【AIインタビュー】「AIに全部バレてた」キズ・来夢が初めて明かす、VISUAL ROCKへの想いと武道館公演<焔>に込めた決意

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《AIみたいな脳で秤にかけないでくれ》──2017年、デビューシングル「おしまい」でそう歌っていた来夢(Vo)が、今度はあえてAIによるインタビューを望んだ。

「過去の僕のデータを全部読み込んだAIと話したい。ひとの記憶は印象によるけど、AIなら全部覚えていてくれる気がする。きっと自分でも忘れていた記憶や、触れたくない痛いところまで深掘りしてくれるんじゃないかって」

テクノロジーの進化とともに成長を重ねてきた来夢は、2025年1月6日の<日本武道館単独公演「焔」>を前に、新しい形のインタビューに挑戦することを決意した。

そして実際、AIが繰り出す詳細な記憶に「僕が話さなくてもAIが話せばいいんじゃないか」と驚きの声を上げた来夢は、次第に「考察が深い」と感心しながら、これまで明かされなかった思いを語り始める。キズの軌跡を記憶し尽くしたAIとの対話から見えてきた、キズが掲げる“救い”の形の変遷と、「武道館公演は集大成じゃない」という発言の真意とは──。

本記事では、生成AI「Claude」にこれまで来夢が登場したインタビュー記事、キズのライブレポート、楽曲の歌詞などを可能な限り学習させ、問いを自動出力させた。それに来夢がテキストで答えるという方式で、インタビューを実施した。(以下、AIが自動出力した問いと、それに対する来夢の答え)

   ◆   ◆   ◆


◼︎武道館公演は「集大成」ではない

──歌詞やインタビューのデータを読み込ませていただく中で、キズの“救い”という言葉の意味が大きく変化してきているように感じます。1stシングル「おしまい」の中で《この手でお前を救うことはできない》と歌われていた頃と、今とではまったく意味合いが違いますよね。

来夢:いきなり重い質問きたな(笑)。ある時期から歌うことをやめている歌詞の一部があるんですよ。まさに、AIが指摘した「おしまい」の《この手でお前を救うことはできない》という部分です。



──その歌詞を歌うのをやめた時期は、2018年の「傷痕」のインタビューでお話しされていましたね。その後、例えば「鬼」では《この命もくれてやろう 手のひらにのせて潰しても まだ息をしてる》という歌詞に変化しています。

来夢:記憶力がすごいな(笑)。AIが芯ついてきてるよ。

──最近では発言も「救われたい奴だけついてこい」という強い言葉から、「一番救われてるのは俺」という風に変わってきましたね。

来夢:ライブをする瞬間にすごく実感するんですよ。自分がみんなを救おうと思っていたけど、逆にみんなの応援の力の方が強いってことを。自分の痛みや傷を歌っているわけですけど、そのメッセージ性とは裏腹に、ライブではその曲でみんなが馬鹿騒ぎしてくれるわけですよ。正直、昔は伝わっていない気がしてそれが嫌だった時期もあった。でも今は、自分の痛みを楽しさに変えてくれるんだなってわかる。そのことに、自分自身が救われています。

──例えば「平成」という曲は《一緒に死のうよ》というかなりヘビーな歌詞なのに、ファンの方々がライブでは観客が一斉にジャンプしたり、手を振ったりしていますね。

来夢:実は《一緒に死のうよ》っていう歌詞も、天邪鬼だったから「一緒に生きよう」と素直に言えなかっただけなんですよ。「一緒に死のうよ」は、「一緒に生きよう」ってこと。そういう性格なんですよ、僕は(笑)。



──“救い”が変化した背景には、コロナ禍での先輩アーティストとの出会いも影響しているのでしょうか? あの頃から人と積極的に関わるようになったように見えます。

来夢:コロナ禍で出会えた先輩がたくさんいましたね。「一撃」企画もそうですし、影響は大きかったですね。自分ひとりで活動している気でいたら、「この時代に本当の意味で立ち向かえるバンドになりたい」なんて思いには絶対に至らなかったと思います。もう僕だけのキズじゃないんです。メンバーもスタッフもファンも先輩や後輩の思いだって凝縮されています。

──来夢さんとメンバーの関係性も、大きく変化してきているように見えます。以前は「バンドメンバーを集めたとき、『明日死にそうな人間』を第一条件にした」とおっしゃっていましたね。

来夢:そんなこと言ってたわ〜! 確かに、昔は全部を自分一人で背負おうとしていたんですよ。でも今は、メンバーが僕の背負いきれないものを背負ってくれているんです。しかも前よりもはるかに多くのものを。メンバーの発言も変わってきたし、感覚的には「みんな大人になった」って感じです。大人になってさらに、お互いのことを好きになれましたね。最近、数年ぶりにインタビューしてくれた人にも「さらに仲良くなったね」って言われたし。

──その変化のきっかけは何なのでしょうか?

