【ライヴレポート】HYDE、オーケストラツアー<JEKYLL>開幕「みんなが知らない曲を演るので、宇宙で一番最初」

人間の二面性を象徴的に言い表したフレーズとして知られる“ジキルとハイド”。今春リリースされるアルバム『JEKYLL』を携えて繰り広げるHYDEのライヴは、二面性をはるかに超えた多面性に驚かされ、複合的に絡み合った魅力に惹き込まれ、圧倒されるものだった。
1月17日(土)、福島・けんしん郡山文化センター大ホールで開幕した<HYDE Orchestra Tour 2026 JEKYLL>。2025年11月には、キャリア史上最もヘヴィでラウドな“動”のアルバム『HYDE [INSIDE]』を携えた大規模ワールドツアーを終えたばかりだが、HYDEは立ち止まらなかった。オーディエンスとの熱狂空間をつくりあげた2025年の到達点を一旦離れ、また新たな頂へ。今春リリース予定の“静”のアルバム『JEKYLL』の全曲披露を中心とした自身5年ぶりとなるオーケストラツアーを早くもスタートさせたのだ。

「ようこそJEKYLLへ。HYDEです」という、意味が相反するような挨拶を、HYDEはいたずらっぽい笑いを含めて口にした。「初めてなので、新鮮」などと新曲尽くしの初日のフィーリングを語り、「みんなも座って、安心して楽しんでいってください。今日は人が頭上を転がることもないので(笑)」と、フロアがもみくちゃになった激しい“動”ツアーのカオスを振り返りながら、「ホールも久しぶり。近いね」と観客との距離感を懐かしんでいるようだった。
明かりの灯る鳥かごの傍ら、椅子に座ったり立ったりしながら歌うHYDEを中心に、ピアノ、ギター、ベース(コントラバス)、ドラム、パーカッション、コーラス隊、そして階段状になっている後方には管弦楽奏者がみっしりと並ぶ、総勢20名を超える壮大なオーケストラ編成でライヴは行われた。
『JEKYLL』は、ソロ1stアルバム『ROENTGEN』(2002年)の系譜を継ぐ静謐な作品で、通称『ROENTGEN II』として待望されていた続編。既にライヴで披露されてきた曲たちも含むが、大半がこの日初披露となる。オーケストラの生演奏という贅沢な形で届けられた楽曲たちは、一音目から最後の音が消えた後に漂う余韻まで、すべてが味わい深く芳醇だった。「『JEKYLL』、(ツアー前には)出ませんでしたけど、レコーディングはしていて、春ぐらいには出ます。『JEKYLL』の曲全部やります」とHYDEは宣言し、「今日は知らない曲をやるので。宇宙でいちばん最初、しかも郡山で」と特別感を煽っていく。
セットリストは『JEKYLL』収録曲だけではなく、L’Arc-en-Cielの楽曲や、TOMORROW ×TOGETHERの「SSS(Sending Secret Signals)」など他アーティストへの提供曲などのセルフカバーや、オーケストラアレンジで印象が激変した既存のソロ曲など、驚きと陶酔の連続だった。

