『Echo Park』 ポニーキャニオン PCCY-01498 2001年04月04日発売 2,548(tax in)
1 Standing On The Edge 2 Buck Rogers 3 Piece By Piece 4 Seven Days In The Sun 5 We Can't Rewind 6 Turn 7 Choke 8 Oxygen 9 Tell All Your Friends 10 Under The Weather 11 Bug 12 ジャスト・ア・デイ* 13 パープル* 14 ヘッズ* 15 21stセンチュリー・メルトダウン* (*:日本語版ボーナス・トラック)
『Seven Days In The Sun』 ポニーキャニオン PCCY-01521 2001年7月18日発売 2,310(tax in)
1Seven Days In The Sun-Radio Edit 2Satelite News 3Home For Summer 4Reminders 5Forever Glow 6We The Electronic 7W.I.T. 8High(Acoustic Version) 9Dry(Acoustic Version)
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■フジロックでの様子はこちら
フィーダーからバークスへメッセージが届いています。
| ――フジロックではじめてライヴを観させていただいたんですけど、正直CDで聴くイメージを大きく上回る素晴らしい内容でしたよ。
グラント・ニコラス(Vo&G、以下G): ありがとう。僕らもそういう(CDよりもライヴが良い)バンドが大好きだし、常々そうありたいと思っているからね。それに僕らの良さはCDを聴いただけじゃ伝わらないよ。
――今回は2度目のフジロックですが、今回出演するにあたってどういう気持ちで臨みましたか?
ジョン・リー(Dr、以下J): とにかくヘタなショウだけはできないと思ったよ。遠路はるばるくるわけだからね(笑)。
タカ・ヒロセ(B、以下T): (英語で)「Just A Day」って曲をやったんだけど、あれは世界ではじめてライヴでやる曲。つまり、ワールド・プレミアだったんだよね。
――お客さんの反応はどうでした?
G:開始20分前までは人が少なくてヒヤヒヤだったんだ(笑)。でも、やってるうちに会場が入りきらないくらいの盛況になっててホッとすると同時に嬉しかったよ。
T:今回、前回と決定的に違ってたところは、ファンが僕らの曲を覚えてきてくれたことだね。前は「知らないけどたまたま来た」みたいな人が多かった印象があったけど、今回は純粋に僕ら目当てに来ているのが実感として確信できたよ。
J:そうだね。自分でこういうのもナンだけど、僕ら今イギリスじゃかなり大きいところでやっていて自信もつけてたから、あんまり寂しいのは落ち込むなと思ってたんだけど(笑)。まあ、たとえシケてても楽しくやろうとは思ってたけど、結果的には良かったよ。
――フィーダーの出演した日の裏のステージでは、オアシスやマニック・ストリート・プリーチャーズやトラヴィスといったUKの国民的人気バンドがやってたわけですが、「アイツらに負けてたまるか!」みたいな対抗心を抱いたりはしなかったですか?
G:ハハハ。まったくもってフレンドリーだったよ。実際にオアシスのノエルは僕らの楽屋にも来てくれたりしたし。どうやら彼、イギリスで何度か僕らのライヴを観てくれて気に入ってくれてるみたいでね。そんな感じだからライバル心とかはなかったね。
J:そういう対抗心はイギリスに帰ってから燃やせばいいんだよ(笑)。海外ではとりあえず仲良くね(笑)。
――ライヴを観て改めて思ったんですが、やはりフィーダーはライヴでたたきあげてきたバンドであることを改めて実感しました。
G:もとがライヴで育ったってのもあるけど、今は特にライヴをするのが楽しいモードでもあるんだ。ツアーを重ねていくと、ときどき飽き飽きする時がでてくるんだけど、今はちょうどまたエンジンが入ってきた時期でね。
T:それにもう今回でアルバム3枚目でしょ。曲数が多くなってきてライヴの選曲にも幅があるから、ライヴのセットリストも何通りにでもできる。そうやって毎回ライヴの選曲を変えてるんだ。それでいつもリフレッシュしてやることができてるんだと思うよ。その方が僕らもお客さんも楽しめるからね。
――アルバムを3枚出したことで、選曲面もそうですけど、フィーダー自身のサウンドやライヴも確立されたような気が僕にはします。
一同:おおっ!それは嬉しいね!