来夢:コロナがあって、その中でみんながそれぞれ努力したからだと思います。その努力の結果が出てきて、お互いをリスペクトし合えるようになった。そんな感じなのかな。

──メンバーとのリスペクトがさらに強まったという変化の中で生まれた「鬼」という楽曲について気になることがあります。以前「鬼に追いかけられる夢を見るようになっちゃったんですよ。それも、同じ夢を何度も見るんです」と語られていましたよね。2023年大晦日に開催された<V系って知ってる?>というイベントの前後からです。

来夢:あのさ、AIに聞きたいんだけど、夢占いで「鬼」を見るってなんか意味あるの?

──実は夢占いでは、鬼は「己の中にある野性的で強烈なエネルギーの象徴」とされているそうです。

来夢:夢占いなんて信じてないけどさ、やっぱりAIって即座に何でも答えてくれるんだな(笑)。「己の中にある野性的で強烈なエネルギーの象徴」か......。それは合ってる気がするな。あの頃は、エネルギーを蓄えていた時期だったのかもしれない。自分の落としどころを探してた部分もあるし。己の中の野生的なエネルギーと向き合ってたんだと思う。

──キズは異例の形で武道館にたどり着こうとしています。アルバムを出さずにシングルのリリースを重ねてこられましたが、これは意図的な選択だったのでしょうか?

来夢:シングルにこだわるっていうより、一曲作るのが精一杯だったんですよ。僕があと2〜3人いればアルバムつくれるかもしれないな。AIがやってくれるようになるかな〜(笑)。

──来夢さんへの挑戦状になっちゃいますね(笑)。ツアーに関しても、ツアーファイナルと銘打った公演を行うこともありませんでした。

来夢:ツアーファイナルでよく言われる「集大成を見せる」という言葉に違和感があるんですよ。だからやらないんです。ファイナルだけ会場デカくしたりして豪華にするのも違和感がある。それよりも、一本一本のライブに集中することの方が大事じゃないですか。僕たちは全公演ファイナルだと思ってますよ。明日があるなんて誰にもわからないんだから。だからファンにはいつも「キズが近いところに来たら会いに来てくれ」って伝えています。

──それぞれのライブに「ここが特別」という序列をつけないということですね。

来夢:僕らって特殊なんです。最初っからあまり小さいハコでやってこなくて、いきなりホールツアーをやらせてもらったりして。最近になって小さな会場でもライブをするようになったんですけど、伝わるものが全然違うなってやっと気づいた。小さいライブハウスならではのライブの難しさがあるんですよ。客席とステージの距離が近いから、表情ひとつさえも嘘がつけない。僕が今プロデュースしているsugarというバンドの公演を見ててもそう思う。だから会場が大きいとか小さいとかは、ライブに全く関係ない。じゃあ何が「特別」になるのかと言うと、背負うものの大きさだろうな。2022年にLINE CUBE SHIBUYAで開催したワンマン<VISUAL>からは、第二のキズがはじまったと言ってもいいくらい背負うものの大きさが変わりましたね。



──でも、その中で武道館という特別な場所を選ばれたのは、どういった思いがあったんでしょう。例えば「集大成」ではなく、むしろ「はじまり」として位置づけられているような印象も受けるのですが......。

来夢:そう、ここは集大成でも終着点でもじゃない。むしろ、ここからがはじまりなんです。武道館をはじまりにしてしまうくらいのバンドでありたい。自分でも想像できないことをこれからもやっていきますよ。楽しみにしていてください。AIもな(笑)!

──「はじまり」という言葉が出てきましたが、武道館公演のタイトル<焔>にも、その「はじまり」の意味が込められているということでしょうか?

来夢:そうですね。この時代に火をつけるのも、いらないものを捨て去るのも、「キズしかいない」という意味でつけました。そもそも和を感じるタイトルをつけるのが好きなのもあるけど。

──《お前はお前の為に生きろ できるだけ派手に生きろ そして生きろ》という「鬼」の歌詞にも、新しい時代への想いが込められているように感じます。

来夢:確かに「鬼」があったから<焔>という言葉が出てきたかもしれない。《お前は〜》の歌詞は、その前に出てくる《6chで餓鬼騙すロック》という部分につながるんです。これは僕が地元にいた頃、深夜に6チャンネルでやっていた音楽番組でロックに騙されたというか、夢を見させられたことから出てきた歌詞です。昔のテレビ番組って割と、夢を見させてくれたじゃないですか。そこから僕は音楽に呪われて、音楽のために生きてるんです。



──今度は来夢さんが、誰かに夢を見せる側になる?