オーケストラと一口で言っても、“格調高い”とか“クラシカルな”という形容では全く足りない多彩なアレンジで楽しませた。ある時はコントラバスのフレージングが洗練されたジャジーさを、またある時はホーンセクションがゴスペル風の朗らかさを醸し出したり。また、ハンドパンによる、くぐもった神秘的な響きがスペイシーな異世界を立ち上げたりと、受ける印象は信じられないほど多種多様だった。もちろん、その中心にはHYDEの極めて丁寧な歌、もっと言うならば“声”があり、口笛やブレスすら歌唱表現の重要な一部を成していた。
アレンジが斬新で、イントロでは何の曲が始まったのか分からず、HYDEが歌い始めてようやく“あの曲だったのか!”と気付かされる場面もあった。例えば、“動”のライヴを象徴するようなテンポが速く攻撃的なとある楽曲が、ジャジーに生まれ変わっていたのには唸らされた。滑らかなオーケストラサウンドに心地良さそうに身を揺らし、艶やかな歌声で観客を陶酔させていたHYDEが、有線マイクのコードを捌く瞬間だけは、鞭を打つような突発的な鋭い挙動を見せた。それはまるで、前世の記憶に残る“動のHYDE“が一瞬蘇ったかのようだった。静と動が共存し、過去と現在とが重なり合って未来へと進んでいく、そんなシンボリックな場面に思われた。
観客は着席した状態で鑑賞し、静寂を保って曲に聴き入り、終わるごとに大きな拍手を送った。全編張り詰めたムードかと言うとそうではなく、「福島はお酒が美味しいよね。飛露喜っていうお酒が好きで」など、HYDEの気さくなご当地トークには場内が沸く。また、ある時にはマイクを無造作に床に置き、郡山発祥の名物パン“クリームボックス”を頬張るという自由な行動も。オーケストラを携えたツアー初日であり、初披露の新曲多数という、緊張する要素が多そうな公演だったが、それをものともしないHYDE。チャーミングな人柄と空気感は観客にも伝わって、自然と温かなムードを醸し出すのだった。

オーケストラメンバーが並ぶ階段状のステージは、ランタンを思わせる質感の照明装置を兼ねていた。音と連動してまるで呼吸をするかのように光が灯ったり消えたり、感情を映すように色あいが移り変わったりしていく。黒い衣装を身に纏ったHYDEが、ある瞬間完全に闇にすっぽりと溶け込んでしまう照明演出は芸術的で、エンターテインメントとしては大胆な判断だったかもしれない。大掛かりなセットや演出はない中、視覚的にも強烈なインパクトを残したのは、「LAST SONG」。“動”のツアーでは、HYDEが血糊で上半身を真っ赤に染めて悶絶しながら絶唱し、忘れられない残像を刻んだあの曲が、全く新しい景色を見せてくれた。傷付いて打ちのめされていた主人公が救済される、物語のその先を観たように感じたが、首謀者HYDEの真意は果たしてどうだろうか?
「『ROENTGEN』をつくった時は、次は5年後かな?って。当時は毎年のようにつくってたから、強迫観念があって。それが10年後、20年後となって、最終的に四半世紀」と語り、『JEKYLL』リリースに至る道のりを振り返ったHYDE。「ツアーは『JEKYLL』を中心に、基本的に自分がやりたい曲をこのスタイルでやっていって、最終的にはウィーンで。観光大使ですからね」と語ったように、国内12ヶ所を1月から4月に掛けて回った後、5月25日には音楽の都ウィーン(オーストリア)にて追加公演が決定している。日本人ロックアーティスト初となる、ウィーンのオーケストラとの共演が実現する特別公演には期待しかない。なお、東京公演(東京ガーデンシアター)となる1月29日に触れ、「僕の誕生日なんです。誕生日にライヴをするような男になってしまいました(笑)。スタッフが会場を押えてくれるんですよ。平日なのに、そこの倍率がすごいことになってて……」とチケット争奪戦に言及すると、ファンは大きな拍手で讃えた。「そんなに僕のことが好きですか?」と問い掛けると、更なる大拍手が巻き起っていた。

これまでライヴでは様々なアレンジで披露してきたが、音源化は初となる「THE ABYSS」(1月29日リリース)について、「誕生日に“奈落(THE ABYSSの日本語訳)”という曲をリリースします(笑)。そのカップリングは「LAST SONG」。……まだまだ僕、音楽続けたいので、心配しないでください(笑)」と語り、ファンを安心させる場面もあった。
ソロワークの出発点となった大切な曲から未発表の新曲群まで、自身の歩みをダイジェストしたようなセットリスト。全てを受け容れて自由に、歌う喜びや音楽の楽しさを味わいながらステージに立っているように見えた。始まったばかりの<Orchestra Tour 2026 JEKYLL>。公演が終わるごとに細部を徹底的に修正し、磨き上げていく求道者HYDEが、オーケストラと共に今後どのように表現を深めていくのか、見つめ続けていきたい。
取材・文◎大前多恵
撮影◎石川浩章

