けている人でXAOSXの考え方に賛同してくれる人がいれば、もうガンガン入ってくれという感覚ではありますね。

福澤 侑:こういう仕事でソロで活動していると僕だけがプレイヤーだと思われがちですけど、本当にそんなことはなくて、一緒に作る人達…スタッフの方も、ちょっとだけ関わってもらう方も、全員あってのもので、たまたまお客さんの前に立っているのが僕ということなんです。ここまでの過程にはめちゃくちゃいろんな人の思いがあって、だからこそ、そのエネルギーや熱量を持っている人達が集まれば、絶対に面白いものが生まれるだろうなと思ったんです。XAOSXはなんとなく集めたわけじゃなくて、全員喋ったことのあるメンバーだし、いろんな仕事をしてきたメンバーだからこそ分かり合えるものがある。自分の心の中にはめちゃくちゃデカい宇宙が広がっているけど、これを表現するにはどうしたらいいんだろうとなった時に、そういうメンバーであることが大事だったし、誰ひとり個性が被っている人もいないんですよね。みんな思いが一緒で、その中で武器だったり、表現の仕方だったりが違っている。そのストーリーがXAOSXは大事なのかなと思っていて、「この8人がフルメンバーというわけじゃないよ」というのも、逆にシンガーやダンサーではない人が入ってきてもいいと思うんですよ。楽器が弾ける人だったり、DJの方だったり。いろんな人を巻き込んでいって、XAOSXをデカい組織にしたいなと思っています。

――グループのあり方も既成概念に捉われていないんですね。そして、XAOSXは音楽性の高さも注目です。2026年8月24日にデジタル・リリースされた1stシングル「XAOSX」はスタイリッシュかつ翳りを帯びていながら不良っぽさもあるという非常に魅力的な1曲です。

侑:「XAOSX」はこの3人と(青海)伶、それにトラックを作ってくれる人とスタジオに入るところから始まりました。いつもベースになるトラックを作ってもらっている子に「こういうプロジェクトを立ち上げようと思っているんだ」と音楽のイメージや方向性の話をして、その子と一緒にスタジオに入って、まずトラックができた。で、その場でみんなでメロディーを出していって、「じゃあ、この4人でちょっと録ってみようか」と、深夜に録ってスタジオで聴いて…という(笑)。

spi:夜の11時から深夜2時までスタジオに入るというのを、4日間くらいやったね。

侑:そう。「昨日録ったのはやっぱり違うな」と思って、また違うメロディーを乗せてみるということを繰り返したんです。

YUKI:「XAOSX」はヒップホップがベースになっているので、なんでもできるんですよ。メロラップもいけるし、ゴリゴリのラップもいけるという幅広さがある。そういう中で、メンバーの様子を見ながら綿密に落とし込んでいきました。特に1stシングルだったので僕もフックのメロディーは5個くらい作って、その中から選んでもらったりしたんです。そういう作業を繰り返して、最終的に今の形に落ち着いたのはスタジオでした。誰かひとりが作り込むんじゃなくて、その場にいるみんなが「これ、いいんじゃね?」となっていったのが強く印象に残っていますね。トラック的には、元々Bメロとかはめちゃくちゃ音が少なかったんですけど、そこに音を足して1曲を通してずっとテンションが途切れないようにしました。

spi:この曲の僕の関わり方は、「XAOSXが滞った時に出てくる人」という感じなんです(笑)。みんなが「わぁーっ」とノリよく積みあがっている時は「うん、うん」と聞いていて、「これ、どうする?」と止まった時に、「いや、この曲って、そもそも散らかっていたほうがいいんでしょ?纏まり過ぎじゃない?」みたいな。そこで、「そうだよね」となると、自分は引くという感じ。あとは、僕は元々ミュージカルとかヴェートーベンとかバッハといったクラシックばかりを聴いていた人なので、「spiさん、何かいいメロディーないですか?」と振られてアイディアを出すと、みんなの感覚にはないもので「いいね」ということになったりするんです。「XAOSX」を作った時も、僕はそういう立ち位置でした。

spi

――それぞれがグループにとって必要不可欠なピースになっていることを感じます。「XAOSX」は個性の異なる8人が織り成すボーカリゼーションも大きな聴きどころになっていますが、歌の振り分けはいつもどういうふうに決めているのでしょう?

