<Reading Festival2003>ライヴ・レポート【その2】 ベックが昔のヒット曲で沸かせる

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今年のレディングでは、BRMCのほかにもいくつかのLA出身のバンドが活躍している。期待を裏切ることのないBeckは、「New Pollution」「Where It's At」「Mixed Bizness」「Sexx Laws」などの古いヒット曲やNellyの「Hot In Herre」の騒々しいカヴァーをエネルギッシュに演奏し、メイン・ステージを揺るがした。一方、BeckのサイドマンだったJoey Waronker、Justin Meldal-Johnsenを中心とした新しいエレクトロ・ロック・ユニットのIma Robotがフェスティヴァルの意外なハイライトとして注目された。奇妙な髪型に上半身裸で登場したリード・シンガーのAlex Ebertは、『Idiot』時代のIggy Popに薄気味悪いほど似ており、強力でパンクなパフォーマンス(薬漬けのThe Carsといった感じ)でカーリング・ステージの観客を圧倒した。さらにBeckのB級版、ミネアポリスからLAに移住したHar Mar Superstar(別名Sean Tillman)は、ピンクの透けたケープやピチピチの下着を身につけ、水鉄砲を振り回すランジェリー姿のチア・リーダーを引き連れ登場、カーリング・ステージを80年代の『Hustler』誌の写真を思い起こさせるストリップ劇場へと変えた。Stevie Wonderの裏声を真似て歌ったり、Princeの『Controversy』の曲をローファイにしたようなテープをバックに流し、彼のようなチビでズングリ体型のRon Jeremy似のハゲでも、その気になればれっきとしたロック・スターになれることを証明した。カーリング・ステージは彼の1時間のショウを見ようというファンで満杯になり、スターは大胆にもこう宣言している。「このテントは俺には小さすぎる!」また「俺は素晴らしい」と何度も繰り返していたが、歓声から判断するに観客も同意しているようだった。さらに「俺とセックスしたい奴は誰だ?」と言い出した時には、テントにいたほとんど全ての人が歓声を上げ、Har Marは、肩をすくめ茶目っ気たっぷりに「だと思ったぜ!」と答えた。Har Marのショウは、彼のファンだと言われるJack Osbourne(前夜にゲストDJとして出演)やUsedのシンガーBert McCrackenがステージに飛び入りし、盛大で楽しくセクシーなダンスと共にクライマックスを迎えた。

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