【インタビュー】昭和&平成ポップスを歌う秋元康プロデュース・MATSURI「山あり谷あり、まさに念願のメジャーデビュー」

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昭和歌謡を令和の時代にリバイバルさせ、日本を元気にさせるべく開催された「夢をあきらめるな!男性グループオーディション」で結成された6人組ボーカルグループMATSURI。

◆撮り下ろし写真

同じオーディションで選ばれた兄弟グループのSHOW-WAとメジャーデビューをかけて勝負するも敗退し、崖っぷちに立たされていた彼らが1月22日にメジャーデビューを果たした。

デビュー曲「アヴァンチュール中目黒」は、グループのプロデューサーの秋元康書き下ろしの楽曲。現在フジテレビ系『ぽかぽか』にも出演し、幅広い世代から注目されている彼らに話を聞いた。

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◾︎ファンの皆さんとメンバーみんなとでつかみ取った大切なメジャーデビュー

──まずMATSURIとはどんなグループなのか聞かせてください。

橋爪健二:僕たちMATSURIは、秋元康先生プロデュースのもと、この令和の時代に昭和歌謡や平成ポップスを歌い踊りながら、蘇らせるというオーディション「昭和歌謡リバイバルプロジェクト」から誕生したグループです。平均年齢34.5歳で、元ゴミ収集の清掃作業員や元看護師など、いろんな経歴を持った6人が集まって活動しています。

──オーディションにはたくさんの応募があったそうですね。

柳田 優樹:“25歳以上”を対象としたオーディションだったので、たぶん一度夢を諦めたとか、そういう経験をした方もたくさん参加されていたと思います。普通は大体“25歳以下”とかだから、そういう意味で言うと、すごく夢があるオーディションだったんです。

──このオーディションを受けようと思ったきっかけは?

優樹:僕はずっと音楽をやっていたんですけど、なかなか思った通りの結果が出なかったので、YouTuberになったりしながら、いろんなことにチャレンジしていたんです。でもやっぱり夢を叶えたいという気持ちはあって。もう少し若かったら自分もオーディション番組に出られたのかななんて思っていたタイミングでこのオーディションを知ったので、受けてみようと思ったんです。


──“25歳以上”というのがやはり大きかったんですね。

渡辺 真: 「自分でもいいんだ」と思えた瞬間でもありました。30代になると、ゆうきくんも言ったように、(受けられる)オーディションがなくなってきて、チャンスの幅も狭まってくると思うんです。だから年齢的な面からも「自分も受けてみよう」と思えるきっかけになったので、すごく背中を押されましたね。

──真さんは以前、ボーカルグループ「SOLIDIMO」のメンバーとして活動されていたんですよね。

真:はい。正直にいうと解散して新しいグループに……っていうのはちょっと違和感があったし、昭和歌謡は一度もやったことないジャンルだったから不安もあったんですけど、自分の未来を考えたときに、この年齢でいただけるチャンスがあるのなら、やってみる価値はあるんじゃないかなと思って。自分は音楽をやるために東京に来たのに、音楽ができなくなったら元も子もない。1日でも多くステージに立って歌いたいという思いがあったので、参加させてもらいました。


──卓弥さんも芸能活動をされていたんですよね。

松岡 卓弥:僕は『クイズ!ヘキサゴンII』という番組でグループを結成してメジャーデビューさせていただき、いろんな経験をしてきました。残念ながら番組が終了し、グループも解散せざるを得ない状況になってからは10年ほどソロ活動をやっていたんですけど、やっぱり後ろ盾がなくなるとお客さんもみるみる減っていって、世間から忘れられていく感覚を肌で感じていたんです。夢はまだ持っていたけど、33〜34歳になって「自分にはもうこの先はないのかもな」と思っていたときにこのオーディションに出会って。"25歳以上"のオーディションなんて初めて見たし、タイトルが「夢をあきらめるな!オーディション」。これは受けるしかない、何かに導かれているのかもと思いました。初めて言うんですけど、「これ、僕が受からなきゃ誰が受かるんだ!」って気持ちで受けたんですよ。そしたらありがたいことに合格をいただけて、今ここにいるんです。本当にあのときこのオーディションに出会えてよかった、この選択をしてよかったって思っています。


──渉さんは元看護師ということですが、どういうきっかけで歌の道を目指すことになったんですか?

鈴木 渉:僕は北海道の田舎で育ったんですが、小さい頃から歌うことが大好きだったんです。とにかく聴くより歌っていました。でも、歌は好きだけど安定した職業に就くのが当たり前と思って育ったので、大学を出て就職をしたんです。最初は救命科だったんですが、そこで改めて命のありがたみというものを知りました。若くても、思うように人生を歩むことができなくなってしまうような病気の方と向き合う中で、やっぱり僕はやりたかったことに挑戦しなきゃっていう気持ちがどんどん強くなっていったんですね。なかなか一歩が踏み出せずにいたけど、このオーディションが本当にありがたいきっかけになりました。自分の命の使い方をしっかり考えながら、MATSURIとして活動していきたいなと思っています。