福澤 侑:歌の振り分けは基本的に僕が決めているんですけど、みんなのキャラクターや、きっとここのパートをこの人に歌わせたら良くなるだろうなというイメージが自分の中にはあるんです。「XAOSX」を作った時は、デモや最初に4人でラフに録ったテイクを何回も聴いて、いろんなことを考えながら、それぞれが歌うパートを決めていきました。

YUKI:侑の振り分けは凄いんですよ。侑は演出家としての顔もあるからか、僕が思った振り分けとは違っていることがあるんだけど、その形で歌ってレコーディングしたのを聴くと、めちゃめちゃいいんです。「はい、ここが見せ場です」というよりは、この人にはここで華を持たせるみたいなバランスとアプローチがものすごく上手いんです。

――そこも大きなポイントと言えますね。そして、「XAOSX」の歌詞は「自分の感性を信じて、自分らしく生きろ」ということが歌われています。

福澤 侑:1stシングルということで、この曲は「僕らがこのメンバーで何を伝えたいのか」というところを歌いたいと思っていたので、それをYUKIに話して、一緒に考えていきました。まず僕ら自身がいいねと思える曲じゃないと、どんな人が聴いても響かないし、そもそも僕らが掲げたのは、僕らの今のファンの方達だけに届けるものではどれだけ目新しいことをしても永遠に広がらないから、僕らを知らない人達に聴いてもらうきっかけになるものを作ることだったんです。もちろん、今応援してくれている人達を置いていくわけではなくて、「一緒に、次のステージに登っていこうよ」というものです。僕らだけの話じゃなくて、みんなの人生にとってもなにかを始めたりするきっかけになれればいいなと思っていたので、奮い立たせる曲にしたいという話をYUKIにしました。

spi:この曲の歌詞は原案の0→1が侑で、YUKIが98くらいまで持って行って、残りの2が僕という感じでした(笑)。「なにか英語はないですか?」と聞かれた時に僕がパッと応えて「いいね」という感じ。

YUKI:僕の感性ですけど、「新しい世界を見せる」とか「俺らに着いてこいよ」というものって、ありがちじゃないですか。僕は、そのありがちをどうしても外したくて、そこについて侑がアドバイスをくれたんです。人に伝えたい時はネガティブさがあったほうが相手に伝わったりするし、かといって曲調的に勢いは殺したくない。と言いつつBメロとかはメロディーとクラップだけで持っていきたいというのがあって、そういうバランスを全部考えて歌詞を書き始めて、そこにもうひとつのテーマに「宇宙」というのがあったので、そこはすごく書きやすいポイントだったかな。「みんなで行こうぜ」というときに、そこにサブタイトルがあるかないかでは書きやすさが全然違うんですよ。相対性理論とか宇宙というテーマを混ぜて書いたことで、聴いた人に直接入ってくる後に宇宙に広がるものになりました。ずっと語りかけられているようなものではなくて、自分が考える余地があるものになって、それは良かったなと思います。

YUKI

――音楽を作るにあたって、あらゆる要素を突き詰めているからこそ上質な仕上がりになっていることが分かります。では、続いて9月21日にリリースされた2ndシングル「Peek Side」について話しましょう。

福澤 侑:「Peek Side」はXAOSXのゼロ章みたいな感じの楽曲で、「Peek Side」はテーマが「未知との遭遇」です。未知というのはエイリアンとかではなくて、どうして僕らがXAOSXをやろうと思ったのかという気持ち…何かそこに答えがあるから進むんじゃなくて、何があるか分からないけど、でも惹かれるから新しいことをやっていきたいという思いですね。その惹かれる感情が「未知との遭遇」ということです。正解も分からないし、この選択をすることで今の日常からは遠ざかる可能性もあるし、捨てる可能性もある。そういうことを歌っていて、と同時に「XAOSX」と同じく「僕らにも言えることだけど、あなた達もね」という曲になっています。

spi:僕はXAOSXの中で、わりと言語化担当なんです(笑)。「侑くんが言いたいことは、こういうことでしょ?」というのを人に伝わりやすく翻訳する役割で、侑くんが「こういう歌詞や方向性にしたい」という思いをフォローする役割。今回は僕が『アナと雪の女王 2』の「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」という曲をあげたんです。この曲も未知との遭遇というか、言っていることが近いんですよ。「呼ばれている…けど、最初は無視している。でも呼ばれている。それで、なんだか分からないけど行く」みたいな曲で、伝えたい世界観が似ているんですよね。なので英詞をガッツリ和訳して伝えたら「そうそうそう」みたいな。

――「Peek Side」はエモーショナルかつアーバンで、ダブも香り、さらに最後にメロウに展開するなど、この曲も秀でた構築力が光っています。

YUKI:この曲は、最初はすごくシンプルなトラックだったので、どうしようかなとちょっと思いました。僕は楽曲の方向性を決める時に1番苦労するんですけど、そこで侑が「Peek Side」という言葉を言ってくれたんです。Peekには覗くという意味があって、Peek Sideはもうひとつのサイドを覗くという造語なんですね。それを、侑から言われた時に凄いなと思いました。Peek Sideというワードにちなんで、この曲は好奇心みたいなものを表したくて、だったらもっとグチャグチャにしてもいいやと思って、Aメロは途中で音を止めて時間を巻き戻したり、2回目のインターもプラグインを使って、とにかく空間をバッと広げたり、いろいろなチャレンジをしました。アウトロもサイズを伸ばして歌をつけることにして、そうやって作っていくうちにインター・パートはコーラスが合うなと思ってハモリを作っていったら、その日のうちにバァーッとメロディーが出てきたので、それをみんなと共有したんですね。「Peek Side」では歌のつながりが大事だったので、spiさんに「レコーディング前にメンバー全員と1対1で話をして、侑とspiさん、僕がこの曲に込めた思いを伝えてほしい」とお願いをして、それを経てレコーディングしました。