■<HYDE Orchestra Tour 2026 JEKYLL>
1月17日(土) 福島・けんしん郡山文化センター (郡山市民文化センター) 大ホール
1月18日(日) 宮城・東京エレクトロンホール宮城
1月20日(火) 大阪・フェスティバルホール
1月21日(水) 大阪・フェスティバルホール
1月23日(金) 北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru
1月25日(日) 埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
1月29日(木) 東京・東京ガーデンシアター(有明)
3月01日(日) 香川・レクザムホール (香川県県⺠ホール)
3月13日(金) 広島・広島上野学園ホール
3月14日(土) 山口・山口KDDI維新ホール
3月21日(土) 愛知・愛知県芸術劇場 大ホール
3月22日(日) 愛知・愛知県芸術劇場 大ホール
3月24日(火) 福岡・福岡サンパレス
3月31日(火) 神奈川・ぴあアリーナMM
4月01日(水) 神奈川・ぴあアリーナMM
ツアー特設サイト:https://www.hyde.com/pages/jekyll2026

◾️<HYDE Orchestra Tour 2026 JEKYLL>中継&配信
▼映画館ライブ・ビューイング(日本国内)
・日時:2026年1月29日(木)19:00開演
・会場:全国各地の映画館 https://liveviewing.jp/hyde-jekyll/
※開場時間は映画館によって異なります。
※上映終了時刻が22時を超える可能性があるため、以下の地域では条例によりチケットのご購入及びご入場いただける年齢に制限がございます。ご購入前に必ずご確認ください。
※[群馬県、大阪府]18歳未満の方は保護者同伴に関わらず入場不可。
※[和歌山県]14歳未満の方は保護者同伴に関わらず入場不可。18歳未満(高校生以上)の方は保護者同伴の場合に限り入場可。
※[岐阜県、三重県、沖縄県]18歳未満の方は保護者同伴の場合に限り入場可。
※各映画館・施設は独自に年齢確認や運用を行っている場合があります。チケットをご購入の際は、必ずご利用予定の映画館HP等でご案内をご確認ください。
・料金:¥4,500(税込)
※全席指定
※3歳以上有料/3歳未満で座席をご使用の場合は有料
※プレイガイドでチケットをご購入の際は、チケット代以外に各種手数料がかかります。
【チケットスケジュール/お申込み】
一般発売(先着):1月25日(日)18:00~1月28日(水)12:00
・チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/hyde-tour2026-lv/
・セブン-イレブン店内のマルチコピー機
※おひとり様につき4枚までお申込みいただけます。
※一般発売は先着順となりますので、予定枚数に達し次第受付を終了いたします。
(問)チケットぴあ ヘルプページ:https://t.pia.jp/help/
※インターネットでのお申込みには、事前にプレイガイドの会員登録(無料)が必要になります。
※プレイガイドでは、システムメンテナンスのため、お申込み・お支払い・お受取り等の手続きをご利用いただけない時間がございます。詳しくはプレイガイドのホームページにてご確認ください。
▼ライブ配信
・日時:2026年1月29日(木) open18:45 / start19:00 ※JST
※アーカイブ配信期間:ライヴ配信終了後準備が整い次第~2月2日(月)23:59
・配信メディア:LIVESHIP
・料金:¥4,500(税込)
【チケット販売期間】
クレジットカード決済:2025年12月23日(火)20:00~2026年2月2日(月)20:30
コンビニ決済:2025年12月23日(火)20:00~2026年2月2日(月)20:00
・購入サイト(日本語):https://liveship.tokyo/hyde-jekyll/
・購入サイト(ENGLISH):https://liveship.tokyo/en/hyde-jekyll/
※ライヴ配信のチケットをお持ちの方は、アーカイブ配信期間中は何度でも視聴が可能です。
※アーカイブ配信期間が終了しますと視聴途中の場合も配信が終了いたしますのでご注意ください。
※アーカイブ配信については、一部編集が入る可能性がございます。ご了承ください。
・配信サイト海外ページ:https://liveviewing.jp/overseas/hyde-jekyll-eng/
※発表内容は状況に応じて、予告なく変更となる場合がございます。
情報サイト:https://liveviewing.jp/hyde-jekyll/
主催:VAMPROSE
配給:ライブ・ビューイング・ジャパン
©VAMPROSE Inc. All Rights Reserved.
◾️<HYDE Orchestra Tour 2026 JEKYLL in Wien>
日程:5月25日(月)19時30分開演予定
会場:Wiener Konzerthaus , Großer Saal / ウィーン・コンツェルトハウス 大ホール (オーストリア・ウィーン)
https://konzerthaus.at/de
▼チケット
販売開始:2026年1月上旬〜販売開始予定
会場販売チケット:70 〜 115 EUR
※券種 (チケットカテゴリ) による
▼日本発着旅行ツアー
2026年1月上旬~ファンクラブ会員先行で、専用受付サイトにて受付開始いたします。詳細は、2026年1月上旬にファンクラブにてご案内いたします。
出発日:2026年5月22日(金)、または23日(土)、または24日(日)
旅行期間:3泊5日または3泊6日
発着空港:成田空港・羽田空港・関西空港
旅行代金:462,000円~518,000円
旅行代金に含まれるもの:宿泊代(朝食付・2名1室利用)、往復航空券(エコノミークラス)、現地空港からホテルまでの往復送迎、コンサート会場までの往復送迎、コンサートチケット(1階席確約)、参加者限定オリジナルグッズ
ご旅行代金に含まれないもの:燃油サーチャージ、空港諸税、1名1室利用追加代金、ホテルでの朝食以外の食事代、集合前と解散後の費用および個人的性質の費用、旅券取得費用、電話代、荷物超過料金任意の海外旅行保険料
添乗員の有無:添乗員は同行しません。現地ガイドにてご案内いたします。
問い合わせ先:株式会社JTBビジネスソリューション事業本部 第三事業部
イベント企画:株式会社VAMPROSE
後援:オーストリア大使館観光部


