【インタビュー】愛美、原点回帰のEP「AIM STAR」で力強く鳴らす“渇望”の音楽

2026.10.16 12:00

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声優アーティスト・愛美が、10月14日にEP「AIM STAR」をリリース。これまで出演作においてキャラクターソングの提供を受けてきた藤永龍太郎(Elements Garden)や黒須克彦と“愛美”とタッグを組み、さらには自ら作曲にも挑戦。そこに4月に配信リリースした「ドラマチック逃避行」を加えた4曲収録のEPとして仕上がった。

そんな本作の制作にあたって、基盤になった想いは“原点回帰”。そこには本作の制作プロセスや、ここ最近の彼女に訪れた心境の変化が大きく関係していた。本稿ではそれら一つひとつの要素に丁寧に迫り、その想いを軸に生み出した新曲3曲に込めたものについてもたっぷり語ってもらった。

   ◆   ◆   ◆


──まずは今回のEPについて、どんなテーマのもと制作されたのかをお聞きしたいのですが。

愛美:今回は「輝く星を“狙って”上を目指す」という意味を込めて、「AIM STAR」というタイトルをつけて制作していきました。ただ、このEPを制作するきっかけになったのは、元々はプロデューサーさんから「カバーアルバムを作るのはどうだろう?」とご提案いただいたことだったんです。

──なるほど。最初はオリジナル想定ではなく。

愛美:そうですね。私はいろいろな音楽コンテンツに出演させていただいているので、「その中でターニングポイントになったようなキャラクターのキャラソンや、コンテンツの楽曲をカバーするのはどうか」と。それで選曲も進めていましたし、「オリジナル曲も入れたいね」なんて話もしていたんですけど、最終的に1枚に全てを収めるのは難しくなり、「じゃあ、そのキャラクターたちを原点として、そこからヒントを得て楽曲を作るのはどうか?」と発展して、こういった形を取ることになりました。

──そのままカバーするのとは違う形で、曲ごとのイメージの源泉という形で、当初のエッセンスを残したわけですね。

愛美:そうなんです。それで、改めて考えると私って、星に関連するキャラクターを演じることが多いことに気づいたんです。例えば、『BanG Dream!』の戸山香澄ちゃんや『アイドルマスター ミリオンライブ!』のジュリアとか。そういうキャラクターやコンテンツから繋がるような楽曲を作ろうと思って「STAR」をテーマにEPを作ることになりました。作曲家さんはそのコンテンツでお世話になった方々を指名させていただき『BanG Dream!』でお世話になった藤永龍太郎さんや『ミリオンライブ!』でお世話になった黒須克彦さんにオファーをさせていただきました。

──実はおふたりとも愛美さん本人名義への楽曲提供は今回が初なんですよね。それがすごく意外でしたし、驚きました。

愛美:たしかに!おふたりともいろいろな方に楽曲提供をされているから、今までご一緒していてもおかしくないですもんね。

──そして「STAR」をテーマに制作されていったわけですが、それがただの星ではなく“星を狙う”と発展していったのは、どういった想いからだったのでしょうか?

愛美:私は昔から、「スターになりたい」と公言していまして。しかも、カバーアルバムを提案してくれたプロデューサーさんが「原点回帰をテーマに作品を作りたい」と言ってくれたんですね。それを聞いて、「活動初期の気持ちや、活動するなかで出会ってきたキャラクターのことを思い返しながら作品づくりをするのも、すごくいいな」と思って。その“原点回帰”という言葉に様々なものが重なるなと思ったんです。だからこそ、タイトルを「AIM STAR」にしたんです。デビュー当時の「スターを狙う」という熱い気持ちみたいなものをタイトルにしたら、すごく勢いのあるEPになるように思いました。

──加えて、昨年リリースのハーフアルバム「A/CODE」は「新世界が始まる」という意味合いを込められたものだったので、その次に「星を狙う」作品が来ることでひとつ段階が上がったようにも感じました。

愛美:よりビジョンが明確になったような感じはします。サウンド的にも「A/CODE」でチャレンジしたハードめなサウンドから地続きの、かっこいい楽曲たちに仕上がっているので。新しい世界で、すごく勢いづいているような感じがします。

──ではその楽曲について、リード曲「AIM STAR」から順にお聞きしていきます。こちらは愛美さんが作詞を、藤永龍太郎さんが作編曲を手掛けられていますが、この曲単体のテーマはどのようなものなのでしょうか?