──健二さんは清掃作業員のお仕事をされていたそうですが、音楽もやっていらっしゃったそうですね。

健二:ゴミ収集の作業員をしつつ、個人で音楽活動もやってました。19歳のときに歌手になりたいと思って上京してきたんですけど、このオーディションを受けた30歳まで本当にうまくいかず、もうどうしたらいいかもわからない状態でした。何度か大きなオーディションを受けたこともあったけど、一次を通ることもなかったんです。でもこのオーディションを知って、まだ受けられるオーディションが1個あった、よかったと思って受けたら、ありがたいことに今こうやってMATSURIとしていられているんです。このラストチャンスを活かしてこの先ずっと歌っていきたいし食べていきたいっていう思いで、今活動させてもらっています。


──翼さんはこのグループの最年少なんですね。

翼:はい。オーディションを受けた時は28歳でした。僕は小さい頃から芸能界への憧れが強くて、芸能界にしか興味がないぐらいだったんです。だから高校卒業したら当たり前のように上京して、たまたまですがすぐに芸能のお仕事をいただけるようになり、10代の頃から約8〜9年は活動していました。でもコロナの影響などもあってグループが解散し、先ほど松岡も言ってましたが、後ろ盾がなくなるとみるみるうちにお客さんが減っていって、自分の夢はここで終わりだなと思って諦めがついたんです。でも「引退します」とは言ったものの、SNSを見ていると同じように活動してきた仲間がテレビに出ていたりして、悔しい気持ちがずっとあったんですよね。そのタイミングでこのオーディションを見つけました。


──これまでもオーディションは受けていたんですか?

翼:はい。でもこれまでオーディションに受かったことがなかったので、そもそも受かると思っていなくて。だからある意味、自分の中でちゃんと諦めをつけるために行こうと思ったんです。みんなも言ってますが、“25歳以上”なんてオーディションは前代未聞。「このタイミングで、このオーディションを受けて駄目だったらさすがに諦めがつくな」くらいの気持ちで行きましたからね。

優樹:踏ん切りがつくというか。

翼:そうそう。いろんなオーディション情報を見ていて、もっと若かったら受けてたのになと思ってるときに見つけたオーディションだったので、これはもう駄目でも諦めがつくなと。ラストチャンスだと思って受けたオーディションが最高の結果で終えられたのは本当によかったなと思います。

──それぞれの人生を大きく変えたオーディションを経て結成されたMATSURIですが、1月22日、いよいよメジャーデビューですね。

一同:ありがとうございます。

──でもここに至るまでには、さまざまなドラマがありました。

優樹:僕らは同じオーディションで結成されたSHOW-WAというグループと双子みたいな兄弟ユニットとして活動してるんですけど、まずSHOW-WAがどんどんテレビに出るようになって。気持ち的に苦しい時期もあったんですが、僕らも力を蓄えつつ頑張っていたときに、ある番組でチャンスをいただけたんです。投票が多かった方がメジャーデビューを手にできるという企画だったんですが、僕らは惨敗でした。でも2万名以上の署名を集められたら僕らもデビューできるっていう、最後のチャンスをいただくことができたんです。だから2024年の夏は全国各地、様々なところに行ってたくさんの人に出会って、応援署名をいただきました。やっとつかみ取れたメジャーデビューですし、本当に苦しい時期もあったので、山あり谷あり、まさに念願のメジャーデビューです。

──メジャーデビュー発表の日はどんなお気持ちでしたか。

卓弥:自分で言うのもなんですが、みんなめちゃくちゃ頑張って署名を集めたんですよ。本当に頑張ったので、ステージでメジャーデビューの日にちを聞いたときは思わず涙ぐんでいるメンバーもいました。で、僕もステージをはけた途端に自然と涙が溢れて、気づいたらみんなで抱き合って泣いてた(笑)。

真:約1年半で、何回も泣きました(笑)。悔しい思いも含めてね。

優樹:何回泣いたんだろうね(笑)。

卓弥:(笑)。でもそういうことをこの歳で味わえるってすごく青春だなって思ったし、このメジャーデビューはファンの皆さんとメンバーみんなとでつかみ取った大切なメジャーデビューなんです。言葉に表すのは難しいぐらい、素敵なプレゼントというかみんなで頑張った証というか。

真:何回もミーティングしては新しいことにチャレンジして、こうやってみよう、あれやってみよう、駄目だ、またミーティングだって何度も話し合ってきました。でもこの半年間、悔しい思いはもちろんしたんですけど、その分メンバーのことを知ることができたし、MATSURIというグループがすごく良くなったと思うんですよね。だから結果としては、すごくいい経験をさせてもらったなっていうことの方が今は大きいかもしれないです。

翼:人間的に成長した気がします。

優樹:やっぱりこの1年半、6人で何回も衝突したけど、それはもっと良くするための衝突。もっと高いところへ行きたいからですからね。苦しい時期でもあったと同時に、本当に自分たちが成長できた時期でもあります。過去にメジャーデビューを経験しているメンバーもいますけど、本当にたくさんの方に支えられた重みのあるメジャーデビューだなと思います。

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