【ライブレポート】WEST.の“唯一無二を探す旅”

2026.05.06 04:00

Share

デビュー12周年のWEST.が、12枚目のフルアルバム『唯一無二』を引っ提げて全国9都市28公演を回るアリーナツアー<WEST. LIVE TOUR 2026 唯一無二>を開催。

3月21日の北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナから始まり、大阪・福岡・宮城を経て、5か所目の神奈川は5月5日・6日に横浜アリーナにて2日間3公演を行う。今回は、横浜アリーナ公演初日の、5月5日18時の公演をレポートする。

“唯一無二を探す旅”をテーマに、メンバー全員でファンの喜ぶ顔を想像しながら構成・演出を練り上げた今回のツアー。車(バン)やハイウェイをモチーフにしたセットのもと、7人が車に乗り込みガレージを飛び出すシーンから物語はスタートする。

冒頭でアルバムリード曲「これでいいのだ!」の《だ だ だ!だ!だだ!》の歌詞が画面に映り、メンバーがいないうちから、曲に乗せて客席からは息ぴったりの歌声が巻き起こる。観客の一体感に圧倒されていると、次の瞬間WEST.メンバーが登場。ファンの勢いを受けてか、メンバーからも明るく強いパワーを感じた。この曲はメンバーの重岡大毅が作詞・作曲・振付とのことで、WEST.のことを知り尽くした重岡だからこそ生み出せるキャッチ―でファンキーな言葉とメロディーはまさに“唯一無二”を体現しているようだった。

そのまま2曲目へと舵を切る前に、重岡が「俺たちに愛される準備できてる?超スーパー王道ラブソング聞いてみる?」「せーの?」と曲名を当てるようファンへ問いかけ、客席からも間髪入れずに正解の曲名が返ってきているところを目撃。阿吽の呼吸ができるファンとWEST.の結びつきの堅さに感動した。

スタートの勢いのままメインステージからセンターステージや花道へ散らばるメンバー。虹色に照らされたランウェイを歩き、数人ずつに分かれてファンのほうを見ながらまんべんなくパフォーマンスを見せていく。まとまって何人かで移動しているメンバーの間でも、歌う・踊る・ファンサービスと、隣にいるメンバーとは被らない動きがナチュラルに分担されていたのも流石だった。

「Drift‼」ではイントロが流れた瞬間客席から歓声が上がり、スモーク舞う中ムーディーな雰囲気でダイナミックなダンスを披露。ステージの1本道を7人並んで歩く姿のオーラは圧巻だった。

WEST.が“ミュージカル”と称するライブ恒例のコントは、<LIVE TOUR 2019 WESTV!>以来7年ぶりにメンバーが企画・構成・演出を担当。赤毛女子のNoncy(ノンシー:小瀧望)や金髪男子のHameida(ハメイダ:濵田崇裕)など、見た目にもこだわられた7人によって、アメリカンコメディ風のコミカルなコントが繰り広げられていた。

さらにコントのストーリーに絡めて、花いちもんめ風の振付を踊る楽しい楽曲や、誤解を解くため弁明に合わせて「ちゃうねんっ‼」を披露したりと、熱い展開を盛り上げる楽曲が散りばめられていた。コント終わりには、本当のミュージカルの幕引きのように、1人ずつ拍手を受けながらキメポーズして捌けていくところも印象的。

ミュージカルがひと段落すると動画が流れ、7人が乗り込んだ車内でのやり取りが展開。助手席の神山智洋が「盛り上がる曲かけようか」と、車のデッキにカセットをセットすると、パフォーマンスがスタート。コントの和やかな雰囲気から一転、サングラス姿で「パラパラしようぜ」とスマートにパラパラを踊ってみせたり、楽しいステージに魅了され、つい真似して踊ってみたくなる「大阪とんとんダンス」と次々に畳みかけ、ライブモード全開に。

かと思えば焚き火を囲んだ7人がピアノに鉄琴、カホンやアコースティックギターと1人ずつ楽器を手に、キャンプファイヤーを囲みアコースティック曲を弾き語り。演奏が終わるとチルい空気感の中、今日がこどもの日だということで、観客席にいつもより子どもたちが多いという話題に。そこから派生して、藤井流星は子ども時代も妹とはきょうだい喧嘩をしたことがないことや、小瀧が姪っ子の入園式に顔を出した話など、子ども関連の話題で盛り上がっていた。

キャンプファイヤーを経て夜を迎え、紗幕越しに正座や星空、月が投影されるなか、切なげな歌声を聴かせてみせ、レーザーライトと重低音の中、桐山照史の歌声に藤井・小瀧がかぶせてハーモニーを奏でたり、炎が燃えたぎるなかバンド演奏で力強く歌いフォーメーションダンスを披露したりと、息つく暇もないほど盛りだくさんの内容も余すところなく披露。タイプの違う楽曲が並んでいても、浮かずにひとつの物語として成立しているところもすごい。

トロッコタイムでは上の階のファンの近くまで移動し、流れるように見事なファンサービスを披露。トロッコに乗りながら、一つひとつ丁寧にファンへリアクションを返していく様子は、まさにプロアイドルだった。

「BUBBLEGUM」では赤ライトや青ライトを受けながらがっつりダンスを披露し、1人でカメラに抜かれる見せ場では藤井が投げキス、中間淳太はウインクをしてみせ、会場からは悲鳴が上がっていた。

ラストブロックはブラウンスーツで登場。バンドサウンドに合わせてノリノリで頭を振り、おしゃれな雰囲気であるのにおふざけ曲でもある大阪ソング「しらんけど」では、歌詞の中でWEST.が《知らんけど》を連発し、ファン側は《知らんのかい》とツッコミを入れる楽しいコールアンドレスポンスも。曲中で登場する“大阪”をライブ開催地である“横浜”に変えて歌っているのも粋だった。

そこから怒涛のラストスパートを駆け抜け、最後はWEST.から応援してくれるファンの方への“返信”として、愛と感謝が詰まった「リプライ」をパフォーマンス。7人でハモリ、心がこもった歌を届け、ハートフルなエンディングを迎えた。

『デビューから誰一人欠けることなく7人で歩んできたWEST.が今改めて問う“唯一無二”とは?』を探求する今回のツアー。お客さんと一緒に多才なジャンルの楽曲を巡りながらその答えを探しに行くというコンセプトがまさに表現されているライブだった。

目まぐるしいパフォーマンスでアンコール含む31曲を披露したWEST.。濃ゆい内容ながら重さを感じずに一瞬で2時間半が過ぎ去ってしまう、最初から最後まで楽しいWEST.らしいステージだった。13周年、14周年、15周年と先々の活躍も楽しみにしてしまうグループだ。

取材・文◎吉田 藍