愛美:この曲はかなり作詞テーマに迷いまして、そもそもタイトル自体を「AIM STAR」にするかどうかもすごく悩んだんです。「アルバム名と同じタイトルを背負う楽曲にするのか?」って。でも「スターを目指すぞ」という気持ちとこの楽曲の勢いがすごく重なるところもあったし、サビのメロディに「AIM STAR」がすごくハメやすかったので、「AIM STAR」をタイトルにして、「星を狙う」という想いをテーマに歌詞を書きました。

──藤永さんに楽曲についてリクエストをされたんですか?

愛美:「ライブで優勝できる曲」とか、「ギターのリフが効いてる曲」とか……(笑)。

そういうざっくりとしたオーダーから、まずは藤永さんが汲み取ってくださったものを聴かせていただいて。そこからサウンド感を調整してもらったり。

──そのリテイクを経て、元のサウンドからどのように変わったんですか?

愛美:結構重心が低い感じのサウンドにして、ダークさも足していただきました。それは「A/CODE」以降はサウンド面がヘヴィになって、それからの1年間で「この路線で行きたいな」という想いが確信に変わったからなんです。やっぱり私と藤永さんのタッグというと、最初に『BanG Dream!』を思い浮かべる方も多いと思うんですね。でも、必ずしもそことはイコールじゃなくてよくて。もし『BanG Dream!』の要素を感じられるとしたら、特に最初の頃に強く掲げていた初期衝動の部分をピックアップして、歌詞に落とし込むことでポイントポイントでリンクすればいいかなと思ったんです。

──そこでもやはり、“原点回帰”で繋がる部分があるというか。

愛美:藤永さんは同じ『BanG Dream!』でも、Roseliaなど他のいろんなバンドにも曲を書いているので、「藤永さんの得意とするところのダークかっこいいを表現してほしいです」というお願いもしました。

──そんな楽曲を受けて、作詞するうえでは最終的にどんなことをテーマにされたんでしょうか?

愛美:幸せだった温かな環境から勇気を持って飛び出して、茨の道を進んでいく……という、覚悟の曲になりました。

──その覚悟というものは、どこから来たものなんですか?

愛美:そうですね……最近はお仕事もすごく順調にやらせていただいていまして。食べたいごはんも食べられるし(笑)、「いいリズムで生活ができてるな」という感覚があったんです。それで、ある種“幸せ”というか、「ひとつのゴールにたどり着いたんじゃないか?」みたいな気持ちで生きていたんですけど……そうしたら、創作ができなくなってしまって。

──満たされたことで。

愛美:不満がないから、伝えたいこともない……という状態になってしまったのかな?そこで私は、すごく危機感を感じたんです。それをそのまま受け入れて生きていくのもひとつの人生の形ではあるんでしょうけど、「その環境を抜け出そう」と思ったんです。

──そこから原点回帰の「スターになりたい」という想いも、もう一度出てきたというか。

愛美:本当はもっと売れたかったり、もっと違う景色が見たかったり、もっといろんなことに挑戦したい自分が確実にいて。そこに蓋をしてしまっていたんでしょうね。

──そうやってできたこの曲だからこそ、レコーディング中には他の曲とはまた違った想いが湧いてきたりもしたのでしょうか?

愛美:なんだかすごく、歌手デビュー当初を思い返したというか……「自分、こんな自由に歌えなかったよな」みたいに(笑)、成長を感じました。特にこの曲の歌詞は「スターになりたい」という初期衝動を頭に置きながら書いたというのもあって、本当にデビューしたばかりのことを思い出しました。

──星に手を伸ばす渇望感みたいなものが、歌声に色濃く乗っているような印象も受けました。

愛美:ただ、それに関連するところで、歌詞でも迷うところがありまして。「行くよ」とか「行かなくちゃ」みたいな言葉を多用しすぎかなと思って、レコーディング当日にもプロデューサーさんや藤永さんに相談したんです。「こんなに、『行きたい』の気持ちばかりでいいのかな?」みたいに(笑)。でも「このメロディにはこの歌詞のハマりがすごくいいから、全然いいんじゃない?」と言っていただけたのもあって、協議の結果この歌詞に落ち着いたんです。なのでそういう「とにかく、行動したい!」みたいな気持ちが、歌声にも詰まったのかなと思います(笑)。

──それぐらい多用されたからこそ、「ここを抜け出したい」という想いがより伝わるようにも思いますし。

愛美 そうなったらいいな、と思っています。

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