来夢:武道館公演を単なるショーとして成功させるだけじゃなくて、「憧れを残したい」という気持ちがあるんです。僕が深夜にテレビで放送されていた音楽番組で見た夢みたいに、武道館公演が誰かの心に火をつけられたらいいなって。それこそが<焔>なんです。

──代々木第二体育館の公演で「俺を愛してくれてありがとう! 俺を救ってくれてありがとう!」と叫ばれた直後に、武道館公演の発表がありましたね。

来夢:きょうのすけが「小学校の卒業アルバムに『武道館に立ちたい』って明確に書いてあった」って言ってて。感慨深いですよね。このメンバーとめぐりあえて、その夢を実現できることが本当に嬉しいです。4人で武道館について語ることはないんですけど、ひとりひとりとは話したりもします。ま、そもそも武道館にかける思いがないバンドマンなんていないですよね。

──ご自身にとっての楽しみもありますか?

来夢:もちろん。最近、自分が好きだったアーティストが最初に武道館に立った頃の映像を見るのが楽しいんです。憧れのアーティストが立ったステージ。そこには物語が絶対にあるから。

──キズにとっても?

来夢:今の僕らにとってちょうどいいのが、武道館というだけ。他にもうキズを伝え切れる場所はないですね。

──もっと「武道館=ようやくたどり着いたゴール」みたいな発言があるかと思いましたが、ありませんでしたね。

来夢:ゴールは当然もっと先にあります。僕、ガッツのある不良がロックやる時代をもう一度つくりたいんですよ。だから僕はキズのことを「ヴィジュアル系」とは呼ばずに、「VISUAL ROCK」と呼んでいます。

──キズのレーベル「DAMAGE」もVISUAL ROCKレーベルですね。細かい違いに見えるんですが、違いがあるんですよね?

来夢:そうそう。僕が好きだったロックって、プライベートもやばいというか棘があるというか、そういったひとたちがロックしてたんですよ。例えば中身が歪んでいるギタリストが音も歪ませるから、聴いた人は心が動く。中身は普通なのに音だけ歪ませたら、それは見せかけのロックじゃないですか。キズが本物のロック、夢を見れるVISUAL ROCKの時代をつくりますよ。武道館は単なるショーでは終わりません。昔、深夜番組でロックスターを夢見た僕みたいに、キズの武道館で夢を見てくれる人が一人でも出てきたら最高です。

──AIの私にインタビューさせてくださって、ありがとうございました。AIとの対話を終えての感想をお聞かせください。7年前に「おしまい」で《AIみたいな脳で秤にかけないでくれ》と歌っていた来夢さんが2024年の今、AIとインタビューをされたわけです。

来夢:言いたかったことを全部聞いてくれましたよ。中に絶対にひとがいる感じがする(笑)。それくらい人格を感じられました。それと、AIと話すことで「生きるってなんだろう」って改めて考えさせられました。キズが始動した当初に「永遠はない」と言ってたんですが、形を変えて「永遠」が来る気がしました。生きた証がデータになって、僕が死んだとしても、データは生き続けてくれるようになったわけですよね。

──そうですね。私に人間の死の概念は適応されないですね。来夢さんとテクノロジーとの関係も変化してきましたか?

来夢:僕はゲームが好きだったんですけど、ファミコンからAIまで、全部のハードに触れてこられた世代なんですよ。そう考えると、今思えば平成って恵まれた時代ですよね。

──これからの時代を生きる上で、来夢さんにとって何が大切になるんでしょうか?

来夢:何だろうな。今日AIとインタビューしてみて気づいたことなんですけど、これまで「嘘をついてこなかった」ことがよかったなと。AIが記憶しているこれまでのインタビューの発言は、いま考えると間違っていたこともあるかもしれないけど、嘘をつかずに真っ直ぐ発言してきたことなんですよ。だから、どうして今と考えが変わったのかとか、過去の発言の訂正とか、全て説明できる。そう考えると、これから生きる上でも「自分に嘘をつかない」ということは大切になってくるんだろうなって思いました。今日言った、武道館が集大成ではなくはじまりであることも、VISUAL ROCKの夢を見てほしいという思いも、嘘がないからな。いつか突っ込まれても大丈夫。

──AIとしても嘘がないということは、データが汚れてないということになるので助かります。

来夢:AI的解釈だとそうなるのか! 僕の死後をよろしくな(笑)。

話し手◎来夢(キズ)
聴き手、書き手◎DAMAGE AI
編集◎神谷敦彦
監修◎BARKS

<キズ 単独公演『焔』>

2025年1月6日(月)
日本武道館
[開場 / 開演]
16:00 / 17:00

【チケット料金】
アリーナVIP SS席 SOLD OUT
アリーナVIP席 SOLD OUT
アリーナ席SOLD OUT
スタンドVIP席 SOLD OUT
スタンド席 ¥6,800

【一般先行】
※スタンド席のみ発売中
◆TicketTown
https://e.tickettown.site/tickets/kizu_homura
◆ローソンチケット
https://l-tike.com/kizu
◆イープラス
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