J:今回のアルバムのレコーディングで各人の音が確立されたのは事実だね。プロデューサーをはじめて外部から起用したのが効いてると思うよ。
T:あと、エンジニアのマットが、僕らの音をとても把握してくれていてね。彼がレコーディングのみならずライヴでも音作りをしてくれるから、安心していられるんだ。
G:あと曲作りにしても、今回のアルバムは自信があったんだ。2ndアルバムはアメリカを9ヶ月もツアーして廻って慌てて作ったから、実はどうやって曲を使ったのかも覚えてないよ(笑)。その点、今回は腰を落ち着けてゆっくり作れたからね。
――今回のアルバムは(ピクシーズやフー・ファイターズを手掛けた)名匠ギル・ノ ートンのプロデュースですよね。聴いていて僕は彼が作る音のマジックも感じたんですが。
G:たしかにギルはグレイトなプロデューサーだよね。でも今回のアルバムはそれだけじゃない。僕らバンド自身のケミストリーが万全だったこと、これもあるんだ。とにかく、デモの段階から最後までほとんど僕ら3人の意見がピタリと合っていたんだからね。だから正確には、僕らのピタリと合った波長の上にギルという大ベテランが良いケミストリーをさらにもたらしたんだ。
T:そしてさっきも言ったけど、エンジニアのマットの存在も不可欠だよ。ギルが普段使ってるエンジニアじゃなく、僕らがいつもお願いしているエンジニアでやれたこと、これも大きかったんだよね。
――今、ケミストリーと言いましたが、バンドとしてでなく、一人のソングライターとしてのグラントにはどんなケミストリーが起こりましたか?
G:まあ、人間100%満足なんてことはありえないことだとは思うけど、それでも今作はこれまでの作品の中で最高のものが作れたという自信は確実にあるよ。当初のヴィジョンも達成できたと思ってるしね。
――その「当初のヴィジョン」と言うのは?
G:まずは、初期のフィーダー・サウンドに立ち返ること。それから、やっぱり前のアルバムが時間がなくて消化不良に終わっちゃったから、今度はちゃんと僕ら3人がお互い納得できるまでゆっくりと前準備をしてアルバムを作ること、これだけは絶対にしたかったね。あと、アルバムとしては、イントロとアウトロがあって、その間にある曲が僕達をどこかの旅へ連れていってくれるみたいな、そんなものを作りたかったね。そしてあと、いい曲ね。それが作れないと問題外だからね。
――今作は、フィーダーがかねてから持っていた攻撃性と、前作で見られたメロウな歌心という両面がガッチリと結実した作品になったと思いますが。
G:うん。でも、僕らバンドをはじめた10年前からそれはずっと変わらないんだ。それは子供のときに聴いたバンドの影響も強いのかもしれない。パンクしかやらないパンク・バンドもそれはそれで良いものでもあるけど、ソングライターとしての視点からでは、やはりそれだけではつまらないな。レッド・ツェッペリンやニルヴァーナ、スマッシング・パンプキンズなんかはヘヴィな面とアコースティックな美しさを両方表現できるよね。ああいうのはやっぱり好きだな。
T:最近アメリカのバンドでラジオから流れた1曲が良くてアルバム買ったら、全部それと同じような曲ばっかりでつまんないことがあるんだよね(笑)。そういうのはイヤだよね。
G:別にいろいろな曲をやることで、人々を混乱させたいわけじゃない。特に曲のコンセプトなんて僕らは考えない。やりたいことを自然にやった結果がああなだけなんだ。
――子供のときの音楽的なヒーローは誰なんですか?
