アルバム『オボレタ街』発売前の全曲試聴!
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AQUARIUS ―遂に完成したアルバム『オボレタ街』 期間限定全曲試聴!!!Nitro Microphone Undergroundの一員として多忙を極めるDELI(今年だけでリーダー作3枚!)と、 彼の旧知であるビートメイカーのYAKKOからなる“水瓶座”の意を持つプロデュース/ラップ・チーム、AQUARIUS。 彼らが遂に1stフル・アルバム『オボレタ街』を完成させた。
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<収録曲>(音符マークが試聴曲)
1 ココ東京 feat. BIG-O、DABO、S-WORD
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彼らの初フル・アルバム『オボレタ街』では、DELIの鋭角的で荒々しいラップは勿論、 2人が紡ぎ出す音の世界も負けずになかなか個性的だ。芯に固さを残した(まるでアルデンテのような?)端正なドラム、透明感を漂わす叙情的なメロディのセンス。 それはまさにグループ名から連想される清冽なイメージにほど近く、 事実デリは荒々しい声の隠で相当に無垢でセンチメンタルな歌詞を吐いている。 「今度もまたたまってく おなかに/バクハツしそうな ヨナカに/カラクリは わかってないのに/言っちゃえば すべてが正しい/もっと言えば すべて間違ってる(“カラクリ”)」 「調子はどーだ? そっちの方は/なあ兄弟 永遠なんてもんは言葉だけ/始まりありゃ終わるだけ/だから音にぶん投げる/だからお前の分まで/届いてっかな? 天まで(“合図”)」。 甘ったるさはなく、まるで突き放したような諦観の呟きやノスタルジーがある。そこから醸し出されるものは……トラックが湛える哀愁とも相俟って、 まるでUSのギャングスター・ラップの“それ”である。 そして“それ”は、このアルバムで2曲に客演しているTOKONA-Xがユーモアを介して発露させているものと同じだ。“それ”は、おそらく当人達が自然にやって作り出してるものだろうから、日本のヒップホップも相当な次元にまできたものだ、と心底感心する。 それにしても、このDELIとTOKONAのコンビネーションは凶悪だ。異形の声を持つ者同士、緊張感を声一つで生み出す者同士。出会いがまるで必然的にさえ聴こえてくる。 あと、ゲストにTAD’S A.C.(LUNCH TIME SPEAX)、P.H.という人選はかなり意外だったが、おそらくDELI独自の嗅覚がTOKONA同様の“それ”を彼らから嗅ぎ取ったのだろう。やはり必然的である。 文●古川 耕 |