■NEW SINGLE「THE ABYSS」
2026年1月29日(木) 発売
予約リンク:https://hyde.lnk.to/theabyssPR
【初回限定盤(CD+M∞CARD[エムカード])】
UICV-9344 / 2,420円(税込)
▼CD収録楽曲
M1:THE ABYSS
M2:LAST SONG – Orchestra ver. –
▼M∞CARD(エムカード)収録映像
・THE ABYSS Music Video
・THE ABYSS Music Video Documentary
※M∞CARD(エムカード)とは、QRコードおよびURLからアクセスしてPINコードを入力することで、スマホやPCに音楽コンテンツをダウンロードまたはストリーミングでお楽しみいただけるカード。
https://m-card.info/
※M∞CARD(エムカード)記載のQRコードおよびURLへの初回アクセスは、発売日から2年間(2028年1月28日)まで。
【通常盤(CDのみ)】
UICV-5089 / 1,320円(税込)
▼CD収録楽曲 ※初回限定盤と同様
M1:THE ABYSS
M2:LAST SONG – Orchestra ver. –
●全形態初回プレス封入特典:MONSTERS CHANCE 応募シリアルナンバー
※商品封入のシリアルナンバーで下記特典にそれぞれご応募いただけます。
①シングル購入者限定応募特典
特典内容:<HYDE Orchestra Tour 2026 JEKYLL>リハーサル見学ご招待
ご招待対象公演:3/21&22愛知県芸術劇場、3/31&4/1ぴあアリーナMM(計4公演)
応募期間:2026年1月29日(木)12:00~2月1日(日)23:59
※応募方法等詳しくは商品封入チラシをご覧ください。
②シングル&アルバム連動応募抽選特典
1/29発売のニューシングル「THE ABYSS」と来春リリース予定のニューアルバムの商品に封入されているシリアルナンバーで連動応募抽選特典にご応募いただけます。
詳細は後日発表いたします。
●CDショップ先着特典
・VAMPROSE STORE:A4クリアファイル
・Amazon:メガジャケ
・その他CDショップ共通特典:A2ポスター
関連リンク
◆<HYDE Orchestra Tour 2026 JEKYLL> 特設ページ
◆HYDE オフィシャルサイト
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