
──今回のアルバムは、全体のストーリー性の中に、過去の曲も入るということで、
組み立ては難しくありませんでした?
舞: そう思っていたんですけど、意外にハマってます。元からあった曲はその時々にわたしの思ったこと、
経験したことを書いてきたんですけど、アルバムのストーリーも私の経験したことに沿っているので、
不自然にはなりませんでした。
──ドラマの中の工藤 舞と、本当の工藤 舞の似ている部分と逆に“ここは違うな”という部分はありますか?
舞: 潔いとこは似てますね。心のスイッチのオン、オフが早いところは似てると思います。ただ、ドラマの舞ちゃんは
結構女らしくておしとやかなんですけど、実際のわたしはそうでもないかも(笑)。
──今回、ストーリーを作られたKenn Kato(EXILE、BoA、倖田來未などを手がける作詞家)さんはどんな方ですか?
舞: すごく気さくな方ですよ。話してるとすごく頭のいい方なんですけど、感覚が若いし楽しいし。だいぶ年は離れて
るんですけど、年の差を感じないんですよね。
──ストーリー作りや作詞といった作業は具体的にはどんな風に進めたのですか?
舞: 最初にわたしが結構詳しくKennさんにインタヴューされたんですよ。それを基にKennさんの中でストーリーを
ふくらませたんです。そうしてできた原作をもとに、今度は“こんなシチュエーションなんだけど、こういう感情を
(詞を)書いて”みたいにテーマを与えられて。だから、テーマがハッキリしてる書きやすさはありました。
ただ、これまでは自分の思ったことをわりとストレートに書くタイプだったので、前後で話が矛盾せず、アルバム
全体でストーリーが成り立つように表現や言葉には気を遣いましたね。
──すでにあった曲は、ドラマに合わせて後から歌詞を変えたりしたんですか?
舞: 「violet flow」と「If」という曲以外は書き直しました。「one」という曲は元「Repent」という曲で、
「You」という曲は元「You are」という曲なんですけよ。あと、これまで男の子から女の子に向けた視点の詞が
多かったんですけど、今回主人公が女の子なので、女の子の視点に書き直したものもあります。
──とくに気に入ってる曲はありますか?
舞: 「Why?」って曲がわたしの周りで一番評判がいいんですけど、(ドラマの主人公が)一番切ないときの心境の歌
なんですね。悲しみを共感するのって一番胸にぐっとくるなって思って。そういう思いを一杯したからかは分から
ないんですけど。結構昔から人に相談される方なんですよね。だから、詞もすんなり書けたりしたんですよ。