女性のパワーを歌に乗せて届けたライヴイベント<音満開>、盛況にて幕を閉じる
この日、オープニング・アクトのkarutaはキーボードで弾き語り。優しい歌声で会場全体を包み込むステージングで、初々しさでスタート。つづく竹仲絵里は、アコースティックギターで弾き語る。新作「余韻」をはじめ「少年時代」(井上陽水)などのカヴァーも披露し、彼女のシンガーとしての安定性、ソングライターとしての才能を感じさせた。そして次に鳳山雅姫が登場。キーボードをバックに彼女はヴォーカルに専念。レコード会社移籍の合間を縫って、7/16に自主制作でアルバムをリリースした彼女は「この度、鳳山レコードの社長に就任しました鳳山です!」と自己紹介し、社長としてアルバムも抜かりなくアピール。中盤には、自作詩「忘れない」を朗読。辛いことが一度にやってきたときに読んだ本で“大切なことは忘れていたんじゃない、思い出せないだけ”という文に感銘を受けたことを元に作られた詩で、彼女の詩人としての赤裸々な表現が観る者に刻み込まれた。
次に我那覇美奈が登場。サポートギタリストを引き連れ、我那覇自身もギターを弾きながら歌う。彼女はエネルギッシュに歌い、今までしっとりと聴き入る雰囲気の会場を打ち破るかのよう。でもただ元気なだけでなく、「ねがい」(映画「あずみ」主題歌)のように、切なさや苦しさからのエネルギー放出系の歌もあり、彼女のスタイルは聴いていて小気味がよかった。

このライヴは不登校・引きこもりの人たちをフォローアップするチャリティーイベントだったのだが、こういうイベントには(表現としては月並みかもしれないが)女性シンガー達のパワーってのは、やはり小気味がいいなと感じる。女性のパワーを歌に乗せて届ける――それだけで感じるものがやはり大きいんだと。そして、今回参加したアーティストは特に“自分の名前を看板に背負ってる”という強い自負が意識無意識関係なく、あるのではないだろうか。それが彼女らの存在を強くしているだろう、と感じたイベントだった。