G:セックス・ピストルズ、ポリス、レッド・ツェッペリン、ヴァン・ヘイレン、あとはジョン・レノン。ジョンにはソングライターとしても影響を受けたしね。
J:エンターティナーとしてフレディ・マーキュリーだね。でも、僕の場合はパンクからポップなものまで何でも好きで聴いてたな。特定のレッテルを貼るのが好きじゃないんだ。フィーダーにしてもそれはそう。フィーダーを一言で言うなら”ギター・ミュージック”、それでいいと思うよ。
T:ズバリ、KISSのジーン・シモンズ(笑)!
――今、“ギター・ミュージック”って言い方をしましたけど、フィーダーがデビュ ーしたときと比較すると、今のイギリスはハードなギター・ミュージックが受け入れられるようになったんじゃないですか?
J:ああ、や~っとね(笑)。
G:去年のクリスマスぐらいから、急に僕らみたいなハードエッジなギター・バンドに注目が集まるようになったんだ。これまではせいぜい僕らよりちょっとマイルドなステレオフォニックスが売れてるぐらいでさ。僕らみたいなハードなバンドなんてチャートに全く反映されなかったもんだよ。で、その風向きが変わった矢先に僕らのシングル(「バック・ロジャース」)がトップ10に入ってしまった。ホント、ラッキーだったよ。
T:特にグランジ・ブームが終わってからはイギリスはトラヴィスとかコールドプレイみたいなメロウなバンドが人気あったからね。
G:とか言って、トラヴィスと僕らのファンって不思議とかぶってるんだけど(笑)。でも、僕らみたいな音楽が注目されるのに時間はかかったのは確かだね。少なくともイギリスじゃ早すぎたよ。「アメリカに行けば成功できるのかな」なんて何度思ったことか。でも、幸い僕らには昔から根強いカルト・ファンがいてくれたからね。僕達みたいに「ポスト・ニルヴァーナ」って呼ばれたバンドはいくつも現われては消えていったけど、僕達が残れたのはファンのおかげだと思うよ。
――じゃあ、「シーンの生き残り」としての自信はついたんじゃないですか?
G:いやいや、僕らはそんな貫禄あるバンドじゃないよ。いつまでも若い、いや若作り(笑)。まだまだバンドとしてもやることがあるしね。
――今回でイギリスでのブレイクは決定的になりましたけど、もっと広く世界へ飛び 出す気はありますか?
J:まだ、イギリスを制覇した実感はないな。もっと攻めたいところだね(笑)。
G:世界中のもっともっと多くの人には確かに聴いて欲しいね。でもね、これには難しい点もあってね。もし、僕らがアメリカに的を絞って活動してたら、逆に今僕らがイギリスで受けた成功は得られなかったかもしれないしね。僕らはイギリスのインディで長く地道にやってたら結果的に成功した。だからきっと、これからも息の長い活動をやっていけると思ってるんだけどね(笑)。
――世界と言えば、日本はタカさんの祖国でもあります。日本の印象はいかがですか?
G:最初は文化が違いすぎてカルチャー・ショックだけど、慣れちゃったね。
J:自制心がある。タカは別だけど(笑)。あと、フジロックでも顕著だったけど、しっかりオーガナイズされてるし、清潔。楽しい場所だよね。モス・バーガーもうまい(笑)。だから僕はあまりカルチャー・ショックはない。むしろタカの方がショックなはずだ(笑)。
――えっ、タカさん、日本にカルチャー・ショックってあるんですか?
T:(はじめて日本語で)ロンドンに渡って10年でしょ。だからたまに東京に帰るとさあ、「あれっ、東京ってこんなにデカい街だったっけ?」なんて思うワケ。ニューヨークとかロンドンより全然大きいからね。
――でも、タカさんみたいな「来日アーティストとしての日本人」なんて、過去に前例がちょっと思いつかないですよね。
T:運が良かったんだよ(笑)。
G:それ、ただ単にタカの前例になりそうな人が、悪いことでもして日本に帰れなくなったからじゃないのか?(一同爆笑)。 |
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