新作『ホーム』は日常の歌と、バンドアンサンブルの結晶

ポスト
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日常の歌とバンドアンサンブルの結晶。そして今いるところが“ホーム”

日常の小さな悲しみや歓びを、センシティヴに、
歌詞とサウンドの両面から 見事な一致をみせて表現しているGOING UNDER GROUND

今回9/11にリリースされる『ホーム』は、更に磨きがかかって、
ヴォーカル松本素生の木綿のような(シルクではない)歌声と、
一音一音丁寧なバンドアンサンブルで、彼らの世界を創りあげている。

そんなサウンドから、繊細なメンバー達なのかな、と思っていたけれど、
とても人当たりがよくて、幼なじみが集まったような雰囲気の5人が
BARKSのインタヴューに応えてくれた。

「普通のことを歌うってなんでもないことにみえるけど、非常に美しいことで…」

最新アルバム

『ホーム』

Victor Entertainment
2002年09月11日発売
VICL-60926 3,045(tax in)

1 さびしんぼう
2 シンドローム
3 ミラージュ
4 その事
5 少女
6 流線型
7 夜の宝石
8 タッシ
9 ステップ
10 ランブル
11 kodama



メンバーひとりひとりに迫る!
最後にはメッセージもあります!!!





2002年9月24日(火)@大阪BIG CAT

2002年9月26日(木)@SHIBUYA-AX

――まずアルバムタイトルの『ホーム』にすごく惹かれるのですが、この由来は?

河野:
このアルバムが全部できて、改めて曲を噛み締めて聴いたときに感じたことを一言で表現したいなって思ってたんです。

松本:
で、俺が『タウン・アンド・カントリー』ってどうだと。

河野:
それが惜しいって感じだったんですよ。で、そのこと話してたら途中で勘違いして「『ホーム・アンド・カントリー』だけど…」って言っちゃって、ホームって言葉がぽろっと出てきて、「あ、それ言い当ててるよ!」って。

――なるほど。GOINGの音はバンドサウンドですが、アンサンブルがしっかりしているので、フラストレーション発散とか逃避といったサウンドではなく、もっと日常的なものという感じですよね。

中澤:
音楽に何かを求めたりはしないですからね。音楽は好きなことのひとつ。

河野:
このバンドじゃなきゃダメだとか、ああ、やっててよかったってことはもちろん強く思うこともありますけど、でも1年通してみたりすると音楽だけじゃなくて、いろんなことしてますよね。

松本:
うん、そういう日常的な感じってすべて“過程”だと思うんですよ。毎日生活していくことも、目的があって達成しても、それは日々の過程で。その中で人と出会ったり別れたり、そういうのが素晴らしいな、それを歌いたいなって思ってるんです。

河野:
うん。普通に生きてるだけで、いろんなつらいこと悲しいこと楽しいことがありますからね。普通のこと歌うってなんでもないことにみえるけど、でも実は非常に美しいことでね。

――そういった松本さんの詞の内容と、バンドで奏でるサウンドとのイメージが見事に一致するんですが、メンバー間で歌詞に合わせてどうしようか、という話し合いはするのですか?

一同:しないですね。

松本:
今回、GOINGはまたすごくシンプルなサウンドになってるんだけど、自然とそうなっていったというか、そうならざるを得ない方向だったんだけど、それをみんながセッションで音出してるうちに、そうなっていってましたよね。

石原:
今回「少女」って曲はベース入れてないんですよ。前にもそういう曲があったときは「ベース入れたいなぁ」って思ってたんだけど、今回は自分から「入れないほうがいい」って。そう言える曲のよさを見つけられたっていうか。

伊藤:
僕なんかはキーボードって特性もあって、僕以外の4人の音ができてからキーボードつけたり、歌詞があってから最後につける場合もありますよ。

――なるほど。以心伝心で5人全員一致のサウンドができてきたようですが、後から持ってきた松本さんの歌詞を見て、「ええ? これ?」って意外性を感じたものはありましたか?

松本:
自分でこういう歌詞書いちゃったよ!って驚きはありますけどね(笑)。

中澤:
うん。そういうのに俺らのほうは慣れたけどね(笑)。

松本:
でもね、そういうところでみんなの驚きを磨耗にさせたくないなって思って、響きのいい言葉を入れたりしてるんです。たとえば「シンドローム」の<心のドアを開けておく>とか<大人になるという事は>とか。

――その<大人になる事は>の、その明確な答えは歌詞上にはないですけど、今、答えは出ましたか?

松本: 出ませんでした!

中澤: 言い切った(笑)。

松本:
出ないものだと思うし。そんなこと考えた時点で、もう答えなんて出ないよね。

――では、今日(8/6)時点で、みなさんそれぞれのお気に入りの曲はどれですか?

伊藤:
僕は、今朝「kodama」を聴いて出てきたんですよ。ちょっと眠たかったんで、これで目を覚まそうかなと(笑)。

中澤:
「ミラージュ」かな。シングルにもなって録りも早かったし、よく聴いてたんだけど、アルバムで、この位置に置いたらまた違う印象になって。ああ、いい曲だなって改めて惚れ直した。

河野:
僕は「タッシ」のにぎやかになってくる後半部分。レコーディング現場にいたスタッフ全員ブースに入れて歌ったんですよ。普段歌い慣れてない人がいるから、音もハズれちゃったりしてるんだけど、そのまま録音してね。その場面を思い出せば出すほど、このアルバムが好きになる。

石原:
ん~どれも甲乙つけがたいから、個人的なプレイで言えば、「夜の宝石」が演ってて気持ちいいんで好きですね。トランスできますね。

松本:
俺は、4、5、6曲の流れ。この曲の順番の流れが好き。4曲目インストなんだけど、ここからすごくプライベートな内側の感じで、「流線形」でまた開いていく感じがね、気にいってるんです。

――では、みなさんにとってのホームは?

松本:
ホームって、そこから出るところでもあり戻るところでもあるし。そう考えたら結局どこにいても同じじゃないかなって思って。だから、僕にとってホームは、今いるところ、ですね。

伊藤:
うん。どこにいてもホームな気持ちがあればいいんじゃないかな。

――では、アウェイは?

松本: ない!

中澤:
俺、サッカー大好きなんですけど、浦和レッズファンでね。敵地で危機のときはアウェイを痛感しますね!(笑)

文●星野まり子

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