Daiki
AKIRA TAKANO

――「Peek Side」も、丁寧に作り込まれていったんですね。そして、11月2日に1stフル・アルバム『888』がリリースされることがアナウンスされています。

福澤 侑:アルバムは、凄いことになっているよね(笑)。

spi&YUKI:うん(笑)。

福澤 侑:「XAOSX」や「Peek Side」と変わらない熱量でそのまま12曲やっているので。

YUKI:地獄でした(笑)。

福澤 侑:本当に、YUKIは地獄だったと思います(笑)。僕がなんとなくテーマを決めて、spiに話をして。spiが0→1を考える曲もあったりして、やりたいことを言って、それをYUKIがちゃんとまとめるという。僕やYUKI、spi以外のメンバーが歌詞を考えた曲とかも入っていますし。

YUKI:曲作りに関わったほうが、楽曲に対する思い入れがより深くなるので、みんなが作詞に関わるのは賛成。シングル以上にXAOSXのメンバーそれぞれの個性を味わってもらえるアルバムになって、良かったなと思いますね。ただ、作るのは本当に地獄でした(笑)。

――そ、そうでしょうね(笑)。さらに、11月9日にKT Zepp Yokohamaで1stライブも行われます。

阿部顕嵐
皇希
青海 伶

福澤 侑:表現者として強いメンバーが揃っているので、とにかくライブを観てほしいですね。いい楽曲とパフォーマンスを持っていって、観に来てくれる人達にちゃんと届けたいなと思っています。

spi:ライブをすることで、やっと表現として完成するなという印象がありますね。物作りをする時というのはアイディアと同時に「心と技と体」があると思うんです。「みんなでがんばって、アルバムを作りましょう」というのは「心」ですよね。楽曲に思いを込めたり、こういうものにしたいと考えたりすることで、そこに絶対に心が乗るから。それをトラックにどう落とし込むか、レコーディングするのは「技」。レコーディングした時点では、まだ「体」の部分ができていないんです。ライブが「体」で、ライブをして、お客さんが入って、そこで体現することで、やっと完成する。つまり11月のライブはXAOSXが生まれる瞬間なので、すごくワクワクしているし、ぜひそれを体感しに来てほしいです。

YUKI:作品を作る段階でXAOSXのビジュアルが見えていましたね。こういう曲にしたいという思いに加えて、ここでこういう動きをしたらいいのか、こういう演出をしたらいいんじゃないかと、作っている段階で見えていたので、それをライブでどう表現するかがめちゃめちゃ楽しみ。表現者としてステージに立っているメンバーが揃っているので、ありきたりの形には絶対にならないだろうし。観にきたら絶対に損させないようなライブになるんじゃないかなと思います。

――ライブも必見と言えますね。XAOSXの音源を聴かせていただいて、さらに今日皆さんのお話をうかがって、XAOSXの未来が本当に楽しみになりました。

YUKI:既存のダンス&ボーカルみたいなもの…それを否定する気は全くないんですけど、その感覚からちょっとはみ出るというのがすごく大事なことだと思うんです。XAOSXはそれができることを確信しているので、はみ出したところを思いきり出していきたいですね。

spi:強いて言えば『紅白歌合戦』を目指したいですね(笑)。でも、そういうことよりも、XAOSXを信じて続けていきたいよね。

福澤 侑:うん。僕らは僕らでやりたいことを、信念を持って提示していきたいと思っています。

YUKI:僕はXAOSXというものがひとつのジャンルになれば勝ちかなと思っています。ゴチャゴチャに作っている分、もしかしたら聴きにくいと感じる人もいるかもしれないけど、自分達がいいと思ったものをちゃんとやり続けることで、XAOSXというジャンルができると思うんです。今は音楽ジャンルも多様化してきていると同時に、そこに境界線はないし。自分達を信じて突き進んでいって、XAOSXに憧れる後続がたくさん出てくる。そんな未来を実現させるために、全力でXAOSXに取り組んでいこうと思っています。

取材・文◎村上孝之

XAOSX 1st Digital Album『888(クラップ)』

2026年11月2日リリース
1.Peek Side
2.XAOSX
3.TOXIC
4.Starlight
5.FATE
6.CROWN
7.UMBRA
8.ごきげんよう
9.Endless Blue
10.143
11.Universe
12.BUG

<888-THE REAL CLAP->

2026年11月9日
@KT Zepp Ypkohama
1 OPEN 14:30 START 15:30
2 OPEN 18:00 START 19:00

1Fスタンディング(XAOSX-GUMMY/01付き)︓11,500円 ※ドリンク代別
2F指定席(XAOSX-GUMMY/01付き)︓12,500円 ※ドリンク代別
10⽉17⽇(⼟)10:00 チケット⼀般発売スタート
[問]クリエイティブマンプロダクション 03-3499-6669(⽉・⽔・⾦ 12:00〜16:00)

◆XAOSXオフィシャルサイト